丹沢・畔ヶ丸


12月28日(金)畔ヶ丸。 今日は御用納めの日、免許証の受け取りと、図書館に予約してある本が手に入るかも知れないという勝手 な事情で会社を休み、そのまま年末年始の休みに入ってしまった。 来年は会社の退職、子会社へ、と方向が決まっている。 いやな世の中になってきたが丹沢への愛着は変わらない。
朝早くでれば三時ころには戻れるだろうと考え、習慣になった丹沢・畔ヶ丸に向かう。 畔ヶ丸は丹沢のなかの主要な一つのピークだが、ガイドブックによるとほとんど見晴らしがないとあった ため、今まであまり興味がなかった。 まあそれでも木の葉が落ちた冬場であれば何か見えるかな、名も無い沢を探すにしてもいいだろう。
朝日を浴びて輝き出した雄大な富士山を見ながら246を走る、年末最後の日のためか比較的車の 流れも少ない。

大滝沢キャンプ場先の新箒杉トンネルを越えた先の路肩が広くなったところに車を止め、出発。 朝早いため少し寒いが歩き始めると身体が温まり、すぐ軍手もとって歩く、風もなく良い天気 のため気持ちのいい歩きだ。 大滝沢大滝の横を通り、一軒小屋まで休まず歩く。 小屋の扉を開け中を覗いて見たが中に登山者はいなかった。 日誌を見ると毎週末には人が入っているらしい。 ここまで1時間、たいした登りもない。
ここからはステタロー沢沿いに登って行く。 この沢は水がありそうだが、登山道が通っていて滝は無いようだ。 沢から尾根伝いの道になり、ほどなく大滝峠上に着く。
ここには道標があり、大滝峠方面の旧東海自然歩道が南に続いている。 らくがきがしてあり、二本杉峠方面へは楽に行けるらしい。 沢筋の旧東海自然歩道は、バケモノ沢を遡行したとき歩いたことがあるが、篠が生い茂り、 とても歩けたものではない。少し這って歩いたが、すぐに沢に逃げた記憶がある。 ここはさらに尾根を登り、畔ヶ丸を目指す。
尾根からは、左背後に富士山が木の間越しにちらほら見える。 しかし、頂上までついに開けて見えるところは無かった。
頂上直下にも避難小屋があり、100Mも行くとすぐ山頂の標識に出る。 頂上近くで少し雪があったが、登山靴で歩くには支障がない。
ここで大の字になって青空を見ながら休憩、 しばらくしたら、反対の方角から一人登ってきた。 もう少ししたら、今度は柴犬が一匹。 人間はあとからひとり来て、散歩のように通り過ぎていった。
本にあるようにここは本当に周りが見えない。 春のぶなの芽生えのころか、紅葉の時期がベストかな。
単独行者に聞くと、私のルートとは丁度反対コースで、西丹沢バス停の車に戻るという、 下に降りたら道路ですれ違うかな、と思いながら別れを告げる。
善六のタワを通り西沢に降り立つ。
本棚分岐から下棚までになると結構登山者に会う。 さすがここまでくると冬休みに入ったこともあり、メジャーなコースのため人もくるのだろう。 去年一月の大雪の時は、この辺でも吹き溜まりに入ると腰まで沈むため、滝を見るのに難儀したのを 思い出す。
吊橋をわたり、駐車場に出ると5,6台止まっている。 バス通りをちんたら周りを見ながら歩く。途中、箒杉を見るため旧道に入る。 ここ四年通った丹沢だが、一度も近くに行って大杉を見たことがなかった。 こうして歩きながらぶらりして見るのもいいものだ、いつもは下の道を車で通り過ぎるだけだから、 こうして近くで見る箒杉はけた違いに太い、本物の巨木だ。 猿が一匹、旧道を歩いていくのが見えるのも、のどかな眺めだ。 山頂であった人とすれ違うかな、と思っていたが結局あうことがなかった、ゆっくりしているのだろう。 何もなければ中川温泉の湯につかって行くのだが、警察と図書館に行かなければならない ので帰途につく。
帰って図書館に問い合わせると、本が届いているという。図書館も年末最後の日のため、とてもラッキー。 横浜市の場合は、本があればどこの図書館でも届けてくれる、とても便利なシステムになっている。 ちなみに、本のタイトルはどうしても読みたかった「喪われた岩壁」、いくつかの市の図書館で検索 したが、横浜市に一冊しかなかったもの。 借りてきてから一気に読んでしまった。先先週行った雨山峠越えの物語を読んでいると昔の人の 山に対する執念はすごい。ここのところ丹沢から帰ると図書館めぐりばかりしている。 これからの丹沢は雪が降れば冬山となる、まだしばらく表側は大丈夫だろう。

 車――――一軒小屋――――――畔ヶ丸山頂――――――車(約5時間)

 7:45  8:45  10:20(11:00)  13:20


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