潰瘍性大腸炎の手術について
潰瘍性大腸炎は、内科的治療がある程度までくると、手術と言う選択肢があります。
手術をすれば、「IBDの独特の内科治療」からは開放されます。いわゆる「潰瘍性大腸炎は完治する。」と、言う状態です。
ですが、大腸を全部取るわけですから、全くの健康体にもどると言うのとは違います。
「潰瘍性大腸炎の患者」ではなく、「大腸を摘出した人」に、なるわけです。
潰瘍性大腸炎の外科的治療の進歩もめざましいので、手術をむやみに恐れずに、内科治療がある程度の段階になって、内科治療による副作用などのリスクよりも、外科治療をした方がリスクが少ないと思われる段階になった場合には、タイミングを逃さずに手術すべきだと思います。
手術時期の選択は、プレドニンの総量が10000mgを超えたら考えるとか、いろいろな説もありますが、一概に線引きはできないと思います。
「きちんとした内科治療が一般的でないころ」は、ボロボロになるまで内科治療を施し、どうにもこうにもいかなくなった段階で、つまり「内科治療の選択肢がなくなっての手術、、、」と言うことが沢山ありました。
ですから、そう言う段階で手術を受けた方が、今、同病の患者にアドバイスする場合、まだ充分内科治療でいける段階なのに、「手術をむやみに薦める方」が多いように感じます。
しかし、IBDのような新しい病気の内科治療は、どんどん進歩していますし、知名度もかなり上がってきましたから、最近では内科のお医者さん自体にも「患者がぼろぼろになるまで内科治療を頑張る流れ」はなくなってきたように感じます。
ただ、「内科治療でボロボロになる前の手術の選択」と言うのも、手術時期の考え方自体が医師によってぜんぜん違いますし、患者の年齢などによっても変わってくると思われますから、「そろそろ手術を考える時期」になったら、色んなタイプの医師に相談し、時期を逃さず手術を選択することも大切です。
「次の再燃が来たら手術する。。」と言うような覚悟が患者自身にあれば、再燃した時に、むやみに内科治療を引っぱって、どうにもこうにもならない状態になると言うことは、少なくなると思います。
中毒性巨大結腸症や、穿孔や、大出血が起きた場合は、病歴やプレドニンの総量なども関係なく、潔く手術ですが、そういった緊急事態は、まれだと思います。
また、潰瘍性大腸炎の患者は、炎症を重ねて10年以上すぎると、ガンができやすくなると言われていますが、そうなった場合も、手術です。
潰瘍性大腸炎の手術は、進歩が目覚しいと言っても、まだどこの病院でも出来る簡単なものではありませんので、ある程度「潰瘍性大腸炎の手術で有名な病院」で手術を受けることをお勧めします。
手術については
兵庫医大 第2外科 http://home.hyo-med.ac.jp/012.html/2sindex.htm
のホームページに詳しく載っています。
患者さんの体験記の
http://homepage2.nifty.com/p-s-v/UC/
参考になります。