丹沢・不動沢
8月18日(金)快晴。
車がないので、子供の原付を借り、近場の不動沢へ出かけた。
35年ぶりに乗るバイクは、ちと怖い。
近いといっても、あの246を走っていかねばならないのだ。
乗りだして気がつく。
方向指示器がつかないし、スピードメーターの針もまともに動かない。
こりゃなんじゃと気になったが、しょうがない、手で合図しながら、走る。
あとで聞いたら、バッテリーが切れかかっているので、動作しないとのたまわった。
こんなバイクじゃ危なくてしょうがない、子供には即刻使用禁止と思いながらも、自分は乗ってしまった。
まあ、なんとか無事に谷太郎川沿いにある、不動沢出会いに着いた。
本流のキャンプ場は、まだ夏休みの親子づれで、結構賑わっている。
この時期、この辺の沢は蛭が多いので、あまり入りたくないのだが、とりあえずの涼を求めて、大滝までを往復する予定で入渓する。
針がねで閉まっているドアを開け、沢沿いの道に入る。
道は堰堤ですぐに行き止まり。
足元を見ると、早くも蛭が一匹付いていた。
堰堤を左から巻き、沢に降りる。
少し歩くと”私有地のため立ち入り禁止”の看板があり、奥に別荘みたいなのが建っている。
以前も人はいなかったため、静かに前を通ると、今回も人はいないようだ。
おそらく、蛭が多すぎて、この時期は使用しないのではないか。
かってな解釈をして、沢沿いを通過。
不動の滝までは、左岸にあるハイキング道を利用させてもらう。
時折、衣服をチェックしながら歩くが、必ず蛭が何匹かひくひくして付いている。
気がついた蛭は、払いながら登る。
不動の滝上からは遡行モードに入る。
水は冷たくて、とてもいい気持ち、綺麗なので、なるべく水線通しに歩き、顔を洗いながら進む。
ゴーロを歩いていると、前方30Mくらいのところに、黒い動物が、ゆっくり魚を探すように歩いて来る姿が目に入った。
熊だ!!、すぐに解った。
体長5,60CM、子供から親になりかけくらいの大きさだ。
あまり大きくなかったため、そう怖くはなく、とりあえずは写真と、カメラを取り出す。
芸能ニュースで、熊を素手で一撃し、撃退したというのがあったなあ、それにあやかって、こっちも来たらやるかーと構えてみる。
熊はこちらに気づかず、ゆっくり水の中を、こっちに向かって降りてくる。
まず手ごろな石が足元にあるのを確認し、すばやく写真撮影。
残念ながら、何も考えず撮ったので、ぶれた写真になってしまいました。
熊との距離が10Mくらいになった。
石をつかんだ、熊も顔をこちらに向け気がついた、石を投げる。
この攻撃に、熊は驚き、一目散になって、左岸後方の山へ逃げ込んでいってしまった。
丹沢で、まともに熊と会ったのは初めて、しかも、こんなに里近い、谷太郎川沿いで会うなんてびっくりだ。
それからは、慎重に周りを見まわしながら、登っていく。
狭いゴルジュのところで、会ったらやばいので、おそるおそる登る。
大滝前の半円の滝は、シャワーを浴びながら、フリークッションをきかせて登る、いい気持ちだ。
この沢の盟主と思われる、15Mスラブの滝に着いた。
水はまあまああり、壁を簾状に流れ落ちている。この滝の写真を撮り、ここでひき返す。
見えるところは、蛭を払いながら降りたが、首筋がTシャツで無防備だったため、知らぬ間に2匹くっついていた。
手でぬぐうと、血を吸い、まん丸に太った蛭がとれる、残念、やられてしまった。
最終的には、足2箇所、手1箇所、首3箇所とまんべんなく、吸われてしまった。
首にタオル等巻いておけば良かったかもしれない。
出会いのバイクに戻り、とりあえずは、すぐに蛭の多い沢から逃げる。
さて、何処へ連絡しておこうか。
キャンプ場へ言おうと思ったが、混乱すると困るので、やめ、役場近くの駐在へ寄った。
駐在は留守で、そのまま厚木警察へ直通電話する。
その後、駐在所前で少し蛭チェックし、2,3匹落とす。
今日は平日のため、役場もまだやっているな、と頭に浮かび、隣りにある、清川村役場に行き、詳細を話して行く。
役場を出たところで、また大きめの蛭が一匹くっついているのに気がつき、役場の塀に飛ばしてやった。
しつこい蛭たちだ。少し広い道路脇で、もう一度念入りにチェック、靴に着いた小さな蛭が、まだ2,3匹いた。
家に帰り、着替えのため、パンツを脱ぐと、血を吸い、まん丸になった蛭が、ぽろりと落ちる。
くそう、急所まで、やられてしまった。すばやいやつらだ。
水は冷たく気持ち良かったが、ちょっと蛭にやられすぎ、熊のハプニングもあり、短くもいろいろあった沢登りでした。
バイク―――熊―――大滝――バイク
13:10 14:09 14:40 16:00
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