奥多摩・花の木沢、棚沢
6月18日(土)くもり時々晴れ。
小常木谷支流・花の木沢(カヤ谷?)にある捻レノ滝を見にいく。
奥多摩の著者宮内敏雄によると、花の木沢はない、それに代わる沢としてカヤ谷の名前がある。
奥多摩の沢123による遡行図では、カヤ谷は兆子の滝直前になっている。
果たして、捻レノ滝に該当する滝があるんだろうか?。
小常木谷を遡行したときは、枝沢なんて見る余裕もなく、ただただ、滝が続く置草履の悪場を、たんたんと詰めていった。
今日はその手前までなので、気持ち的には余裕だ。
余慶橋横に着き、いざ支度をしようとしたら、何も着替える服がないのに気がつく。
いつも着ている、ジャージのズボンと長袖のシャツを忘れてしまった。
こんなことは初めて、ちょっとあせった、沢足袋だけは、しっかり積んである。
しかし、今着ている服がラフな作業服だったため、このまま行けばいいや、と気持ちを切り替える。
ただ、バンドがないためズボンがずり落ちそうなのがいまいち。
すでに車が5,6台止まっている。
これから沢登りをする4人のグループが、完全な装備を身につけ、準備していた。
おそらく、小常木谷か火打石谷のどちらかの遡行をするのだろう。
こちとらは、身軽の身なので、先行して大常木林道に入っていく。
最初から沢足袋にしたので、ショートカットの道から丹波川に降り、二俣の出会いまで、足首程度の遡行しながら歩く。
火打石谷との二俣まで15分、どちらも同程度の流れだが、雨が少ないためか、いつもより水量は少ない。
大常木林道を少し歩き、滑滝の上から入渓する。
すぐに少し深い釜の小滝が出てくる。
着たきり雀なので、なるべく濡れたくない。
それでも、股下まで入ってしまった。
もう一箇所同様なところがあり、それを抜けると、滑とゴーロの世界になる。
たんたんと1時間強近く歩いていく。
かなり周りの崖からの崩落が進んでいる感じだ。
ようやく花の木沢らしき出会いに着いた。
はっきりわからないので、とりあえず兆子の滝まで歩き枝沢の確認をした。
確かに、滝直前に二段の滝を掛けて出会う水量の少ない小沢がある、奥多摩の沢123によるカヤ谷だ。
兆子の滝の写真でも撮っていこうかなあと、撮影の準備をしていたら、例の4人組が追いついてきた。
丁度いい、滝の登攀をするだろうから、見物としゃれこもう。
まずは、鳩首会談で登るルートを指差しながら、確認している。
さあ、トップロープで登って行く。
遡行図では、左を割合簡単に登れるとあったが、かなり苦しそうだ。
2箇所、残置を利用し、ピレイを取り、流芯近くに行く。
それからの一歩がなさそう、しばらくルートどりを迷っていた。
ようやく、左直上を決め、ズリズリと時間をかけながら摩擦で登って行く。
その一歩を登りきると、あとは滝上の木までスムーズに登って行った。
セカンド以降は楽だ、ザイルを付け、比較的簡単に登って行った。
三人目を見てから、ちょっと声をかけ、花の木沢の出会いまで戻る。
花の木沢の水量は大分少ない、本流と比べ1:5くらいか?。
すぐにS字状の滑滝があり、ひょっとしたら、これが捻レノ滝かなあとも思ったが、ちょっと寂しいので、登っていく。
水は、出会いから200Mくらいで、ほとんど石の下に消えた。
ちょっと登って見たが、これ以上滝らしき姿はなさそうなので、たぶん、先ほどの滑滝が捻レノ滝だろうと思いながら、出会い目指し下る。
予想に反し、今日も失敗の巻。
日差しが出て、キラキラ輝く水の流れを見ながら、ゆっくりと小常木谷を下った。
丹波川に出る手前の廊下で、女性を含む7,8人のグループが壁登攀の練習をしていた。
この垂直に迫る廊下はいつ見てもすばらしい。
車に戻り、まだ時間があるため、小菅村にある棚沢を覗きにいく。
国道から原始村への道に下り、清流苑脇にある棚沢近くに車を路駐する。
水のない時期で、あまり期待しないが、まあまあの水音がするので、藪を掻き分け堰堤の上に降りる。
すぐ上の橋下に、綺麗な4MCSの滝がかかっていた。
ちょっと登りにくかったが、道路に戻るのがめんどうくさかったので、右から登った。
その上には、さらに滝が続いて見える、これが棚沢といえるゆえんか。
3M、3Mと続き、4Mの綺麗な滝が出てくる。
その上にはさらに大きそうな滝が見えている。
これはこれはもうけ物の沢だ、道路からすぐに5つの滝が続いているとは!!。
4M滝を右から上がり、上に見えた滝を眺めると、2条10Mもある立派な滝だった。
これがこの沢の大滝かもしれない。
右が登れそうだったので、右の水流沿いに登り、上に立つ。
水量が多いときは、幅広く落ちそうな落ち口だ。
さあ、さらにその上はどうだと、周りを眺めるて見ると、すぐ上に仕事道が見えた。
とりあえず仕事道に上がり、先を見てみると、大きな二段の堰堤が立ちはだかる。
ああ、これで終わりだなとその先はあきらめ、国道まで仕事道を利用し戻った。
仕事道は、橋横にあるのだが、入り口は草が生い茂り、ここに道があるのがよくわからない。
着替えもないので、小菅の湯に入るのはあきらめ、帰途についた。
車――――二俣――花ノ木沢出会――兆子の滝――折り返し点――車――棚沢出会――車
7:00 7:15 8:30 8:35 10:30 12:30 13:00 14:30