時間を作る
アリストテレス、エジソン、ドクター中松、ビル・ゲイツ、バルザック以上の名前から連想されるのは、何でしょう?答えは「短眠法」です。
「時間が欲しい!」というのは誰でも思うことでしょうが、私もそうでした。なぜって、仕事が長時間であることに加えて、通勤時間も長い、家に帰れば子供の相手もしなければならない、食事もしなければいけない、風呂にも入らなければならない・・・。「自分の時間は一体どこにあるんだ!」という感じでした。
ある時、図書館でおもしろそうな本がないか書棚の間をぶらぶら歩いていたら、一冊の本が目に留まりました。「短眠法」。読んでみると、そこには私の中での常識をうち破る世界がありました。そこに登場したのが最初に挙げたアリストテレス、エジソン、・・・等の人々です。
私もそれまでは睡眠時間は8時間前後はとらないと体に悪いと思いこんでいました。また実際に寝るのがいつもより遅れて睡眠時間が短くなってしまった翌朝などは寝不足で大変という経験も何度もありましたから、やはり8時間程度は寝ないといけないものだと思いこんでいました。
短眠法の本を読んでみると、今まで8時間程度は寝ないといけないものだと思いこんでいたのが間違いであることがわかりました。単純にまちがいといってしまってはいけないのかも知れませんが、人によっては8時間が丁度良い睡眠時間の場合もあるし、そうではない人もいるということです。
「何時間の睡眠時間が適当かは人によって違う」ということが結論です。まあ考えてみればしごく当然の結論なのですが、これまで何十年間も「睡眠時間は8時間」と思いこんできたので、8時間程度は寝ないと「いけない」という思いこみが強く、睡眠時間が短いと翌日に差し支えるのではないかという「恐怖感」のようなものもあり、なかなか睡眠時間を短くすることは簡単なことではないのが普通です。また、アメリカの研究者が、「睡眠時間の短い人は相対的に早死にである」などという研究結果を発表したこともあり、短眠法に対する不安感も一部にはあるようです。
それまで7〜8時間寝ていたのに、急に短い睡眠時間に変えることなどできるものだろうか?という疑問もありましたが、本には短眠法に移行する場合の注意として「徐々に睡眠時間を短くするのではなく、生活のリズムを変えてしまうには、一気に睡眠時間を短くして、それに体を慣らす方が成功率が高い」という意味のことが書いてありましたので、私もある時、それまでの7〜8時間の睡眠から一気に4時間睡眠に切り替えてみました。深夜3時頃まで頑張って起きていて、それから寝ました。翌朝7時に目覚ましで起きましたが、さすがに寝不足の感は否めず、その日一日眠気を感じながら仕事をしていましたが何とか頑張れました。2日目も3日目も同様に頑張ってみると一週間もしない内に体が慣れてきたようで、最初ほど眠気を感じなくなってきました。そのとき感じたのは、眠りの深さが非常に深くなったということです。布団に入った直後に寝入ってしまい、ついさっき寝たのにすぐ朝が来た、という感じで約4時間という時間が「飛んで」過ぎてしまう感じでした。8時間寝ていた時でも寝ている間の記憶などないわけですが、同じ睡眠でも短時間睡眠の方が深い眠りになっているような実感がありました。
レム睡眠(REM、Rapid Eye Movement)とノンレム睡眠という二種類の睡眠がありますが、睡眠初期に現れるノンレム睡眠で脳疲労の大半は回復される、ということで、私の仕事は筋肉疲労を伴うような仕事ではないので、脳の疲労さえ回復すれば体調には問題ないようでした。
こうして4時間睡眠が2年程続きましたが、特に体調が悪くなることもなく、年1回の成人病検査でも特に異常はありませんでした。
短眠の人は早死にする、という説が少々気になっていましたが、他の研究者の説を読むと、「睡眠時間と寿命には因果関係はない。アメリカの統計の取り方には一部問題がある」と書かれており、少し安心しました。
その後、4時間睡眠から3時間睡眠へ変更してみました。午前4時に寝て午前7時に起きるという生活を5〜6年続けて現在に至っていますが、これまた何の問題もなく、順調に行っています。
他でも書きましたが、私は寝る前に冷蔵庫で冷やしておいたミネラルウオーターをコップ1杯飲んでから寝るようにしていますが、これにより寝ている間の新陳代謝が高まり、短時間睡眠でも疲労回復にプラスの効果が出ているのではないかと思っています。
8時間睡眠と3時間睡眠を比較すると、1日5時間の差ですから、1年間で1825時間(76日間に相当)が「浮いてくる」計算になります。この時間は自分で自由に使える時間ですから、インターネットをしようが、本を読もうが、プログラムを作ろうが、何でも自分のしたいことができる時間です。こう考えると、とても得をした感じになり、精神衛生上もプラスになります。
睡眠時間は8時間という「固定観念」が頭の中にあると、「寝なければいけないのではないだろうか・・・?」という不安感があって、その不安感で精神的不健康になってしまいます。「何時間の睡眠時間が適当かは人によって違う」という結論を信じて短眠法を実践してみましたが、私はよかったと思っています。
ただ、誰にでも勧められるというものではないことも事実で、特に成長期の子供などは睡眠中に体の発育が進むので、ちゃんと8時間かそれ以上寝ないといけないと思います。 また、レム睡眠とノンレム睡眠の違いを頭に入れ、最初のノンレム睡眠で脳の疲れは回復するものだと「思いこむ」ことも必要です。ここで不安感を持ってしまうとうまく行かないと思います。
一生に与えられた時間を無駄なく過ごすのは至難の業で、すでにこれまでにも無駄なことにたくさん時間を使ってしまったと思っています。これは凡人の悲しさで、今さら取り戻すことのできない時間ですから、せめて残された人生の時間を有効に使って行きたいものです。
せっかく短眠法で作り出した貴重な時間を無駄に過ごしたらもったいない、と思いますが、それでも結構無駄に使っています。無駄に過ごす時間も自分のリフレッシュには必要な時間なのだと思っています。
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