秋田・岩手の滝


2009年8月10日(月)〜12日(水)。
夏季休暇を利用して、秋田県の滝見に出かけた。
主な行動予定は、抱返り渓谷のシャチノヒネリ滝、湯渕川にある中の滝と二天の滝、森吉にある九階の滝へ行くことである。。
東北への遠征は、今回で4回めだ。
高速道路が込まない日にちを選び、なおかつ、往復2000円で済むように計画した。
9日の日曜日、早朝に家を出る。加須インターまでは、都内を抜け一般道を走って行く。
高速道路は予想通りすいており、渋滞もなく走っていける。急ぐ必要もないので、ゆっくり休憩を入れながらのんびり走る。
すいているとはいえ、お盆休み前の日曜日、車の流れが途切れることがない。SAもそれなりに混雑していた。
盛岡インターで降り、国道46号線を北上する。
天気はいまいち、途中で雨に降られたが、現在は曇り、気温は割合に低い。
明日の予定はシャチノヒネリ滝に決め、雫石のスーパーで買出しをし、田沢湖方面へ走る。
今日の予定は何も無いので、途中のパンフレットで見かけた”緑の湯・国見温泉”に寄って見た。
仙北トンネル手前から、国見温泉への道を登っていく。
途中、道路際に滝もあり、やっと東北へ来たかの実感がしてきた。
国見温泉に着いて気が付いたのだが、ここは秋田駒への登り口でもあったのだった。
トイレ付の登山者用駐車場があり、20台くらいは止められるだろう。

秋田駒は花が多い山で、機会があれば、登ってみたい山だが、今回は山の計画は一切していない。
こんな所から登れるんだ、と興味深く、登山口周辺を歩いてみた。
温泉宿は周辺にあり、500円で入浴できるとある。せっかく来たのだから、長旅の汗を流しに入ってみる。
内湯と露天風呂がある素朴な温泉で、なるほど緑色をしている温泉でした。
露天は混浴、丁度若い夫婦が上がった所で残念でしたが、一人遠くを眺めながらのんびりした。
露天は少しぬるめ、内湯は丁度良い湯加減でした。
わんちゃん専用の露天風呂では、気持ちよさそうに3匹が浸かっていました。
それぞれ大きな浴槽ではないが、登山帰りにこのような温泉に入れるなんて、秋田はいい所ですね。
いい湯に浸かったあとには一杯やりたいもの、しかし、まだまだ時間が早い。
パンフレットで見たところ、明日予定の夏瀬温泉入り口近くに、森の駅とあったので、今日の宿泊地に決め、 仙北トンネルを抜ける。
ローソンが田沢湖駅近くにあるだけで、民家も少ない。
森の駅に着く。トイレ、駐車場はあるが、こじんまりしている。
ビールを買い、本当は食べたかった岩魚の塩焼きを横目にして、安いホタテの串焼きにする。
やっと美味しく飲める。休日のわりには、車の出入りも少ない。
暗くなるまでには、まだ大分時間もあり、酒も進む。
酔いも回り、車で横になっていたら、すぐに眠ってしまった。

目が覚めてもまだ、薄暗い。軽い夕食をとって、再度眠りに着いた。
夕方からは雨が続き、車の屋根をたたく雨音が一晩中していて気になった。
雨を気にしながら起きてみると、トイレがシャッターで閉まっていた。
失敗でした、無人になると、トイレには入れなくなってしまうのでした。
翌朝、小雨。ニュース、天気予報を聞きながら決行。
国道から夏瀬温泉へのダート道に入り、終点の一軒宿夏瀬温泉へ着いた。雰囲気のいい宿だ、客の車が数台止まっている。
トイレ横の観光客専用の駐車場に車を止める。ここは抱返り渓谷遊歩道の出発点らしい。
しかし、現在は落石で遊歩道は通行止め、トイレの手洗い水も出なかった。
遊歩道沿いには、2つの滝があり、それなりに楽しめそうだが、整備される予定はなさそうだ。
雨も小止みになり、ほぼ上がった。ドアを開けるとアブがうるさい。
そうだ、この時期の東北はアブが多いというのを忘れていた。
福島の馬尾滝では、相当苦しめられた。車の中で着替え、5時20分出発する。
アブをお供に連れ、まずは吊り橋を渡る。
なんでこんな色をしているか、というほど美しい淡いコバルトブルーの玉川だ。
通行とめの遊歩道を右に見て、左折し、玉川沿いを歩く。
道はやがて小玉川林道になり、堀内沢を渡っていく。
三叉路を右折し、取水口に出る。あまり、調べてこなかったが、ここまで車で入れれば、往復2時間近くの短縮になる。
取水口上から、堀内沢本流を遡行していく。
右岸を少し歩くと、草付の潅木帯があり、中に入ってみると、踏み跡が出てくる。

