袖山枠と袖山の適応の計算式
パタンは夫々身頃と袖の固有のバランスで成り立っていますのでグレーデイングはその固有のバランスを保持するように行なわなければなりません。
双方の関係は
(1)身頃の拡大、カマ巾・肩丈の拡大 → 身頃の拡大により袖ぐり枠は前後の肩丈とカマ巾が拡大し、それに合わせて袖山も拡大され
なければなりません。A/H と袖山の双方とも縫い合わされた状態では『楕円形』になり、二つは縫い合わされて袖山から斜め下にに『袖筒』が延びて
袖付けが出来上がります。
ですから袖のグレーデイングは身頃の変化に従って行なわれなければなりません。前項で示した『袖山対比計算式』は
身頃のピッチの変化に対応して袖山の各バランスのPt の変化を計算する計算式を提示しました。
この稿ではどうしてそのような『計算式』が考え
られたか?と云う論理を説明したいと思います。
(2) 操作に必要な変更量の問題
先ず双方に関連する部位は
身頃の変化 = 袖山の対応 は具体的には
肩丈の拡大 → 袖山の高さの拡大
カマ巾の拡大 → 袖巾の拡大
です。
前後の肩丈の拡大(カマ丈の拡大)は袖山の高さに影響し、カマ巾の拡大は袖巾の広さに影響します。
(3) 袖のデザイン的なバランスの問題
(a) 袖山が高く、硬い袖 → 狭い袖巾 → 腕は挙がり難い
(b) やや低く、柔らかい袖 → やや広い袖巾 → 中間的
(c) 袖山が低くスポーティな袖 → 広い袖巾 → 腕は挙がり易い
(4) 袖山枠と袖山の基本的な制約は・・
(5) 袖山の巾と高さの関係
具体的な例で説明します。身体寸法は 身長 158.0 cm、バスト 83.0 cm,のトルソー原型ですと
この数値からは次の事が判ります。
まず立体で考えると右図のようになります。
A2(平均肩丈) = B2(袖の円周*1/3=,カマ巾) + C2(袖山高)
これはC2 = A2 - B2 と書き換えられますから計算して見たら次のようになりました。
A2(平均肩丈) = B2(袖の円周*1/3=,カマ巾) + C2(袖山高)平均肩丈A 自乗 袖巾直径B 自乗 袖山高C 自乗 17.7 313.29 10.7 114.49 X=14.10 198.8
これはC2 = A2 - B2 と書き換えられますから計算して見たら
次のようになりました。
平均肩丈 袖巾直径 袖山高
A B C
17.7 313.29 10.7 114.49 X 198.8
14.10
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