ぶらり旅、引地川の河口から源流まで


2月7日(土)快晴。
今日はどこに行こうか、定かではない。
夕方の天気が良ければ、ダイヤモンド富士でもと考えていたが、予報はあまり良くないのでやめる。 じゃ、うーーん、次はどうする。
前から考えていた、神奈川・川の旅でもすっかとした。 それじゃー、第一弾として、地元の引地川に決める。
インターネットで、地図でもとチェックしてたら時間がなくなってしまい、海岸で日の出を見るのは無理な時間になってしまった。
簡単な支度をし、大和駅まで歩く。 たまには電車の旅もいいもんだ。
計画は、往路・電車で片瀬江ノ島まで行き、復路・河口から水源地まで歩いてこようというものだ。 遡行距離21.5KM、標高差50Mである。
まずは、来た電車に乗る、各駅停車・片瀬江ノ島行き。

電車で走りながら、日の出を迎える、家々の間から、朝焼けの赤い太陽がとてもまぶしい。 反対側に見える富士山はと見ると、頂上付近に雪雲があった。
海岸に着くまでにスカーと、雲がとれてくれればいいなあと期待しながら、江ノ島に向かう。
電車は本鵠沼に止まった。 この辺にくると、なつかしさがこみ上げてくる。
昔、鵠沼の独身寮に住んでいたころ、真夏は毎週末海に、OFFシーズンはカメラ片手に鎌倉へと通ったもんだった。
片瀬江ノ島に降りるも久しぶりだ。 電車を降り、境川を渡り、海岸道路に出る。
朝の風は非常に冷たい。 あわただしい、江ノ島漁港の先には、新装なった江ノ島の灯台が、朝日を浴びて光っている。
引地川河口までは、500Mほど海岸を歩かなければならないので、これも新装準備で忙しい水族館(4月オープン・2000円)の横を通り、砂浜の海岸に出た。
海岸に出ると、びっくり、なんと、このくそ寒い(0度くらい)のに、サーフィンをやっている人が沢山いる。
風が強く、白波がたっているので、波は絶好調なんだが、なにせ寒い。
ウェットスーツをまとい、首から上は無防備、寒くないんだろうか、と心配してしまう。 ざーと見ただけでも、数十名いるだろう。
若者達の熱気からすれば、これくらいはたいしたことじゃないのかもしれない。 いい波があればベストのようだ。
また、彼らの姿が絵になり、バックに江ノ島もあって、非常にかっこいいのだ。
アベックでサーフィンしたり、さてまた、女性だけのペアも出てきた。 何枚か江ノ島をバックに写真を撮った。
自分も若いころ、ここから江ノ島まで泳いで行ったことがあったなあ、と思い出す。
海岸には、彼ら以外にも、いろんな人が歩いている。 犬を連れて散歩する人、ジョギングをする人、お年よりの散歩、気の早い観光客などなど。
”やはり、海はいいなあー!!”。

江ノ島の横には大島の姿があり、伊豆半島から富士山、丹沢の峰峰まで弧を描くように連なっている。 ”天気晴朗なれども波高し”という感じだ。
8時ジャストに引地川河口から出発する。
海岸を離れると風は弱くなり、暖かさを感じてくる。 これからは時間とともに気温も上がってくるだろうし、景色や鳥達を眺めながらちんたら行くか。
靴は、一回も履いたことのない買ったばかりの安靴なんで心配もあるが、ゆっくり歩けばなんとかなるだろうさ。
海岸ではトンビが群れをなし、飛び回っていたが、早速出てきたのは、鴨たち。 ゆったり泳ぐ鴨をみると、時間が遅くなるようだ。
黒い鴨が水に潜っているので、あがってきたところを写真に撮ろうと待ち構えていたが、一向にあがってこない。 よく見ると、少し離れた先に先ほどの黒い鴨がいる。
じっと見ていて気がついたのだが、どうやら鴨ではなく鵜のようだ。 どうしてどうして、鵜だったら納得がいく。
最初に出てきた鳥が、トンビ、鴨と鵜だった。

目の前をブルーの鳥が横に飛んでいった、カワセミだ。 こんなに早くお目にかかるとは思わなかった。
コンクリート上に止まっているのだが、対岸なので小さく、なかなかうまくとらえきることができない。 バタバタしているうちに消えてしまった。
藤沢の市街地を流れているこの辺は、両サイドに道があり、川沿いに流れを見ながら歩ける。 ここもまた、散歩やジョギングの人が多い。
小一時間も歩いたころ、左岸に長久保都市緑化植物園がある、感じがよさそうなところだった。
JR東海道線下をくぐる。 手前には小さな親水公園があった。
国道1号線の下をくぐる。
住宅街を抜けると田園地帯になってきた。 この辺もまた広い公園という感じだ。

