丹沢・荒井沢他


11月23日(木)くもり。
天気予報がいい方にはずれた。気持ち的には出かけるつもりがなかったが、弁天の滝を見にいくことにした。
この滝は、落差はあるが、水量の少ない滝のため、先週降った雨の残りがあるか気がかりだ。
半原の下に釣堀がある手前、下り坂のカーブから直線道路になるところで、レーダー取締りの準備をしていた。
まだ6時10分、こんな薄暗い早朝、しかも祝日出勤でやるとは、おそれいる。 あと10分遅ければ確実に捕まっていただろう。なにせ、すぐ70KMくらいは出てしまうところだからだ。 ここは今まで気にしていたところではなく、今回始めて見た。
紅葉は里に降り、何処を見ても、すばらしい景色だ。 藤野芸術の家の駐車場に車を止める。ここはフリーなのが嬉しい。
早朝のため、止まっている車はいない。 早速仕度をし、川上川に降りる。

紅葉を愛でながら、5分ほど上流へ遡行すると、弁天の滝がある小沢が右岸に流入する。
S字状に蛇行した沢を100Mほど辿ると弁天の滝のおでましだ。 以前来たときよりは水量が多い。
前回は真ん中の一条だけだったが、今回は左右に分かれ、三条の筋を落としている。
紅葉が丁度見頃、滝と紅葉のアングルを探しながら写真撮影する。 この滝の落差は、35Mとあるが、25M〜30Mくらいの感じだ。
次に行く滝はどうするか、とりあえず、新しく出来たという”いやしの湯”の場所を確認するため、藤野から旧津久井町青根方面へ車を走らせる。
奥相模湖のダムを渡ると、すぐに”いやしの湯”があった。 入浴はまたにして、左の近道から国道に出る。
もう一つ地形図上で気になっていた、荒井沢横に車を止め、偵察がてら、閉じられた旧道を歩いてみる。
国道の橋は観音沢橋だが、旧道の橋は荒井沢橋になっていたため、沢の確認が出来た。

この上流も気になる地形だが、橋の下に滝が見えたので、とりあえず降りて見る。
今日はロープは要らない滝見物のため、置いてこようと思っていたが、念の為と持ってきたのが良かった。
滝は4Mほどの斜瀑、釜もあり、そこそこの滝だ。 下流を見ると、先が落ちているようで見えない。
よっしゃ、道志川まで偵察してみるか、と沢を下り始めた。 国道下から小滝が続く。

手製の看板があり”この沢の魚は俺が放した、勝手に釣るな”と書いてある、なんとも自分勝手な看板だ。
しかしながら、しろうとの釣り人が簡単に入れるような地形ではなかった。 2、3Mの小滝が続き、ロープなしで降りることはできない。
途中、5Mの滝、二段6Mの滝も出てくる。 これは楽しみ、地形図では、出会いが立っているからだ。
滝、滑と降りて行き、いよいよ道志川に落ちる出会い。 予想通り、断崖になり、滝となって落ちていた。
上から覗きこむとかなりの高さ、落ち口は狭いトイ状で3M、3Mの滑滝から垂直に落ちている。
直接、道志川の深い瀞へ落下している光景は、すばらしい滝を想像させる。 さて、どうやって下へ降りようか。
左右かなり垂直の断崖が続く、おまけに道志川は渡れない瀞場だ。
少し偵察してみると、上流の浅瀬が渡れそう、しかし右岸側には崖が続く。
少し傾斜が緩やかなところを探しながら、道志川に降りて見た。
なんとか、瀞場をへつり、浅瀬までいけそうだ。
本流の水量が多い時は大変だが、今日は楽に渡渉できた。
簾状に落ちる別の滝も発見、この辺は滝の宝庫だ。
対岸から望む荒井沢出会いの滝は、周辺の紅葉とマッチしてとても美しい。 落差は15M〜20Mくらいある。
しばらく、左右歩きまわりながら写真を撮る。 下流100Mのところに吊り橋が見えている。