この道が盗伐林道へつづく道だろうか?。
ふみ跡は左に曲がり、沢から離れていく。
疑心暗鬼で登って行くと、道が途切れる。
周りを探すと、ヘアピンになって折り返していた。
小沢のような道を登って行くと、沢沿いの道になり、林道跡のような感じもしてきた。
これが盗伐林道なのだろう、草を掻き分け、落石の箇所を数回かわしていく。
途中、2箇所沢を横切り、6M位の滝もあった。
草がひどいので、何度も沢への下降する誘惑に駆られたが、そのまま真っ直ぐ進む。
1時間強ほど歩くと、道が途切れ、沢への下降する道になる。
降りたところにテープがあり、沢に二条のワイヤーが架かっている場所でした。
目印は、テープ、ワイヤー、三角岩と目に焼き付けておく。
さあー、これからが本格的な遡行になる。
アブがうるさいので、なかなか気持ちいい休憩がとれない。
危険な所もなく、右、左と渡渉しながら歩いていく。
朝日の沢、滝のあるイワイ沢と過ぎ、本流は左に曲がって行く場所に着く。
正面、左岸から水量のある沢で合流しているのが、目的のシャチアシ沢だ。
ここまでの行程はかなり長い、もう10時半だ。
F1をちょこっと覗いて、少し戻る。
手前からF1の巻き道に入り、シャチアシ沢に入った。
F2はぐずぐずの右を巻き、F3は左から巻き、ロープで降りた。

やっと目指すシャチノヒネリ滝の上部が見えてきた。
しかし、その前には、二段の登れない滑滝がある。
神経を使う巻きにかなり疲れてきたが、これを登らないと滝下に出られない。
左から潅木を伝いながら巻きあがり、やっとシャチノヒネリ滝の前に出た。
でかい、疲れた、ハァハァいいながら休憩だ。
帰りの時間を気にしながら、撮影に入る。
小雨から雨足もだんだん強くなってきた。
時間と雨を気にしなければいけない。
11時45分、後ろ髪を引かれながら、下りにかかる。
F2の巻きは怖いので、ロープを出し、ゆっくり降りた。
本流に出れば、怖いところはなし、あとは、時間との戦いだ。
目印のところから、盗伐林道へ上がり、明るいうちに帰れる目処がついた。
ひたすら林道跡を追う。この道は、途中途切れることがあるが、忠実に辿ると取水口脇まで続いていた。
やがて、雨もやんできた。たんたんと下り、駐車場まで戻った。
5時前である。往復12時間、全身ずぶぬれ、ほんとうに疲れました。明日はどうなることやら・・・。
遅くなったので、早々に着替えを済ませ、森の駅は閉まっているため田沢湖駅近くのローソンまで走る。
ビールとつまみを買い、今宵の宿に決めた、刺巻みずばしょうがある駐車場に戻る。
気温は低く、気持ちよく寝られそうだ。
疲れた身体にビールがうまい。今日も早々に眠りにつくことができた。
翌朝、目覚めると快晴。気持ちのいい朝だ。
ニュースを聞きながら朝食を取っていると、突然緊急地震速報が飛び込む。
駿河湾で大きな地震があったらしい。
自宅周辺はどうかなーと心配したが、震度4程度で心配なさそうだ。

