奥秩父、荒沢・桂谷


8月6日(土)曇り時々晴れ。
下界はくそ暑い一日だが、山に近くなると雲が広がり、大分助かる。
今日は、奥秩父にある荒沢谷の支流、桂谷を訪ねた。
しばらく通行不能だった大洞林道が、なんとかゲートのある荒沢橋まで行けるらしい情報があったので、 かねてから、行って見たかった、桂谷の大滝を見に、奥秩父に出かけた。
奥秩父は遠いので、多少でも早起きをして行こうと思っていたが、目覚めが遅く、結局、出発は5時頃になってしまった。
林道は、荒沢橋まで全線舗装されているが、多くの落石が路上にあり、走りにくい。 時々、車を止め、前方の石をどかしながら進む。
一番、土砂崩れのひどい、サメ沢橋の先は、腹をすらないよう、徐行運転だ。 しかし、車高の低い私の車でも、なんとか荒沢橋先の駐車場まで入れることが出来た。
今日は、夕立の心配もあるので、雨の降る前には、林道脱出したいなあ、と思いながら仕度する。 出会いまで車で入れるというのは、非常に助かる。

荒沢の水量は、普段より多いのか少ないのか、良く分からないが、全体に水量の多い谷だ。 それに、水が以外と冷たく、透明感に溢れた谷だ。
膝くらいのところを選びながら、荒沢を登っていく。 中流に”ベニガラの滝”と言うのがあるが、川底にもベニガラ色をした、小石を多く見かける。
最初は暗い谷だったが、日差しとともに明るくなり、滑と小滝が続く。
桂谷の出会いまで、難しいところはない、好きなところを歩いて行けばいいのだ。 40分ほどで、桂谷の出会に着いた。
水量比は1:3、桂谷の水量も多い。 桂谷に入ってすぐ、左に曲がると、F1・6Mの滝が出てくる。
巻きはすぐ右らしいが、滝右側が登れそうだったので、シャワーを浴びながら登った。 しっかりした、ホールドがあり、比較的楽に登れる。

次に続く、4M、5Mの斜瀑は簡単に登ることができる。 左岸はずーと切り立った岩場が続いている。
しばらくは、ゴーロが続き、小滝がときおりでてくる。 やがて、ツルツルに磨かれた壁を、斜めに落ちる15Mの滝が出てくる。
ここの巻き道は、左側だが、簡単に登れそうなところはない。 岩床はしっかりした谷だが、両岸の岩はボロボロ、最近崩れたようなところが随所にある。
なかなか、巻き道が見つからないので、少し下流から、大きく巻くことにした。
篠笹を引っ張りながら、急登し、トラバースしながら巻く。 ちょっと降り口がみつからないなあ、と思っていたら、古いトラロープが垂れていた。 少し怪しいので、自分のロープを出し、木の根を足がかりに懸垂下降した。

ところが、降りて見て、びっくり、なんと斜瀑が目の前にある。 なんのことはない、ぐるーと、一回転したようにして、元に戻っただけだった。
もう一度、トラロープのところを登り返し、滝の上の方に向かう。 最後の降り口は、狭いルンゼ状で、ここも少し危ういところ、ロープを出し、やっと滝の上にでた。
この先は、小滝とゴーロが続くだけで、それほど問題はない。 やがて、この滝のハイライトである、多段30Mの滝が前方に見えてくる。
上段はヒョングッて、空中に勢いよく水を放っている。 その先の右俣には、目指す大滝があるはずだ。
しばらく写真を撮りながら、下段をたんたんと登る。
上段はハングッて登れないので、右側から巻いて登る。
巻き終えると、右俣の大滝が目の前に現れた。 すばらしい滝だ、堰堤のようにスパッーと切れた壁から、簾状に幅広く落ちる綺麗な滝だ。
今日は、ここまでが目的なので、ゆっくり滝を眺めながら、おにぎりを食べる。
写真を撮り、あとは夕立がこなければいいなあと、空を気にしながら、下りを急ぐ。
滝を登ってきた部分は、すべて慎重に巻き道を探しながら降りる。
出会いまでに、以外と早く降りて来れ、空もまだ持ちそうだったので、荒沢谷本流にある”ベニガラの滝”を見に、行ってみることにした。
次にでてくるアシ沢までが以外と近い、15分ほどだ。 谷は、滝が続いて出てくるので、巻き道を歩く。
7Mの滝を過ぎると、奥にベニガラの滝が見えてきた。 ここまでも意外と近い、アシ沢から15分ほど。
桂谷出会いから、1時間はかかるかなあとみていたんだが、うれしい誤算。 ここも豊富な水を落としている。
この滝を眺めて、なんとなく今日は、全体的にやや水量があるようだと感じた。
滝の左壁は、ベニガラの滝の名の元となった、あずき色した壁が光っている。 丁度、木漏れ日の淡い光が左壁を照らし、あずき色(ベニガラ色)がよけいに目立つ。
下りは、右岸にある巻き道を利用して降りたので、楽勝。 あっという間に、橋についた。
空はまだ明るく、どうやら雨はなさそうだ、途中、猿の群れ等を見ながら、帰途についた。

荒沢橋――桂谷出会――右俣大滝――桂谷出会――ベニガラの滝――荒沢橋

8:30   9:10   11:30    13:30    14:00   15:00

 

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