出会いの滝を見るだけだったら、おそらく橋から楽に来れるのではないだろうか。
以前、津久井湖脇のパーキングで見た、青野原付近の写真には、道志川に直接落ちる滝の風景があったのを覚えているが、あのときのイメージとは ちょっと違う感じがする。
まだまだ、道志川に落ちる滝がありそうだ。 それにしても、青野原周辺には滝が多い。
梶野沢の周辺の滝、青野原キャンプ場の滝、西沢出会いの滝、少し入って、牧馬の滝、寺入の滝、お釜の滝、それに今回の荒井沢出会いの滝だ。
もう少し、このあたり周辺の沢を探って見る必要がありそうだ。
道志川の上流は再度深みになり、左右とも行ける感じはしない。

帰りは、再度渡渉し、降りた崖の横にある、か細い水が流れるルンゼ状の小沢を登る。
登りきったところで、右に上がり、荒井沢左岸の尾根に廻りこむ。
植林帯を突っ切って登ると、国道を走る車の音がしてくる。 丁度車を止めた国道の反対側に出た。
最後に寺入の滝を拝みに行く。 旧道に車を止め、小道から滝を目指し、右岸尾根を下る。
滝の上にある家には、もう人は住んでいないようだ。 F1の少し上流側に降り、膝くらいの水流中を歩く。
直角のゴルジュとなり、水量豊富な二段38Mの滝が出てくる。
下から見上げる上段は、ほんのわずかしか見えない。 なかなか全貌を見るには、難しい滝だ。
夏場はやや臭い流れだが、今時は水も透明感があり、紅葉とあいまって気持ちがいい。
さあ、今日の予定終了、雨も降らず、歩いていれば暖かかく、新しい滝発見もあり、充実した一日でした。


11月25日(土)快晴。
再訪問の旅も、最後に残った二重ノ滝と紅葉の盛りな大山寺を見ることで有終の美を飾ることになった。
日の出が見られる快晴の日を選び、土曜日早朝に出かける。
大山の駐車場到着5時40分、誰もいない、一番乗りだ。
トイレと朝食をすませ、しらみかけた6時出発。 先行者が一人登って行く。
帰るころには、この駐車場は満杯になっているだろう。
大山寺まで、女坂を歩いて行く。 ゆっくり周りを眺めながら、6時30分に到着。
待つまでもなく、大山寺の正面、三浦半島の上から日が昇ってきた、江の島が輝いている。
日の出の写真を連射でバシバシ撮影、その後、朝日に映える紅葉風景を、アングルを変えながらゆっくり撮った。
ライトアップが日曜日まであり、今がまさに紅葉の盛り。
撮影中、ポツポツと登山者が登ってくるようになった。
小1時間ほど、ここで撮影し、下社に向かう。 下社下から先に誰もいない二重の滝へ行く。
水量は少なく、見栄えが乏しい。 上のもみじもくすんだ紅葉だ。
朝日はこれから当たってくるようで、まだ日陰の中。 数枚撮影後、下社に向かう。
下社周辺の紅葉も盛り、茶店はまだかたく閉ざしたままだ。
一番電車が着けば、今日はおお賑わい、大山へ向かう人も多いだろう。
まだ境内は、ぱらぱらの人出、徒歩で登ってきた人しかいないからだ、静かでとても気持ちいい。
茶店が開き、呼びこみが始まってきた。
登山客が大分増えてきた頃合を見計り、男坂から下山に入る。
大山山頂は興味ないし、早めに帰ることにこしたことはない。
男坂を登ってくる登山者は、まだわずか、大山寺経由女坂を登ってくる人がほとんどだろう。
ケーブルの始発は9時、始発待ちの観光客が大勢並んでいた。
さあ、下からぞくぞくと登山者、観光客、大山詣での人達等、沢山の人達とすれ違う。
8時40分駐車場到着、予想通りすでに満杯、下の駐車場へ誘導している。
さあ、気分爽快、混む車をしりめに、大山をあとにした。

車――弁天の滝――荒井沢出会の滝―――車

7:10  7:25    9:00    12:20

 

トップへ戻る