クローン病の食事療法
続いて、クローン病の食事療法について思うことを述べたいと思います。
主に小腸型クローンの方についてです。
小腸型クローン病の方に関しては、栄養療法と言う、「食事ではなくエレンタールで栄養を摂取する」ということが治療として行われます。
エレンタールのみで生活すれば、食事をとる場合と比べて、明らかに炎症がおきにくいそうです。
ですから、緩解期もエレンタールのみで生活すれば、治療としてはある意味理想的なのかもしれません。
ですが、エレンタールのみの生活も、いろいろと問題があると思います。
一般にクローン病の食事療法の指導をすることが出来る栄養士さんは、あまりいないようなことを言われています。
今回、このホームページを作るにあたって、私なりにいろいろクローン病の食事療法について調べてみたり、実際クローン病のお友達に色々話を聞いて、感じたことを書きます。
やはりクローン病の食事療法も、潰瘍性大腸炎と同様、ポイントを抑えれば栄養士なら誰でも出来る栄養指導だと感じました。
それでは、なぜ、これほどまでに、クローン病の食事療法が、「一般の病院では出来ない食事療法」のような捕らえ方をされているのでしょう?
それは、一般のIBD関連の専門病院じゃない病院の栄養士が常識的に思っている「食事療法」と、「クローン病の食事療法」は、ちょっと意味合いが違うからだと思います。
例えば、糖尿病や腎臓病など、いわゆる一般的に栄養指導が必要とされる病気には、、食事療法が病気にとってあきらかに有効です。
食事療法によって、病気自体が悪化すると言うことは、まずありえません。
ところが、クローン病の食事療法は、食事療法によって、悪化することもありえる病気なのです。
食事を取らないで、エレンタールだけで生活している人が、食事療法とエレンタールと組みあわせることによって、「悪化するリスクが上がる」のです。
ですから、そう言うことから考えると「クローン病の食事療法は、難しい、、、」と言うよりは、「クローン病の食事療法は食事療法ではない、、、、」と、私は思います。
食事療法ではないけれど、「エレンタールの栄養療法と合わせて生活に食事を入れる場合」に、「病状の悪化のリスクの少ない食材を使って、バランスの良い栄養を栄養剤以外から摂取するための食事を可能にする」ための栄養指導だと思います。
そう言う部分をしっかり捉えた上で、医師のサポートの元で、患者と栄養士で、おのおのの患者にとって一番良い食事を少しでも取ることが出来るように相談しましょう。
実際、クローン病はCRPと言う形で、炎症が数字で出てくることが多いですから、そう言う意味では、体の状態の度合いが数字で出て来にくい潰瘍性大腸炎よりは、目安が明確に感じます。
そう言う部分をしっかり捉えれば、「食べる楽しみ」と言う生活の質の部分を上げ、エレンタールなどの人工的に作られた栄養剤の中には含まれていない、未知の栄養素を取るというような意味からも、低脂肪低残渣に基づく栄養効率の高い安全食材を、狭窄などのことを考えてやわらかく煮たり、細かく刻んだりして、病状に合わせて少しずつ摂取し、エレンタールと併用する、、、、と、言うような感じで、あなたの病院の栄養士さんにも、メニューは見えてくる、、、と思います。
「スライド方式」と言うような、炎症の度合いによっての食事の目安が、IBDで有名な社会保険中央病院の患者さんが主となっているホームページ(CRON'S−NET)にも載っていますので、それも参考にしてもらうよろしいかと思います。
良い治療のところでもお勧めしましたクローン病の患者さんの作った「炎症性腸疾患の耳袋」のクローン病の栄養療法と食事療法などの説明もかなり充実しています。
おまけです。。。
おりこうさんクローン患者のお友達の発言。。。「まじめにエレンタールをやっていれば、時々一日一食くらいカレーを食おうが、中華を食おうが、大丈夫なんですよ。ちょっとおかしくなっても、またまじめにエレンタールをやれば、大丈夫なもんです。」だと。
でもこれも、私は責任もてましぇん(^^)
リスクと病状と生活の質を正しく理解して、お医者さんに希望を言ってみましょう。(^^)
「何がどうなっても良いから、好きなものを食べるんだぁぁぁあああ!!」も、まぁ、、、ひとつの道といえば道なのかなぁ。。。。う〜ん、、、(~ ~;;