木曽路はすべて山の中である。・・・藤村の小説、夜明け前の書き出しで有名だが、山の好きな者にとって木曽路は大変魅力がある。木曽川に沿って続く街道、険しい峠、深い谷底の集落、山また山。江戸時代の中山道・木曽には馬籠、妻籠、上松、福島、奈良井、野尻など11の宿場があり、それぞれに当時の賑わいや息遣いの聞こえてきそうな古い道とたたずまいを残す。しかし訪れるにつれて、豊かな山の資源に囲まれながらも決して裕福には暮らせなかったこの地での人々の生活も、かいま見る。
梅や桃のほころぶ春先も、新緑の頃も、色づく秋も、木曽路は美しい。 |