最新はNO、7です。


NO、1 戦車とはなんぞや?

戦車とはなにか?、簡単なようで難しい質問かもしれない、一般的には、履帯(キャタピラの日本語版、キャタピラは登録商標である)で走り大砲を備えた車と考えるかもしれない、しかしそれでは自走砲や装甲戦闘車も戦車ということになってしまう、これらは戦車とは使用用途が異なる、(一般的には自走砲は、遠距離からの砲撃支援、装甲戦闘車は、歩兵の輸送、及び火力支援といったところであろう。)そこで自分の考えであるが、戦車とは、1.強固な装甲を備え、2.強力な火力を有し、3.適切な機動力を備える車両であると定義したい、すなわち最前線で対戦車兵器や、戦車砲と真っ向から撃ち合える車両を戦車とよぶのがふさわしいと思う。


NO、2 第一次世界大戦時の戦車

戦車が誕生したのは第一次世界大戦のときだった、それはイギリスが極秘に開発を進めていた、秘匿名称「タンク」だった、1916年ソンムの戦いでマーク1戦車として実戦投入された、この戦車は、現在の一般的な戦車の形態とはまったく異なっていた、菱形戦車といわれる菱形の形状をもち、車体の全体を履帯がおおい、砲塔もなく、スポンソン(車体左右の張り出し)に砲、機関銃を搭載していた、(武装の違いでオス型、メス型があった。)、時速はわずかに6kmで、”徐行”速度である、対戦車などまったく考慮されておらず、というよりも戦車戦という概念すらなかったものと思う。続いて戦車の開発をしたのはフランスだった、シュナイダーとサンシャモンという2種類の戦車で、特筆すべきはサンシャモン戦車で、世界初となる電気駆動戦車だった、しかし結果論でいうのならば両者とも失敗だった(まあ、初めて作ったものが大成功作品など、めったにないが)しかし、フランスは真打として、ルノーFT戦車を開発した、その後の戦車の基本形を決定づけた、偉大な戦車であり戦車史における位置はマーク1戦車に勝るとも劣らないだろう、いずれ描いてみようと思っている。



NO、3 お気に入りの映画 

自分が、はじめて映画館で観た映画はゴジラ(84年)だった、たしか5歳くらいだったような気がする、今思えば、自分がCGをやるきっかけになったのは、この時、特撮という現実には存在しないものを映像化する技術に感動したからだろうと思う。もしゴジラを観ていなかったら、CGをやることはなかったかも知れない、大人になってから見返してみても、ゴジラに原潜を沈められたソ連が、アメリカにより沈められたと判断し、総動員を発令するところなどよくできている。そして、その後、アメリカではなくゴジラにより沈められたと判明し、日本に対し、米露両国が、総理に対し、我々には報復する権利があると、日本での核の使用を要求するシーンがある、最終的には総理が両首脳に使用を拒否を伝えるのだが、この時、両首脳に総理が伝えた言葉がいまも記憶に残っている。「もし、あなた方の国の首都、モスクワやワシントンにゴジラが出現した時、あなたは何のためらいもなく、核を使用することができますか?、両国首脳はわかってくれたよ。」その後、ゴジラは東京に上陸し、自衛隊が迎え撃つのだが、文字どうり瞬時に壊滅してしまう、そりゃあ港湾で横一列になってれば、火炎放射の横振り一発で壊滅してしまいますが・・・・、地対艦ミサイルまでもが74式戦車とならんでミサイルを発射している、無茶苦茶な光景だが、この作品に限らず、過去の作品でも戦車が機動戦闘を行なっていたり、ミサイルをはるか遠距離から発射する、といった”当たり前”なシーンが描かれた事は少ない、まあ、ミニチュアではセットの構築が難しいからだろうが・・・・・・

(NO、4に続く。)



NO、4 お気に入りの映画(前回の続き)

前回、ゴジラが通常兵器群を蹂躙したところまで、書いたので今回は東京に上陸したところからとなる、この作品はビル群のミニチュアが素晴らしく、特に新宿の超高層ビル群がとてつもない、高さにして4m程だろうか、ゴジラが小さくみえるほどであった、この地区で設定では、核攻撃にも耐えうる空中要塞として、日本が極秘に開発を進めていた超兵器、スーパーXとゴジラの決戦が行なわれた。デザインが細かく、機体には陸上自衛隊の文字と前面には桜のマークがついている、私はこういう細かい描写が好きで、CGにしてもこういった部分をいかにしっかり作るかで、出来が天と地ほどに変わってきてしまうと思う、さて戦闘シーンだが、ゴジラの体内の核分裂を抑制するという物質、カドミウム弾をゴジラに打ち込む、見事に効果を発揮してゴジラは倒れふすのだが、その前に力を振り絞るかのように、火炎放射をスーパーXに叩き込む、光に包まれるスーパーX、しかし光が消えたときその姿は表面が煤けただけだった、この描写のインパクトは大きかった。

