IBDで有名な病院や先生と、治療の常識について

 IBDの治療で有名な病院や先生と言うものがあります。

 一般的に患者間で有名なのは、東京の新大久保にある「社会保険中央総合病院」や、「兵庫県立医大」。それから、北海道では「旭川医大」そして、「横浜市民病院」があります。

 もちろん、「IBDで有名な病院」の定義の視点を変えれば違う病院も沢山出てきます。

 普通、何々の病気の治療で有名、、、と言うと、お医者さんは「文献とか研究」なんかで有名なところを掲げると思います。

 ですが、私の場合はあくまでも患者の視点で有名なところ、、、と言う定義とします。

 そう、独断と偏見です(^^;;

 「良い治療」の章でも述べましたように、IBDはいわゆる「病気の治療」そのものだけでなく、もっと患者の性格や人生を含めた治療が理想であると私は思っていますので、「すばらしい薬を発見した。」とか「こんな研究成果が出て学会では有名だ。」と言うような意味での有名な病院は「患者が病院にかかる。」と言う立場で見ると、それほど重要なことではないと思われますので。

 

 で、独断と偏見で大まかに説明しますと、「社会保険中央病院」は高添先生がとても有名です。

 高添先生は、医師にはめずらしく、「おもいっきり患者の視点の発言」の多い先生です。私は初めにその先生のおっしゃっていることを聞いたとき、先生自身がクローン病の患者さんなのかと思ったくらいです。患者のQOL(生活の質)の部分をとても考える先生だと思います。

 クローン病などでも、エレンタールづくしが一般的だった時代から、できる限り「食事」と言う形で食べ物も食べるような方向の治療の考えを持たれていた先生です。

 食事に関して有名な先生には、N−3系オイルなどの話で有名な「松枝先生」と言う先生がいらっしゃいますが、高添先生は、松枝先生の門下生(って言うのかな?弟子みたいなもんでしょうか?)だそうです。

 私自身も一度手術時期のセカンドオピニオンと言うことで高添先生の診察を受けました。

 「高添先生ならどうおっしゃるかなぁ。。。」と、意見を伺いたかったのです。

 さすが、IBD患者のカリスマ医師と言われるだけあって、かもし出す雰囲気も優しく、頼りがいもある感じで、話も明瞭丁寧で、思ったとおり先生でした。。。

 ですが、社保に行って診察を受けての素直な感想は、「近くだったとしても私はこの病院は選ばないな。。。」でした。

 それは、患者の数が恐ろしく多いからです。

 いくらすばらしい先生でも、スーパーマンではないのですから、診ることができる患者の数には限度があると思うのです。

 もちろん、それでも、私の中のイメージでは、IBDの内科治療の医師では高添先生が理想です。

 ですから、、、というか、このホームページの「主治医を好みに作りあげよう!」って言うのは、「自分の高添先生を作ろう!」って感じのテーマです。(^^)

 高添先生のような、患者の視点に立てる可能性のある医師って言うのは、わりとあちこちにいると思いますし。

 で、実際いましたし(^^)

 私の主治医は、名前は高添ではないですが(^^;;私にとっては、私の高添先生です(^^)

 

 でもって「横浜市民病院」。ここは、福島先生のいらしゃる病院で、手術が有名です。 

  と、言ってもスパスパ何でも切ってしまうと言うことではなくて、、内科治療から外科手術に移行する部分の線引きの考え方が他の先生よりも早く、尚且つきっちりしている感じがします。

 知り合いの、「高添先生のもとへ通う患者さん」は、「手術手術って、福島先生は、患者の気持ちを考えてない。」なんてことを言っていましたが、私は違うと思います。

 手術もひとつの選択肢ですし、早い段階でとっとと切ると言うのも立派にひとつの考えだと思います。

 その考えに共感する患者にとっては、患者の気持ちを考えてますよね(^^)

 手術経験が豊富な病院だけあって、入院期間も他の病院よりも短いと聞きます。

 ですから、私は自分が手術する場合には、横浜市民病院でする。。。と考えていました。

 