さて、身体は疲れているが、予定通り湯渕沢へ向かう。
今日は昨日の行程よりは短いので、比較的ゆっくりの出発だ。
ローソンで昼食を買い、国道341号線を走る。
途中、ダム下の綺麗なトイレにより、昨日の汚れた服の泥を流す。
国道を左折し、湯渕沢沿いの林道に入る。草が底に当たりそうになった所で車を止め、出発点にする。
アブがうるさい。さっと支度をし、洗濯ものをワイパーにはさみ出発する。
昨日と同程度のアブを連れ、林道を歩く。5分ほどで、沢にでた。
道がよくわからないので、沢を遡行していく。少し辿ると左岸に道がでてくる。
沢から上がり、背丈ほど茂った草を掻き分けながら、湿地と化した林道を突き進む。
林道が途切れたところから、道がわからなくなった。
右尾根に道があるかと思って探してみたがみつからない。。
しょうがないから、沢に降りてみた、すると少し先に滝が見えてくる。
あの滝を巻かなきゃしょうねぇか、と思いながら歩くと、上にも滝が見えてくる。
おお、あれが、中の滝じゃねぇか、以外と近かったな。大きい滝だ。ざーと見ても60Mはあるだろう。
途中のヒョングリもすばらしい。アブも爆風で大分少なくなってきた。
やっとおちついて休憩も出来、写真撮影も順調だ。
さて、この巻きはどうだ。簡単に巻けるようなラインな無さそうだし、時間もかかりそうだ。
少し手前、左岸の草付から入る。途中、上段が眺められる場所があり、写真を撮っていく。
木が横にはえる潅木帯に突入。傾斜もきつくなる。
暑い、アブが顔にうるさい、引っ張る木を跨ぐのに疲れる。
木の無いルンゼが2箇所あり、慎重に横断する。落ちれば中段の下までまっさかさまだ。
右尾根の樹林帯に入ると落ち着く。そのまま尾根を下ると、中の滝落ち口でした。この巻きに要した時間は40分でした。
落ち口上には2,3の小滝が続き、ここも潅木を利用し、小さく巻く。
やっと安全な、ゴーロの流れになった。ふと右岸を見ると、ピンクのテープが見えている。右岸側にも、巻き道があるんだろうか。
さあ、次は二天の滝だ。1時間くらいで着くだろうと、のんびり歩く。
滝の上は岩魚の宝庫だ。びしびし走る。目の前を悠々と泳いでいるのもいる。
20cmから25cm級がうじぁうじぁいる。この沢の色は茶色であまりいいいろではない。飲む水には十分注意しなければならない。
簡単に着くだろうと思っていた二天の滝がなかなか出てこない、一向に滝がありそうな雰囲気にならないのだ。
楽勝だと思って少し遅く出たのであせる。1時前、ようやく滝の姿が見えてきた。ほっとする。
危険なところもなく、ひたすらゴーロ歩きだが、二天の滝までの計算を誤った。
中の滝の巻きを考えると、あまりゆっくりはしていられない。
カメラも突然、オートがきかなくなり、シャッターが切れなくなった。昨日の湿気で少しおかしくなったのか。
少し、マニュアルで取ったりし、だましだまし撮影。あまり多く撮れなかったが、時間が遅いので、そこそこに退却。
昨日の疲れもあり、足取りは重い、少しひざにきているか。
きつい巻きがいやだったので、右岸のテープに誘われ登って見た。
踏み跡は見つからない、おまけに尻セードで5mくらい滑り落ちた。
右岸の巻き道を探すのはあきらめ、登ってきた左岸を下ることに決めた。
潅木帯に突入、以外と簡単にルンゼも横断でき、中の滝下に降り立つことができた。
もう、苦しいところはない、顔を洗い一息つく。滑を15分ほど下れば林道入り口。
忠実に辿ってみると、林道は左岸から一旦右岸に渡る。
この右岸側はひどい、ほとんど草に埋もれ、最早歩ける道ではない。
早く沢に出たいなあと思いながら進むと、朝沢に降りた対岸に出た。この区間は遡行がベターでした。
車に戻った時間が5時、昨日と同じくらいになった。強い日差しで洗濯物は完全に乾いていた。
ドアを開けるとアブが入る。車を動かす前に、車中に入ったアブを捕まえ袋詰にする。約20匹ほど捕まえた。
舗装道路に戻ったところで、アブを開放、やっと窓を開けて走ることができた。
二日続きのハードな歩き、もう三日目はきついところを歩く気がしなくなった。
明日は最後の日、簡単な滝にするつもりで、九階の滝はあきらめ、道の駅”あねっこ”へ向かう。
道の駅には缶ビールがなかったので、途中のローソンで夕食と一緒に買っていく。
温泉は9時までのため、ゆっくり入る。中の自販機で缶ビールは売っていた。高いし、外への持ち出し不可というのも気に入らない。
湯上りに車でビールをいただく。二日間の疲れもあり、至福の時間だ。
明日は何処へと考えながら、眠りに着いた。
二日間聞かなかったタジオ深夜便を聞く。2時からはエレキ特集、ベンチャーズ、寺内タケシとブルージーンズ、なつかしい曲だ。
3時からは、坂本九ちゃん特集、今年もこの時期になったのか、以前も聞いており、しみじみ聞ける。
さー、今日もさわやかな朝だ。今日こそのんびりでいい。地図を見ながら行き先を探す、まずは七折の滝へいってみようか。
6時過ぎ、道の駅”あねっこ”を出発。天候はくもり。8時前、早池峰山の麓岳地区に着く。
手前の林道入り口を見落としたため、岳地区にある早池峰山登山道脇から、七折の滝の案内板に沿って登る。
だらだら登り、尾根を巻くようにして歩くと、沢音がしてきた。
林道からの分岐道からさらに沢沿いに15分、岳地区から1時間ほどで、滝前に到着しました。
見事に横にはねる滝、手前のもみじが紅葉すれば、さらにすばらしいロケーションになる。
ここでまたしても、オートが効かずシャッターが切れない。レンズをはずし、入れ直してみたら、元に戻った。
ここにはアブも入ず、涼しくてとても気持ちがいい。十分撮影し、もと来た道を戻る。
次にいくあてもなく、地図を見ていたら大空の滝が目についた。
花巻まで戻り、花巻温泉郷奥にある大空の滝入り口まで走ってみた。
旧道に展望台があるらしいが、徒歩で1時間20分とある。
写真を見ても、あまり見たいような滝でもなく、かなり歩くとあったので行くのはやめた。
あとは、帰るだけだ、今日の0時過ぎにならないと、高速1000円にならないため、ゆっくり帰る。
花巻南インターから東北自動車道に入る。
途中各SAで時間をつぶしながら走り、最後の羽生PAで0時になるのを待つ。
時報を合図に車を出し、加須インターを降りた。あとはたんたんと自宅までの道のりの一般道を走る。
今回は天候に恵まれ、高速1000円のフル利用でいい旅が出来ました。
ただ、3日間ハードな予定を組んだのは間違いで、もう体力的についていけませんでした。

車――シャチノヒネリ滝――車

5:20  11:20(11:45)  17:10

 

車――――二天の滝――――車

8:00  12:50(13:15)  17:00

 

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