箱根・大平台周辺の沢
9月7日(土)雨のち曇り。遡行図
昨日、久しぶりの雨になった。
これで、沢も滝も元気を取り戻したことだろう。
今日は、箱根大平台温泉近くにある滝を見に行く。
朝早かったので国道をひた走る。
湯本手前のコンビニで、朝食と昼食をしこんで箱根の山を登る。
蛙の滝付近から、沢に降りる道を探しながら運転していたが、谷が深く一向にわからない。
大平台のヘアピンカーブのところから、かすかに道があるようだが、車を止めるところがないので、一旦少し下り、
何段か堰堤のある沢の国道脇に駐車する。
ヘアピンカーブのところまで行くのは面倒くさいので、適当に降りられそうなところを、国道から下の早川目指して
降りて行くと、古い廃屋があった。
こんな木々に囲まれたところに家があったなんて驚き。
家があったからにゃ、下に降りられるだろうと思い、急斜面を下って行くと、崖になってしまった。
見下ろしたところ、下まではかなりある。
こりゃだめだ、少し登り返し、降り口を探しながら、少し上流に行くと沢があり、下を見ると、落差のある滝を落としている。
ああ、これが無名の滝だろうと直感、なんとか降りる道はないか。
落ち口の上を渡り、下を覗いて見るとかなりの高さ、それも直瀑だ。
少し横を見ると、木が続いているので、ロープを使えば何とか降りられそう。
ほぼ、垂直の斜面を降り始めた。
しかし、途中で木と木の間隔が開き過ぎ、コレ以上の下降は不可能になってしまった。
ザイルと懸垂下降の技術があれば、降りられるんだろうが・・・。
横から見る滝は、空中を飛んでいる。
雨が少し降ってきた。
さあ、登り返そう。
すべる木と、すべるドロに注意しながら、必死になって登り返す。
わずかな距離だが、非常に疲れた。
やっとの思いで安心できるところまで上がり、重い足をひきずりながら、国道まで上がる。
雨はさらに激しくなり、ずぶぬれになりながら、国道脇を歩く。
雨に濡れ、傘もささず、黒くドロに汚れた人間が、ザックをしょい、とぼとぼ歩く姿をみて、
通り過ぎるドライバーは何て思ってるんだろうか。
こちとらは、濡れついでだから、しょうがない、寒くはないのでそのまま歩く。
ヘアピンカーブのところまで、降りられそうなところはなかった。
こんなことなら、最初からカーブのところから入ればよかったのに・・・・。
少し、沢へ向かう尾根沿いに、道がついているので、これで楽に降りられるだろうと思っていたが、これも大間違い。
少し下り、左下に沢の光が見えるので(あとで考えるとこれは堰堤の上の水)、もし他がだめならここから降りられるだろうと目星を着けておき、先に進む。
対岸に一筋の滝が見える。
かなりの高さの滝だ、あれが無名滝か・・・・・。
尾根は断崖絶壁となり、行き止まり、下に降りるすべがない。
しかたがない、対岸の滝を尾根上から写真に撮る。
なんとか早川に降りる道はないかと、沢沿いの獣道を下流に向けて歩く。
1箇所、崖と崖の間が微妙に降りられそうな場所を見つけた。
傾斜も少し緩く、木と木の間隔もいい。
ロープを使い慎重に降りる。
木と木の間隔が長く、小さな木しかないところがあったので、ロープを木に縛り、残置して降りる。
どうにか、やっとのことで川に降りられた。
帰りの道を見失わないように、目印をよく目に焼きつけておいた。
雨は上がり、薄日も少し見えてきた。
早川の流れは少し濁っていてゴミも目立つ。
大石の間をくぐり、川を渡渉しながら、先ほど見た対岸の滝下まで行く。
上から見たのと、下からでは、姿も印象も大分違う。
2段目が短く見えるので、見た目は上からのほうがいい。
この滝は三段で落ちていて、30M以上あるだろう。
本流は、とても登れそうもない壁に囲まれた、2段の堰堤になっていて、まるで川幅一杯の滝のようだ。
周りはすべて断崖絶壁、すごいところだ。
先週の上仲沢の川幅を三倍にしたような景色で壁が続く。
さて、下流に下り、最初に見た蛍沢大滝を見に行く。
両岸は垂直の壁ばかりで、ここが国道下とは思えない、深い渓谷だ、箱根にこんな景色があったなんて・・・・。
パンツまで濡れる渡渉を何回も繰り返していく。
温泉の水が流れこんでいるのか、水は冷たくない。
あまりキレイではないので、良い気持ちはしない。
しばらく下ると、左岸に流入する沢が出てきた。
これが椿沢かなあ、と思い、少し入って見る。
S字状に曲がり、本流から50Mほど入ったところに、三段・18Mのキレイな滝を落としていた。
この滝はとても登れそうもない。
ここで本流に戻り、早川を下る。
先のほうに、右岸から落ちる高い滝が見えてきた。やっと下についた。
苦労してここまできた甲斐がある。見事な高瀑だ。
写真は下からでないと撮れない、やった・・。
じっくりといろんな角度で写真を撮り、ゆっくりと引き返す。
あらためて、両岸を見ながら行くが、高い壁ばかりで、本当に降りるところがない。
降り口を見つけられて、ほんとうにラッキーだった。
慎重にロープを使い登る、以外と傾斜がきつい。
やっと尾根上まで登り、目的の滝が見られたことの充実感を胸にして、国道に出た。
車まで歩くあいだ、沢方向を見ながら歩いたが、本当に深山幽谷、地元の人さえほとんどよせつけない深い谷だった。
ついでに寄った霧降の滝
車――早川本流――堰堤下無名滝――椿沢F1――蛍沢の滝――国道――――車
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