患者のご家族の方へ
ご家族が潰瘍性大腸炎やクローン病と診断された方、ご心配は察するにあまりあります。
当事者の患者じゃないだけに、ある意味本人以上に、「心配する気持ちのコントロールは大変だろう」と思うのです。
傍らで愛する人が「苦しんでいる」のは辛いでしょうね。
家族家族で、形が違うから、こういった、どんな状況の人が読むかわからないホームページでは、アドバイス的なものは、不可能です。
ですから、色んな方とお話をしてきたり、私自身が経験した中で、思ったことを書こうと思います。
もしもその中に、あなたが、患者であるお子さんとかパートナーとかとの関係を考えるきっかけのヒントがあれば、嬉しく思います。
私自身、こういう病気であるとわかったころは、確かに落ち込みました。
その後、病気についての大体のことを理解し、「病気を持って自分の人生を生きる」と言う気持ちに達してからは、正直なところ「家族の心配」は時に負担に思うことがありました。
それは、「自分の病気のせいで心配をかけてしまっている。」と言う気持ちが芽生えてしまうからです。
そう言う、「優しすぎる心」を持った方がとても多いので、せめて、「自分の病気のせいで心配かけて悪いな。」と言う部分は少しでも減らしてあげて欲しいなと思うのです。
体調が悪いと思ったらふとした拍子に良くなった、、、なんてことも結構ある病気です。
ですから、ご家族の方を見ていると、病気について、もう少し無関心を装って欲しいと思うときが多いです。
逆に女性が患者の場合、夫である男性は、「干渉しすぎない。」方が多いような気がします。
時に、もうちょっと労わってくれ、、、と言うようなね。
ですが、大きな目で見ると、「干渉しすぎないこと。」「見守ること。」は、良いことに感じます。
男性が患者の場合、「干渉しすぎる。」パートナーの方が多いように感じます。
「食事療法をしっかりさせているから、うちの夫は再燃しません!」と言う感じでね。
食事療法をしっかりすれば、全く再燃しないと言うものではないのですし、食事療法に成果を求めるのは関心しませんが、そう言う奥さんをお持ちの男性は、食事についてはそれほど考えなくても良いわけで、出されたものを食べていれば良いし、しかも、そう言う奥さんは栄養的にきちんと考えた献立を出してくださるのですから、そう言う意味では、成功していると思われますので、夫婦の関係に文句をつける気はありません。
そう言う奥さんが良いと思って選んだ訳ですものね。
そして、私は一番色んなことを思うのは、「患者の親」と言う立場の方に対してです。
私は、患者であって親でもある立場ですので、どちらの立場からも見やすい位置にいると思います。
自分の子が病気になった場合、まず母親は「自分を責める」でしょう。大変な病気ならなおさらです。
「いくら、子供といえどもひとつの人格で、親とは全く関係なく、、、、。」なんて言う部分を頭でわかっている知的なお母さんだとしても、それとは違う部分で、「病気に産んでしまったこと。」とか、「病気にさせてしまった自分」を責めることと思います。
そう言う気持ちが痛いほど良くわかります。
病気と言うハンディキャップがあるのなら、それを取り除いてあげようとする気持ちは当然のことと思います。
ですが、この病気を深く知って思うことは、「病気を取り除くこと」「病気と闘って撃退すること。」は、あまり得策ではないと言うことなのです。
「病気であると言う事実を認めて、病気を持って人生をおくる。」と言う考えに達すると、気持ちも楽になるし、できることも増えるのです。
ですが、そう言う考えに達するまでは、そう言う考えに行き着くまでは、患者自身が精神的にいくつもの山を越えないといけません。
それはとても苦しい山登りです。
ですが、その山を登らないと、向こうの世界には行けないのです。
お母さんがおんぶして登っても駄目です。
自分のお子さんを信じて、見守ってあげて欲しいです。
見守ること、、、はとても大変です。
見守ることよりも、「手を貸すこと。」「やってあげること。」の方がある意味楽です。
心配で心配で心配のあまり、子供を抱きしめる、、、、、それは、もしかしてお母さん自身が不安だから子供を抱きしめているのかもしれません。
お母さんの不安まで患者が背負うような形になってしまったら子供も大変だと思います。
「可愛そう」な扱いをして育てれば、「可愛そうな子」になってしまう。
この病気は、生活するポイントを抑えれば、いわゆる「普通」の生活を送ることが出来ます。
「可愛そうな子」ではありませんよ。
MLのお知らせ
今度、「さかこう」さんと言う方のHPで
患者の家族や、友人など、まわりに炎症性腸疾患
になられてしまった方をもつ人のためのメーリングリストをお作りになったそうです。
紹介文を載せますね(^^)
「このメーリングリストは家族、
友人など回りに炎症性腸疾患になられてし
まった方を持つ人のためのメーリングリストです。
原則的には患者さんは登録できません。
本人には言えないような悩みなど、ここなら相談できるかもしれませんね 」
http://www2.famille.ne.jp/~saka/ibd-family/