藤沢市中央卸売市場の下の公園ではお年よりたちがゲートボールをし、隣のグラウンドでは、若者たちがサッカーをしている。
川は田畑やときおり現れる、住宅の間をゆったり流れている。 カメラを固定して、なにやら狙っていたカメラマンたちが対岸にいた。
引地川沿線には教育施設も多い、高校、短大、小学校、中学校と次々に出てくる。 ほとんど住宅地や田園地帯を悠々と流れているのだ。
河口から源流まで標高差50Mなので滝なんかありようがないのだ。
そろそろお腹もすいたし、疲れてきたし、店がないかなあと思うころ、藤沢市円行地区につく。
ローソンの看板が見えたので、朝飯兼昼飯、それに歩きなのでビールをもとめる。
川横のベンチで、美味しくビールを飲んでいると、目の前にしゃれたレストランがあるのに気がついた。 ”カフェレストラン、カナルの台所”と書かれた店でソフトクリームの旗がゆらめいている。
11時30分から開店とあったので、ビールを飲みながら眺めていた。 少し食べてしまったので、偵察がてらソフトクリームを買った。
中の感じは、なかなかよろしい、しかし、こんなところで儲かるんかなあと余計な心配をしてしまう。
すぐ先にはスカイラークもあった。 この辺は湘南台にも近いところだ。

また田園地帯を歩く。 この辺は畦道感覚で歩けるので、気持ちのいいところだ。
あぜ道的な遊歩道を歩いて行くと、整備しているおじいさんがいた。 あいさつ(今日初めての会話)をすると、話し掛けてきた。
聞くと、「少し崖になったこの辺は、地下水も出ているし、夏は必ず蛇がでるよ」という。 なるほど、少し自然感覚の風景もあるし、なるほどと頷く。
「ここも市の方から整備の話があり、うちも立ち退きくらっているんだが、あと20年はかかるよな、そのころは生きてねーしなあ」 、といっていた。
さらに田園地帯を歩いて行くと、1:1の二股になる。
橋に川の名前がなかったので、近くの人に尋ねて見ると、左蓼川、右引地川と教えてくれた。
引地川に進むとすぐにまた、カワセミがいた。 小魚を口にくわえている。
魚を飲み込むと、また、すぐに消えてしまった。 鴨だけは、いたるところにいるのが目につく。
目にする鳥の種類は多いのだが、知っている鳥としては、セキレイ、白鷺、くらいしか名前がでてこない。 あと、鯉が目立つ。

少し綾瀬市に入り、すぐにまた藤沢市になる。
少し歩いて行くと、今度は大和市だ。 やっと三分の二ていど、歩き終わったようだ。
そろそろ、足も痛くなってきて、豆もできた感じ、もう少しだ頑張ろう。
新幹線の下は工事中だったので、小さく迂回する。
今度は大和市の住宅街が続く。 縦長の大和市だから、先は長い。
歩くスピードは落ち、ひきずるようにして沿線を歩く。
千本桜通りを過ぎ、グランドの下のところで、今日三度目のカワセミを見た。 目の前を通りすぎただけで止まりはしなかったが、独特の飛び方と色はすぐわかる。
相鉄線をくぐると、最終目的の端、泉の森の最南点に出た。
やった、ついに泉の森に到着だ。 長かった、疲れた。 しばらく、次はやりたくないな。
公園の中を最終地点の泉の滝めざし、ゆっくり歩く。
東名下をくぐると”しらかしの池”、沢山のお年よりたちがベンチで日向ぼっこし、バードウォッチングする人、鳥を待ち構えるカメラマンとそれぞれだ。
ついに、本当の最終地点、”泉の滝”に着いた。 ここから先は水道用地地帯で中には入れない。 泉の滝は”人口”の滝である。
少し休み、足をひきずるようにしながら、自宅へと向かった。
これで、大体、一日で歩ける、距離の目安はついたが、かなり疲れたので、次はいつになることだろう。

鵠沼海岸―JR東海道下―藤沢市円行―蓼川分岐―大和市福田―相模鉄道下―泉の滝(泉の森)

8:00    9:15    11:20    12:20    13:05    14:50    15:20

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