 そして「旭川医大」。

 こちらの病院は内科と外科の連携が非常にスムーズな病院だそうです。

 個人的に、「ガストローム」のような地味なものに目をつけたと言うところで、なんとなく私は好きな病院だったりします。(^^;;

 なんとなく。。。です(^^;;行ったことありませんし。

 

 で、「兵庫医大」。

 IBDがウリで、顆粒球除去療法に一生懸命だった病院ですね。

 ポツポツと伝え聞く話から想像することは色々あるのですが、、、、(^^;;

 正直に言ってしまうと、私はあまり好きではない病院です。

 これは単に好みの問題です(^^)かかったことないですし。

 兵庫医大の患者さん、ごめんなさい。

 でも、手術を考えるにあたって、兵庫医大のホームページはとても参考になりました。

 それに、兵庫医大って患者さんの交流なんかにも力を入れていらっしゃるのか、とても楽しそうですね(^^)

 すばらしいことだと思います。

 

 ネットなどで患者同士が会話したりする場合、やはり有名な専門病院に通う方々からの情報にはとても興味があります。

 有名な病院に通う患者さんは、治療に関して「ここに通っていれば絶対大丈夫。」みたいな部分も結構あるんじゃないでしょうか?

 私たちのような、「IBDで有名な専門病院」に通っていない患者は、色んな病院の患者さんの話を聞いて、少しひいた視点で参考にさせていただいています。

 病気自体が完全に解明されていない今、「治療は沢山の道のひとつである。」と言うことを「良い治療」の話でも言いました。

 「それほど沢山のIBD患者がいない病院」に通っていると、わからなくなったり不安になったりする部分と言うのも多々あります。IBDの患者数そのものが少ないですから。

 

 実は私は、1年半前から内科治療の最終段階と言うつもりでイムランと言う免疫抑制剤を使っていました。

 免疫抑制剤に関しては、アメリカでかなり一般的に使われていて、最近のUCの治療の傾向、、、沢山の中の標準治療、、、のような文献の中に、「UCにイムランを使い、維持量として、飲むと再燃を抑えるのに効果がある、、、。」というような情報があります。

 私は維持量として50mgを飲んでいました。

 日本での免疫抑制剤を使うことの傾向としては、「プレドニンの減量が困難なときに免疫抑制剤を合わせて使って、プレドニンの減量が出来たら、免疫抑制剤は切る。」と言うのが一般的だといわれています。 

 しかし、その「一般的」というのは、「IBDで有名な病院においての、一般的な認識」だと言うことがわかりました。

 「IBDで有名ではない病院」の患者で、アメリカの文献を参考に維持量として免疫抑制剤を飲んでいると言う方って結構いるのです。

 私自身が免疫抑制剤を飲んでみた感じは、免疫抑制剤を飲むと、今まで再燃したとして、抑えることのできなかった量のプレドニンで再燃を抑えられることができました。

 プレドニンとは違ったレベルで効いている感じが凄くします。

 もちろん薬自体の作用が主治医いわく「プレドニンは炎症を厚い絨毯で覆っちゃうようなものだけど、免疫抑制剤は細胞レベルで作用するからね。」だそうです。

 合わせて使うと、プレドニンの量が少なくて再燃が抑えられるわけですから、それだけ長い目でみてプレドニンの総量が少なくなる、、、と言うメリットもあると思いました。

 こういう使い方は、日本でも膠原病なんかでは一般的です。

 そもそも私が免疫抑制剤を薦められた理由と言うのが、

「これから先、再燃を繰り返して、プレドニンの総量が増えて、後々どーーんと、問題になってくるプレドニンの副作用が出てくるよりも、免疫抑制剤とあわせて使って、副作用を分散させるような感じにしたほうが良いと思う。。。」と言うような熱血の若い先生の意見に、思わず納得してしまったからでした。

 それ以前は、催涙奇形や発ガン性の副作用がある免疫抑制剤を死ぬほど毛嫌いしてましたので(^^;;入院中にコロッ納得してしまってイムランを飲んだ私に、外来の主治医はびっくりしたようでした。

 UCに使う免疫抑制剤の量は、普通臓器移植なんかで免疫抑制剤を使わなければならない場合よりは、かなり少ない量ですから、副作用の問題もそれほどではないとは言われています。

