Isilmista:今日は節分ね……。
Anor:なんで憂鬱そうなんだ?
I:だって今年ももう一ヶ月経っちゃったってことでしょ? やりたいことできないままひとつき経っちゃったって思うと。
A:やっぱり年取ると月日の流れを早く感じるんだな。
I:あんたも同い年でしょ。双子なんだから。
A:まあ、今日の節分で福を呼んでだな。そんな鬱屈した気分を払おう。
I:そうだね。……投げる豆は?
A:今年は俺が投げる。一年ごとに交代するのが公平ってもんだろ?
I:……去年のこと根に持ってる?
A:いや、ぜんぜん。さあ、気分を出すために鬼の格好も用意したし。
I:なにこの築地の市場の中卸業のひとと結婚しそうな服。
A:練馬区の某私立高校の生徒会長も着たと言う由緒正しいものだぞ。
I:やっぱり去年のこと根に持ってるでしょ? ねえ?
A:そんなことないってば。
I:うー。…………着替えたよ。
A:よし。じゃあこの豆を投げるから……。
I:ちょっと待って!
A:なんだ?
I:この衣装さ、金棒もセットになってるよね。
A:ああ、鬼だからな。
I:てことは、反撃してもいいのよね?
A:え?
I:だってそうでしょ。豆を投げて鬼を追い払うってことはさ、逆に言えば豆を投げないと鬼が来るってことでしょ。
A:そ、そうかな。
I:つまり、あんたは豆を投げる、あたしは金棒で攻める。これで勝負ってことよね?
A:なんか間違ってないか?
I:問答無用! それじゃ行くわよ! 福はーそとー!
A:まって、ハンデありすぎだっグボっ!! |