レベルアップ野球


犠牲バントの仕掛け方

トーナメント方式の試合では書かせない戦略
犠牲バントは、たとえ相手にアウト一つを与えても、自分のチームのランナーをスコアリングポジションに持っていくための戦略の一つであり、いわゆる「送りバント」「犠牲バント」「サクリファイスバント」ともいわれる戦法である。あまり早いイニングからやる必要はないが、トーナメント方式でやる限り、点をとっておきたいというときには書かせない作戦である。

送りバントは「決め手の一手」
ゲームの流れを相手に渡さない。逆にゲームの流れをこっちのものにするためには、一死でも送るべきときには送る。いわば送りバントは「決め手の一手」となる戦術の一つでもある。そのためには、1人目が失敗したら2人目にもバントさせ、2人のバッターで送ってでも(二死二塁になっても)1人のバッターで三塁ランナー、二塁ランナーを返しにいくこともある。この、勝負を左右しかねない「決め手の一手」となるバントの重要性をよく理解し、監督の意図にこたえられるように、ふだんからしっかり練習しておこう。

バントで送るべきケース
バントでだいじなことは送るべきケースで送らせること。その「送るべきケース」とは@打順AバッターB相手ピッチャーによっても異なる。@打順はクリーンアップトリオの前の二番打者。あるいは上位打線の前の打順。たとえば、八番、九番打者に送らせる。A打順に関係なく、バントの成功率の高いバッターに送らせる。Bヒットの出る確率の少ないピッチャーや、連打が期待できないピッチャーが投げている場合。待望のランナーが出塁したら、次打者に送らせる。

無死一・二塁の場合のバントは確率勝負
無死一・二塁の場合のバントは、そのバッターのバッティングにおける確率しだいで「バント」すべきか「ヒッティング」すべきかを考える。バッターがそのまま打つよりバントで送って、一死でもランナーが三塁にいるほうが得点につながる確率が高いと判断したら「バント」させて、一死二塁・三塁というかたちを作るし、バッターがヒットする確率のほうが高いのであれば、そのまま打たせる。無死一・二塁の場合のバントは、あくまでもバッターヒットを打てるか打てないかの確率を考えたうえで、監督が決断を下してサインを出す場面であるといえる。