この後ゴジラは復活してしまう、切り札のカドミウム弾はすでに使い果たし、残るは効果の薄い通常兵器のみ、(といってもメーサー砲を装備しているのだけれども・・・・)、この時、機体内の乗員の描写がある。

「(隊員達)隊長!もうカドミウム弾がありません!、通常兵器のみです!、(隊長)かまわん!、直ちに攻撃を開始する、離陸!」このセリフも総理大臣のセリフとおなじく記憶に残る、もはや勝機は完全に失われたことを知りながらも、自らの義務を果たすため、スーパーXを起動させて戦闘を開始する隊員達の姿には、子供心にも感動した、この後の戦闘も壮絶で、高層ビルの後ろに回りこんだスーパーを、ゴジラはビルごと火炎放射で打ち貫くシーンは名シーンだと思う、この後、死闘の末、スーパーXは撃破されてしまう、しかしゴジラと真っ向から撃ち合いついに力尽きたその姿は、単純にかっこいいと当時思った。

怪獣映画は・・・・・ちょっと、と思っている人はぜひこの作品を観てほしい、きっと新鮮な驚きがあるはずである。


NO、5 第一次世界大戦時の戦車(2)

マーク1戦車が完成した、少々ムービーでの移動スピードが速すぎたように思う、最高速度6kmというのは半端ではない遅さである、90式戦車の70kmにくらべると、月とすっぽんである、つねに徐行しているようなものである、まあ当時は機動戦などまったく考慮されておらず歩兵支援のみが目的だったのだから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれないが。第一次世界大戦の末期にドイツもついに戦車を実戦投入する、それがA7V戦車だった、装甲はイギリス戦車よりもだいぶ厚く、懸架装置も搭載して、その点はイギリスよりも優れていた、しかし、あの車高は大問題だったに違いない、ちょっとの段差でも車体底部をすってしまいそうなほど低く、塹壕を越えようものなら、車体前面が地面にめり込んでしまいそうだ、そして、このA7Vが登場したことにより、双方ともに戦車を戦場に投入したことになる、すなわち戦車同士が戦場で遭遇する可能性が出たのだった、そして1918年4月24日、ついに史上初の戦車同士の砲撃戦が生起した。一体、英独双方の乗員はどうやって戦闘を行なったのだろうか?、現代の機甲戦のようではまったくなかっただろう、両戦車ともに時速はわずに8km程度、動き回っての機動戦を行なえという方が無茶だ、そもそも対戦車戦の訓練などこころみられたこともなかっただろう。きっと双方、かなり驚いたに違いない結果はイギリスの勝利だった、ドイツは一両のA7Vが撃破され退却した、1918年のことだった、現在、120mm砲を装備し、最高速度70kmで50トンの90式戦車が軽快に走ることを思うと、感慨深いものがある。


NO、6 戦車とエアコン

戦車に詳しくない人に、「戦車にはエアコンは装備されているのか」と質問されることよくがある。(自分の家族も同じ事を質問した。)答えは砂漠地帯等を除き基本的には装備されてない、多分、理由は戦車の内部面積に関係していると思う、外見から見ると10m近くある戦車は中が広いように思えるが、印象とは大違いで内部は詰め込めるだけ電子機器類を詰め込み、人間はその間に「収納」されているといった風情である、(もっとも90式戦車は自動装填装置を採用しているため、狭いが特に不具合は生じない、しかし韓国のK1A1戦車は90よりもさらに低い車高(225cm)で120mm砲弾を扱う装填手の苦労はいかばかりか。)もとより戦車のみならず兵器の至上命題は「敵を撃滅すること」であり、「人間の快適性」ではない、だから砂漠地帯のように絶対的に必要な状況でなければ、貴重な内部容積を削りエンジンの出力をエアコンに食われてまで、エアコンを搭載する必要はないものと考えられる、(逆に中東の国々の戦車等にはエアコンが必須装備であり、中東に輸出される戦車等には、自国では搭載されていないエアコンが熱帯地使用としてほぼ確実に搭載されるようだ。)と言っても、中東の「昼間、戦車の装甲でタマゴが焼ける」ほどではないにしろ、戦車の内部は日本においても夏は簡易サウナと化し何もせずとも汗がとりとめもなく流れ落ちていく、冬はサウナから簡易冷蔵庫へと変貌し、靴下2枚履きにして半長靴の上にオーバブーツという防寒靴を履いても、寒さが足から上ってくるほどである。ちなみに、簡易暖房装置とでも呼ぶべきものはある、エンジンの熱で温まった空気を戦闘室内に送り暖める装置で、その性質上、エンジンが動いていないときは使用できないものの、その効果はなかなかのものだった。この方法は第二次世界大戦当時からあったようで、おそらく技術者ではなく戦車乗員が考え出したものなのだろう。