 しかしもちろん免疫抑制剤も副作用は沢山あります。

 しかし、プレドニンとは副作用の種類がぜんぜん違いますから、ある意味、副作用の分散と言うのは、理論上一理あるなぁ。。。と思ったのでした。

 結局、一年半、飲んでいたわけですが、私の場合、再燃に感染症がかぶる感じでCRPが、免疫抑制剤を飲む以前より結構あがるようになりました。

 そしてそれまでの純粋な再燃とは違って、抗生物質なんかも良く効くようなのです。

 そこで、私はふと不安になりました。

「これって絶対感染症がかぶってるよね。。。。他の膠原病みたいなのは免疫抑制剤って効果があるでしょうけれど、私の場合は大腸よね??大腸ってそもそも常在菌っていっぱいあるよね???そう言うところの炎症に免疫抑制剤を使ったら、感染症になるのってもしかして当然??????当たり前???」

 そういえば、日本の「IBDで有名な専門病院」の先生は、免疫抑制剤を維持量で飲むとおっしゃる先生はいらっしゃいません。

 先ほど言ったように「プレドニンの減量が困難な時に免疫抑制剤を使い、減量したら、免疫抑制剤は切る。」と言う常識が常識として流れています。

 私はハタと考えました。

 それって、「免疫抑制剤を使うくらいなら、UCなんかは限定された臓器に炎症が起きる病気だから、手術と言う選択が良い。」と言う考えに基づいての発言なのか、それとも、「免疫抑制剤を維持量使ってみたら、腸なんでやっぱり感染症やらなにやら問題があったので維持量飲むのは良くない、、、と言う結論になったんだ。」ということなんだろうか????

 私は、「IBDで有名な専門病院」でやってみて駄目だった、、、ってことを改めてやっているのかな????って。

 私にとっては大問題でした。

 結局、情報通の方に「日本でIBDで有名な専門病院ではあまり免疫抑制剤を使っていない。」と言う情報を頂いたのです。

 免疫抑制剤に関しては、「日本は遅れている。」なんてことを言われますが、それは、「IBDで有名な先生方の考え方」が、免疫抑制剤を飲む方向に向いていない、、、、と言うことなんですね。

 もちろん、UCなんかは「そこまでの薬(免疫抑制剤は発ガン性なんかも問題になりますものね。)をつかうよりは、手術と言う選択肢もあるのだから切りましょう!」って言うのはバッチリ一理です。

 副作用がほとんど問題にならない「顆粒球除去療法」を入院したり通ったりして時間を使ってせっせとやる、、、(顆粒球除去療法は、あくまでも炎症の物質を取り除くだけの治療ですから。)と言うのもまた一理だと思います。

 でも、「免疫抑制剤を使って内科治療をする!」もバッチリ一理です。

 それはもう、考え方や好みの問題だと思います。

 どっちの治療が優れている、、、という問題ではないと思います。

 IBDで有名な先生たちも、免疫抑制剤を完全に否定している訳じゃないでしょうし、「好きじゃない。」って言うレベルかもしれないです。

 それはそれで、ある意味患者のことを深く考えていると言うことでもあると思います。

 なるべく副作用がないような治療、、、と言う考えが元になっているのですから。

 ただ、IBDの治療に影響力のある先生がそろいもそろって免疫抑制剤が好きじゃないようなので、なんだか免疫抑制剤を使った治療が「変な治療」とまでは行かないけれど、「一線の治療じゃない、外れた治療。」のようなイメージを受けるのも事実です。

 それっておかしいですよね?(^^;; 

 必ずしも「IBDで有名な専門病院の治療の道」だけが正解って訳じゃないですもん。

 実際、私は駄目でしたが、それは「私の病歴が長かったせいで、炎症の後の部分がくたびれてて(^^;;感染がおきやすかったため」か、それとも、「私の病気の出方がそもそもそう言う形」なのか定かじゃないです。

 もしかすると、もっともっと病歴の浅い段階で飲んでいたら、問題なく何度かの再燃を抑えられていたのかもしれない、、、なんてことも思います。

 

