原小屋沢


9月8日(土)、久しぶりに仲間二人と原小屋沢を行く。
前日からの天気予報を見ながら、明日は何処に行こうか何ヶ所か候補に選んでおいたが、 朝起きてみると晴れていたので、今日は少し時間がかかる原小屋沢あたりにしようかと思いながら、駅で落ち合う。 私以外は原小屋沢は初めてということと、私もガータゴヤの滝までしか行っていないので、 相談して決める。
帰りは大平からとし、早戸川へ降りるところから少し先、林道の広くなった ところに車を止める。 歩き始めるとき、曇り空でもう晴れる気配はない。
天候によっては途中引き返しもあり、早戸の滝でも見て帰ろうか、と話しながら出発。
雷平手前から細かい霧雨が降ってきて、あまり上の方は期待できない。 それでも天気予報(昼間は曇り)を信じて、行けるところまで行こうと先に進む。 結構、朝早い釣り師が二人、本流で釣っていた。
雷滝を右から巻き、沢の左右を行きながら、カサギ沢の分岐まで たんたんと進む、小雨はやむ気配はない。
雨が降っていると普段乾いた岩や石も滑べるので気を使う。 少し先、右に曲がったところでF4・バケモノ滝、 大きな上にかかった倒木は健在で、豪快に水を落としている。 ここは左のガレ沢から上がって巻く。
丹沢の谷110でのボッチ沢はなし、ガータゴヤ滝下の沢との間違いだろう。 少し行って、F5三段の滝、割合に傾斜はゆるいが、左斜面を滝を見ながら巻く。 上段の滝は幅広く綺麗だ。 この先の懸垂下降は無し。
右からは簾のような滝が落ちている。 少し行くと、F6スラブの滝、この滝は結構立っているので右から巻く。 この先、ガータゴヤ滝手前の階段上の滑滝を、水流をよけながら楽しく登る。
目の前にガータゴヤの滝だ。 ここで大休憩、前回はここまできて引き返した。
この先は全員未知の世界なので、登るルートを慎重に選ぶ。
ここは左右どちらを巻こうか眺めると、左右どちらも行けそうだ。 案内では左とあるので、左の沢に入ると踏み跡がある。
登りきったところで滝上にでると、滝横右岸に、下から太い鎖が張ってあるのが見える。 こんなところに昔の人は鎖をつけたのかと、驚くとともに、昔は今以上に沢に人が入っていた と思うと、人が列をなして原小屋沢を遡行している姿が目に浮かぶ。
鎖一番上のピンを利用してロープをつけ、沢に降り、反対側の岩を登る。
すぐに鎖のついた5Mくらいの滝。 ここは鎖を利用して登る。
ここを登ると沢は渓流状になって明るくなり、穏やかな流れとなる。 沢床は浅く、周りの木々は沢近くなり、歩くのが楽だ。
しばらく行くと右岸から小さな沢が合流してきた。 この周りは白い花が咲いており、ミニ庭園のような感じで、非常に美しいところだ。 水が岩の間から湧いており、この水の美味しいこと、無味無臭のやわらかく冷たい天然の水は最高だ。
これから先は小川の散歩を楽しむようにして、川の流れがあるほうへと沢をつめる。 沢の流れは徐々に少なくなり、最後に水場の案内があるところに出た。 水はこの先すぐに消える。
前に原小屋平のところの登山道にあった水場の案内がここかと思ったら、 逆に、上の登山道まであと少しだと、先が見えたのでひと安心。 水場へ下る道を忠実に拾いながらつめると、ドラム缶が見え、登山道に飛び出した。 ここまで4時間、だいたい計算どうりだ。
登山道を姫次方向に歩いていると、チリンチリンと音をさせ、黒い犬をつれた蛭ヶ岳山荘 へのボッカの人に会った。 「何処に行ってきた」「原小屋沢を歩いてあがってきた」 「そうか、あそこはヒルが多いからきをつけてや」 と話をし、ボッカを見送った。 姫次まで行ったら飯にし、まずヒルを退治しようと言いながら15分ほどで 姫次に着く。
今まで小雨はやまなかったが、着くと同時に降りが強くなってきた。 周りは薄く霧が舞い、美しい富士山もぜんぜん見えない。
ベンチに荷物を下ろし、まずヒルが着いていないか見る。 いるいる、全員靴や靴下に数匹のヒルが着いており、退治におおわらわ。 私は半ズボンのため、かなり血を吸われ、血が足を伝って流れている。 今までも何回か吸われたことがあるので、たいして気にしないが、仲間は大騒ぎ。 ひと段落してから乾杯のビールを飲み、昼食となった。
雨がやむ気配が無いので、早めに昼食をとり、大平分岐をめざす。 天気がよければ、富士山とカラ松を見ながらのんびりと昼寝でもするのが最高の場所なのだが。
黍殻避難小屋を過ぎ、大平分岐の案内があるので下る。 人があまり通らない割には、整備された登山道だ。ただ、草が多く、またヒルが心配だ。 無人の雨量計小屋を過ぎ、林道に降りる。
ここでまたヒル退治、靴に数匹ずつくっついている。 この林道は早戸川林道の一つ上の林道のため、さらに早戸川まで尾根を下らなければならない。 下に降りる入り口に案内板は無く、ピンクのテープのみ。初めてだと迷うだろう。 幸、私は前に来たことがあるので、すぐわかったが、仲間にいうと「こんなところをまた降りるの」 といわれ草に埋もれた道に入る。
少し下れば急なしっかりとした登山道となり、転ばないように下る。 道沿いには、雨量計への電話ケーブルと電柱があるのでいい目印だ。
早戸川に降り、渡渉して再度ヒルチェックをし、早戸川林道に上がる。 天気は大平への下り途中から雨がやみ、曇り空だ。 休憩を入れ、ほぼ予定どおりに戻ることが出来た。 あとは帰ってからの居酒屋での一杯を楽しみにし、帰路についた。

 車―――――原小屋平――――姫次発――――車

 7:25  11:30  12:10  14:20
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