丹沢・桧洞ー経角沢


8月22日(金)くもりのち小雨。
今回の予定は、桧洞から経角沢を詰め、中ノ沢乗越から県民の森への周回コースの予定で出発しました。
玄倉林道ゲート前に車を止める。久しぶりの玄倉林道歩きだ。気温は低め、歩き安い環境だ。
青崩トンネルは、沢から巻き、林道に上る。以前あったロープは、ことごとく切られていた。
これは、林道をあまり利用してもらいたくない、ということだろうか。
玄倉第四ダム湖には、発電用の取水による滝が久しぶりに見られた。
ダム湖脇に降り、グリーンに染まった湖との調和を撮る。
同角沢手前のトンネルは、沢から巻くのかと思っていたら、ゲートに鍵がかかっていなかったため、簡単に通過。
人気のない林道をユーシンロッジまでゆっくり歩く。
ロッジ前広場は鹿の天国だ。玄関前には雄鹿がドッカと座り、雌と小鹿は広場で休憩している。
薬学部の小屋の看板だけは、新しくなっていた。取水口上から桧洞に入渓する。
靴を履き替えていたら、丁度真夏の太陽が顔を出した。
最初の3M滝は、右の残置が無くなっている。
深い釜はエメラルドグリーンに輝き、とても綺麗だ。
やはり、明るい桧洞には、太陽がにあう。
残置がないと、泳がなければ突破できないため、しかたなく、右の旧道に上る。

道はすぐに崩壊しているので、早めに沢に降りた。
大石と滑が美しい桧洞には、太陽が映える。
日差しは、ほんの2,30分だけだったが、水も温かく、とても清清しかった。
5M滝を左から巻いて登り、少し歩くと、石小屋沢出会いだ。今日の出会いには、水の流れが無かった。
しばらく歩くと、ミニ吹割の滝がある、ユーシン沢との分岐に出る。ここの辺も桧洞の綺麗なところだ。
太陽もこの辺でお終い、厚い雲が全天を覆うようになってきた。
ザンザ洞の出会いまで、もくもくと辿る。時間がかかりそうなので、F1見物は割愛、そのまま本流を辿る。
ザンザ洞出会いを過ぎたあたりから霧が出てきた。やがて、本流最後の滝らしい滝の奥魚止めの滝に着く。
落差6Mほどの滝で、なかなかいい感じ。陽光があれば、滝壺も美しいエメラルドグリーンに輝くだろうが、 霧が深くなり、近くで撮影していても、もやっとしている。
この上に続く滑滝もなかなか感じがいい。右から小さく巻いて、滑滝の上に立つ。
この頃から、霧に加え、小雨も降り出してきた。
今日は地図を一切持って来なかったため、霊感山感第六感で辿るしかない。
本流の経角沢を詰めれば、中ノ沢乗越に出られるだろうとしか頭にないので、常に水流の多い方と、川幅が広い方を辿りながら進む。
滑滝より上は、ゴーロの広い河原が続き、分岐を確認しながら進む。
下駄小屋沢出会いには、小さな看板があり、下駄小屋沢出会と書いてあるのが、かろうじて読めた。
少し歩くと、本流は左カーブし、右に沢の出会いを迎える。
この沢が金山乗越に出る沢だろうか?、今日は、中ノ沢乗越へ向かうため、あくまで本流を進む。

さらに進むと、また右に水流のある沢が出てきて、二俣のような雰囲気になる、ここはどっちだろうか。
左の立ち木に黄色テープが巻いてあったので、左の沢を進む。
広かった川幅も狭まり、滑滝が出てきた。ここを登るとまたゴーロの河原。
小さな分岐は沢山出てくるが、あくまで水流があり、川幅がある本流と思しき沢を辿る。
水流はなかなか途切れない、浅い水深に魚影が見えたので、しばらく遊んでみた。
しかし、すばやい動きで逃げられ、捕らえることは出来なかった。
中ノ沢乗越に12時〜1時くらいまでに出られれば、と思って歩いているんだが、なかなか出られる気配がない。
結構時間がかかっている、最悪2時を越えていたら、小川谷へ下るのはあきらめよう。
時間はどんどん過ぎるが、目の前は一向に明るくならない。
水流が切れたところで、靴を履き替え、幅のある本流らしきを進む。
だんだん溝状になってきて、傾斜もきつくなってきた、まだ着かないのか、多少あせる。
狭い溝状態が、斜面に変わるようになって、ようやく、尾根のような感じが上に見えてきた。
100Mも登ると、やっと尾根の登山道に出た。時間は2時40分過ぎ、ここはどの辺だろうか。丁度、板の階段が右に始まるところだ。
かいもく見当はつかないが、同角山より右側に出たことは確か。
この時間では中ノ沢乗越越えは無理、左に二つの山越えでユーシンに降りても、暗くなりそうだ。
ルートを右に行けば、ツツジ新道分岐から、石棚山経由県民の森へ出られる。
時間の関係で、県民の森へ降りることに決めた。
まずは、場所の特定だが、歩いて見なければ判らない。
疲れた足を引きずりながら、板の階段を登って行く。
途中、ソーラーパネルがある無人の風力観測所があった。
さて、こんな人気がないところに、こんなのあったっけ、とちょっと考えながら、なおも登る。