 私の場合は免疫抑制剤を飲む段階で、プレドニンの総量も20000mgになりましたので、手術も頭にあり、そろそろ、、、と言うことで、今回、手術に向かって方向転換をしました。

 ちなみに10000mgを超えたら手術適応なんていう説もありますが、20000mgを服用した私ですが、今のところプレドニンの服用による問題になる副作用は一切ありません。

 骨量も血圧も糖尿も全く問題ありません。

 手術をすることにした理由は、うまく説明できませんが、「おなかの感じ(^^;;」です。

 なんて言うんでしょう、、、、根性がなくなった、、、と言いますか、おなかの炎症が起きる部分が緩解期にも常に違和感のある状態になっていましたし、再燃したあとも、踏ん張りが効かなくなったというか、、、、そんな感じだったから。。。です(^^;;

 もう、内科治療も潮時かなぁ。。。って。

 そうなると、今度は免疫抑制剤は敵です(^^;;

 外科に行ったら、こっちでは「免疫抑制剤は敵なんですよ。」とハッキリ言われてしまいました。(^^)

 まあ、切った後、治ろうとする力を抑える薬ですから、当たり前なんですけど。(^^;;

 おとといから免疫抑制剤(イムラン)を辞めました。(^^)

 手術に向けてね(^^)

 

 またまた話がそれてしまった。。(^^;;

 

  で、話を元に戻して免疫抑制剤の話。

  クローン病の治療で日本の栄養療法って言うのは、とてもすばらしいと思います。

  ですが、クローン病だって、アメリカのように免疫抑制剤の治療も普通に患者の選択肢に加わってきて良いと思うのです。

 「俺は栄養療法じゃなくて免疫抑制剤飲んでるんだけどさぁ。。。」みたいな方、ネットにもどんどんいても良いような気がするのです。

 それなのに、色々な交流の場でクローン病の免疫抑制剤をつかっている方の話は聞いたことがありません。

 実際、使ってらっしゃるかたも結構いらっしゃるのではないかと思うのですが。

 お医者さん側からは聞きますから。

 で、ふと、なぜこれほどまでに、「クローン病で免疫抑制剤飲んでます。」のような体験談が出て来ないのか不思議に思ったのです。

 患者の集まりでも、日本のクローン病治療の考え方の主流に「クローン病に免疫抑制剤を使う。」と言うのって入ってないから、「免疫抑制剤を飲んでます。」って言いにくい雰囲気があるのかなぁ。。とも思いました。

 なにせ私でさえも、免疫抑制剤飲んでます。って言いにくかったですから。。。(^^;;

 なんか間違った治療をされているようなイメージを受ける感じがあってね(^^)

 ネットなんかでは特にIBDの患者さんの主流は最初に述べたように社保、横浜市民病院、兵庫医大の患者さんが多数をしめていますので、そう言う方々は、免疫抑制剤の話はぜんぜん出てきませんから。

 もちろん栄養療法はすばらしいです。

 アメリカは、栄養療法にはお金がかかるから免疫抑制剤を飲む、、、、のかもしれないし、「食事を制限されるのでは生きている意味がない!」と言うような「考え方」の違いの部分かもしれないし、それはわからないですが。。。

 ただ、あまりにも日本の患者たちの集まりや、考え方の流れで「免疫抑制剤」が悪者のような扱いを受けているなぁ。。。と感じるのです。

 と、言うか私自身も自分が飲むまで「悪者」だと思ってましたが。。。(^^;;

 でも、間違っても栄養療法より免疫抑制剤の方が良いんだ!って言う趣旨の話ではないです。

 勘違いしないでくださいね(^^)

 ただ、なんで「免疫抑制剤飲んで、食事は普通に食ってるよ!」って言う人、ネットにいないんだろう???と不思議だっただけなのでした。

 エレンタールによる栄養療法でうまくコントロールなさってらっしゃる方は、上手に適度に食べ物を食べたりしてらっしゃるようなので、「それで充分。」と言う方が多いのでしょうかね。

 もし、これを読んで、「自分はクローン病だけど、免疫抑制剤飲んでます。」って方いらっしゃったら、メールいただけたら。。。。と思います。