奥多摩・権現谷

5月21日(土)晴れ。
先週、帰り際にちらぁーと見た、権現谷に行く。
地形図上では、隣のカンバ谷と間違って記載されている。
水量が多く、本流の三条沢と同じくらいの流れがあり、10M級の滝もあるというので、楽しみだ。
今日は天気も良く、林道終点の駐車スペースは満杯、近くの路肩に車を止める。
三条の湯への登山道を歩き、三条大滝の少し上から入渓すると、すぐに権現谷出会いに着く。

狭い岩に囲まれた谷に入ると、すぐに3M滝が出てくる。
さらに3M滝が二つ続く。
最後の滝はつるつるでとても登れそうもない、さりとて巻き道はどこー、と見回して見るが、単純に登れるところはどこにもない。
さーて、右か左か難しい、少し手前に戻り、右から登って見る、踏み跡があった。
先週の御岳沢と違い、谷幅が狭く、立った滝が多い。
水量が多く、深い釜を持つ滝が多いので沢登りとしては、こちらの方が面白い。
小滝と滑を越えて行くと、ゴルジュになってきた。
数人が入れる岩屋の横をくぐり、ゴルジュを抜けた。
出口には階段状の3M滝と幅広3Mの斜瀑があり、ここを過ぎると明るい沢になる。

この谷は、年間を通して禁漁らしいので、岩魚の姿は豊富だ。
近づいて見ていてもあまり逃げない、明るい日差しを浴びた水面近くを悠々泳ぎ、さかんに虫を捕獲していた。
新緑の明るく開けた谷を歩いて行くと、やがて先週渡った登山道の木橋が見えてきた。
丁度登山道前後が、幅広の明るい谷になっている。
登山道から先の谷は、大石のゴーロと倒木が多くなり、やや歩きにくい。
やがて、5M幅広の滝がでてくる。

谷は緩やかに左カーブしてくる。
しばらくゴーロを歩いて行くと、右に水量の多い悪谷が合流してくる。
水量比は、ほぼ1:1、本流の方が少ないような気もする。
少し悪谷を覗いて見る。
シオジの巨木の横を登り、奥を見ると、両岸岩に囲まれたところに、5Mの滝が落ちていた。
大きな岩をかかえたCSの滝だ。
その上は左に曲がり、明るくなっているので、それ以上の探検はやめた。
本流に戻り、右岸が岩壁のところ(多分地形図上のゲジゲジマーク)のゴーロを歩いていく。
とても滝がありそうな雰囲気ではないが、突然、前方に白い流れが見えてきた。
それは、この谷の盟主と思われるような大滝だった。

落差は12Mくらい、下部は幅広に落ちている綺麗な滝だ。
滝の前には、小さく可憐なスミレが沢山咲いていた。
新緑と明るい日差しを浴び、キラキラ輝いている。
思っていた以上の立派な滝に出会えて、感激もひとしお。
ここで、しばらく撮影と食事休憩の大休止。
たぶん、この上にはもう滝はないと思うが、念のため、滝を左から巻いて上がり、地形図上の奥の二俣まで歩いて見る。

もう、水量も大分少なくなり、右の本流とおぼしき谷には水の流れがない。
細い流れは左の支流のみに流れ、滝らしき姿は拝めそうもない。
ここで遡行をやめ、引き返す。
今日はどうも調子がいまいち、下りでの足のふんばりがきかない、かなり疲れた感じがしてしょうがない。
昨日の酒が残っているんだろうか。
登山道に出るともう安心。
靴を履き替え、登山道を下ると、後ろのサオラ峠方面からの登山者だろう、一人鈴を鳴らしながら続いていた。
今日も三条の湯には、まあまあの客があるらしい、キャンプをする人達もいる。
三条沢を眺め、権現谷のV字谷を眺めながら、今日の山行を終えた。
車――権現谷出会い――登山道――大滝――奥二俣(終了点)――登山道―――車
8:30 8:45 10:20 11:35 12:30 14:20 15:10