上から、若者4人が降りてきた、挨拶をしてすれ違う。
彼らに聞けばよかったのだが、頭はつつじ新道分岐へ向いていたので、そのまま進む。
彼らに行き先を聞けば良かったかな、こんな時間にユーシン方向へ下るなんて、注意する必要があったかな、なんて思いながら登ると、また一人犬を連れた中年が降りてきた。
これは、さすがにおかしいと気づき、「桧洞丸までどのくらいですか」、と訪ねたら、「すぐそこですよ・・・?」、と教えてくれた。
げげー、間違った、方向が逆だ。聞いたほうも変な質問だと思うが、答えた人もなんでそんな事聞くんだろうという感じでした。
なぁーんだ、ほんの100Mも登れば、桧洞丸の山頂じゃないか。
完全に登山道に出た位置の把握を勘違いしていた。
左へ行けば良かったところを、逆に右に出て、行く予定が無かった桧洞丸へ登ってしまったのだ。
霧煙る山頂には、さすがこの時間、誰もいない。すぐに登ってきた道を引き返す。
板の階段を降り、詰めた場所を確認しながら下ると、ほんの100Mでつつじ新道分岐、これで位置確認がようやく出来た。
なんと、1500Mを越えたところまで、登ってしまっていたのだった。
往復、30分ロスしてしまったが、なんとか、明るいうちには、林道まで降りられそうな目処もついた。
すれ違った、彼らは、一番ポピュラーなつつじ新道を下っていたのだった、ああおそまつ。
霧も雨も一向に上がらない。右足のかかとは痛いし、ゆっくり降りるしきゃない。
石棚山分岐にも通行止めの看板が掲げてあった。弥七沢遡行のときゲートの施錠は確認しているので、問題にしない。
この道は、石ザレの急坂なのでとても歩きにくい。ゆっくり、滑らないようにしながら、下っていく。
植林の中は、とても暗い、足元を確認しながら降りる。急坂も終わり、大正の森の分岐まで降りてきた。
やっと、これで先が見え、一安心、林道までゆっくり下る。
滑る石には気をつけていたのだが、最後の石畳上でスーと滑り、すってんころりん。
何も無かったが、坂で滑らず、平地で転ぶとは・・・。
車の入らない林道の下りも良く滑る、転ばないよう、注意しながら、どんどん歩く。
夕闇が迫ってきた、途中、水を1本補給し、ゲートを出る。
ゲートは、上から乗り越える人間がいるのだろうか、きっちり閉めると、かなり動きがかたくなる。
施錠してないんだから、きちんと明ければいいのにね・・・。
玄倉林道ゲート前に止めてある車に着く頃は、すっかり、暗くなっていた。
それでも、ヘッデンのお世話にはならずに済んだことは良かった。
何処かの沢をやった人達だろうか、着替えて帰るところであり、これから泊まるであろう単独者が、携帯用発電機を掛けているところだった。ああ、今日は予定外で疲れた。
翌日、何処を歩いたのか、地形図で確認してみると、歩いたルートが判った。
経角沢の沢形態を詰めると、そのまま、桧洞丸直下に出ることが判った。
忠実に詰めた結果が、つつじ新道分岐の上に出たのであって、中ノ沢乗越に出る道は、もっと下のところで、西方向へ進めば、ほんの30M位で出られるようだ。
霧が深かったこともあるが、しっかり見逃してしまった。
何れまた、中ノ沢乗越から経角沢へ降りる道を探る課題は残ったが、長い経角沢を最後まで詰めたという答えはわかったので、一つの目的はクリヤ出来たと思う。
反省は、今回も、もう1時間早く家を出ていれば、ということでした。

車――尾根登山道――桧洞丸山頂――車

7:30  14:20   14:40   18:40

 

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