先生選び
この病気で何が一番大切かと聞かれれば、私は「主治医だと思う。」と答えます。
主治医次第で、人生変わると思います。
医療と言う枠で見た場合、今、情報の伝達も進んできて、一般的な病気は、日本全国どこでも一定のレベルの治療が受けられるようにと言う流れで、「標準治療」のようなマニュアルというか、まぁ教科書のようなものが出来ているようです。
それはすばらしい、、、、、、いわゆる普通の病気なら。。。。
ところが、ここが「炎症性腸疾患の治療の落とし穴」的独特なところで、「標準治療」が必ずしもどんな患者にとっても良い治療なのかというと違うのです。
確かに、再燃して炎症が酷いときは、「炎症を診る」と言う部分が大事です。
再燃して炎症が治ったから「治っておしまい!!」って言う病気ではないのです。
この病気は長いスタンスで診てもらわないといけない病気ですので、再燃して悪化した状態の時だけに目を向けるようなお医者さんは、あまり良いとは言えないと思います。
途中からのお付き合いだとしても、以前からの状態を考えて見てくれる先生。。。
ここのポイントははずせないです。
完全正解の治療法と言うのもまだないのですから、患者自身がどういう人生を送りたいかでも、適した主治医が変わってくると思うのです。
もし、色んな医療情報を全国の同病の人から聞いたり自分で勉強したとして、こんな治療法をしてみたいと思ったときも、最終的には自分の主治医次第でもあるわけですから。
ただ、こうしたい、ああしたいと言うのは、患者自身がきちんと病気のことをわかって初めて要求できることであると思います。
病気のこと自体、今ひとつわかっていないのに、要求に走るのは、患者のただのわがままだと思います。
医師も人間ですから、患者の病気との向き合い方次第で、医師の態度も変わってくると思います。
とは言うものの、主治医が大事であると言うことはわかっても、どうやって探せば良いか???
同じような病気の人にうわさを聞いたとしても、自分に合う医師かどうかはわかりませんものね。
IBDで有名だからどの患者にも良い医師かって言うとそんなわけない。
そのくらい、「人と人」としての部分が重要な病気だと思うのです。
医師との信頼関係って言うけど、3分診療でどうやって築けば良いんだ!なんて話もよく聞きます。
すぐには無理ですよね。
もちろん、出あった瞬間からびびびっとくれば良いのですが。。
先生に求めることって大きく分けちゃうと2パターンだと思うんですよ。
治療の一切は、全部全部先生に任せて、治療に関しては余計なことは背負いたくないというパターンと、
自分の体のことだから治療にどんどん参加して、希望も言いたいタイプ。
ちなみに私は後者です。
前者の先生選びは比較的簡単で、IBD関連で、ある程度有名な先生のいる病院を探して、きちんと通えばそれでOK!
いまや、IBDに力を入れている先生って、地方でも、少し無理すれば通える範囲にひとりくらいはいると思うんですよね。
問題は後者ね。
これは、長期計画で先生を「好みに作りあげる!」のが得策だと思う訳です。
すぐには無理ですが、、、、
かく言う私も、主治医との信頼関係の確立には2年くらいかかりました。紆余曲折、、いろいろありました。
でも、今や、私が私らしく生きるためにはなくてはならない存在だったりします。
誠心誠意患者として向き合えば、信頼関係って生まれてくると思うんですよね。
「治る」と言う病気ではないので、「治してもらう」よりは、「医師と一緒に病気の状況を見際めながらベストな道を模索する」と、思って欲しいと思います。
治療に正解のない病気ですから、時にその選択が失敗することもありえます。
そう言う部分を踏まえた上で、良い道を医師と選んでいきたいものです。
そういう信頼関係を作れそうな先生ってやっぱり頭がやわらかいことが絶対条件であると思うので、なんて言いますか、「きちんと話を聞いてくれる先生とでも言いましょうか。。。」
そういう先生だったら、たとえ、IBDの治療の知識が少なくても、臨機応変に対応してくれると思うのです。
そして、医師も一緒に人間的にも医師としても成長できると思うのです。
そうすれば、後に続く新しい患者さんにとっても良い。
ちなみに、私は、「この主治医について行こう!」と思ったきっかけって言いますのは、私ってプレドニンを大量投与した後、少しずつ減らしていくときに、熱が出たり、目がはれたりとか言うことが起こるのですが、まずほとんどの先生は、「そういうことはありえない!」って言う反応をするのです。
医学的に、そういうことはありえないそうなんですよ。
でも、私はそういうことが起こっているのです。
一度や2度だけではなく。
当時、今の私の主治医は、「うわぁーほんとだほんだ!!」って面白がった、、、と言いますか、きちんとそういう事実に目を向けたんですね。
たまたま、、、ではなくて、何度も「プレドニンを減らすと、熱が出たりまぶたがはれたりする。」って言うことが事実として起こるのに、目の前で起こっていることに目を向けない医師が多いと思います。
医学的にも科学的にもそういうことはありえないそうなのですが、明らかに、目の前の患者はそうなっている。。
そこは、見てほしいです。
それが、診察だと思うんだけどね。
「わからない。」ことは、「ない。」ことにしてしまう医師って多いような気がします。
ただ、私たち患者も、お医者さんに「これ、わかんないんだよね。」なんて言われることに、慣れてないんですよね。
わからない、、、すなわち、信用できない、、、ってなっちゃったりしてさ。
「わからないことをわからない。」と言われたくない患者さんは、「とにかくわかんないけど、何も言わずに俺についてこい!」の先生を探すことをお勧めします。
本当に患者それぞれで、適した主治医は違うと思いますから。
そんなこんなで、私はせっせとこの主治医についていく決心をしたのでした。
私の目に狂いはなかった、、、って今は思います。