NO、7 嗚呼!歴史は繰り返された!特生自衛隊よお前もか! ゴジラVSメカゴジラ(2002年)

以前、ゴジラ(84年)で登場した自衛隊の通常兵器部隊の駄目っぷりを書いたが、最近ゴジラVSメカゴジラを見た、結論からいうと作品としては悪くは無かった、個人的には3式機龍(いいネーミングだねェ!)の操縦手は釈由美子よりも高嶋政伸に演じて欲しかった(ビオランテ編での若き司令官、黒木一佐での役は忘れ難い)や習志野駐屯地がどうみても富士学校だったり(正直失笑ものでした)する点はまあ置いておきましょう。

さて、今回も出てきました、90式戦車部隊しかも流星マークつきです、どうやらこの世界では富士教導団は特生自衛隊に編入されたようです、ああっなんとゴジラに蹴っ飛ばされた!空き缶を蹴飛ばしたかのように宙を舞う90式戦車!

・・・いやそれ自体は今までにない演出で良いとは思うんですが、蹴っ飛ばされる距離まで近づかれるというのは一体・・・まさか車長以下3人そろって寝ていたんでしょうか・・・これでは1500馬力を生み出すエンジンも要りませんな、まるでトーチカに等しい存在です。これ第一次大戦じゃないですよね?現代戦ですよね?

まあ、初戦は完全なゴジラのかませ犬として終わってしまいましたが、クライマックスの港湾戦闘シーンがまだあります、・・・84年の港湾シーンと全く変化が見られない部隊配置(88式地対艦誘導弾に90式戦車という軍事常識を完璧に無視した斬新な部隊配置再び!、84年と変わったことは74式戦車が90式戦車に変わっただけのような感じが・・・)を披露します。

・・・だから地対艦ミサイルはもっと配置場所を海岸から離せって!これじゃ180Kmにも及ぶ射程距離はいらんぞ・・・開発者の嘆きの声が聞こえてきそうです。まさか誘導装置が付いていないのでは?・・・そうに違いありません!でなければあの配置には説明がつきません、きっとあの世界では誘導装置なるものは発明されてないんでしょうね・・・多分。

そして、ゴジラ登場です!F2戦闘機が攻撃です、・・・火炎放射を回避するシーンもお願いだから描写しましょうよ、紙一重で火炎放射を回避!、一瞬前まで自分の機体がいた空間を貫く青き光線!そして蜂の一刺しの如き空対艦ミサイルをゴジラの顔に叩き込む!・・・そんなシーンもかっこいいと思うんですけど・・・やはり通常兵器が活躍することは許されないのでしょうか?

その後、もうお約束とばかりに90式戦車達は大地に根を下ろしたがごとく動かないまま射撃を開始します。その後のやられ方までお約束的です。

嗚呼、特生自衛隊よ、機甲戦闘の基本を思い出してくれよ頼むから!、正直少しぐらい見せ場を作ってよ、そう例えば戦車部隊なら連隊集中射とか、これも無茶苦茶だけど、完全な同時射撃で一発にしか聞こえない砲声、凄まじい直撃音と共にゴジラの体表面の皮膚が血が肉片が吹き飛ぶ!激烈なまでの一点集中射撃の破壊力前に憤怒の表情を浮かべながら後退するゴジラ!視線でゴジラを殺すかのような表情でゴジラを睨み命令をする車長達・・・兵器の性能だけでなくそれを使用する人間の技量・英知・勇気が圧倒的に強大な敵に対し善戦する。そういった展開を怪獣映画の中でも見てみたいものです・・・本当に