奥多摩・払沢の滝上部


払沢の滝の上段と瀬戸沢。
払沢の滝は4段60M、と言われているが、通常は最下段26Mの滝しか見えない。 いつか、上段部を見てやろうと思っていたが、やっと実現した。
観光客がいる、休日や昼間は登りにくいし、落石の心配がある。 探査するなら、平日の早朝、それも誰もいないときだ。
天候もいい火曜日に、久しぶりの奥多摩を訪ねた。
予想通り、駐車場には、観光客の車は止まっていない。 早速仕度をし、滝下まで急ぐ。
滝下にも人影がなく、バッチグーだ。
さて、何処から巻けるのだろうか、周りを眺めてみる。
左の崖ルンゼを少し登って見たが、上に行くにつれ、だんだん急になり、 上を眺めても、滝上部へのルートが見つからない。

上部全体が、岩に覆われていて、真っ直ぐ巻いて抜けるようなルートもなし。 しかたがないので、一旦下る。
滝の右の方はどうか。木に覆われているが、こっちもかなり急だ。 急だが、なんとか登れそうだったため、取り付いて見る。
少し登ると、だんだん上部がきつくなる。 滝のすぐ右側に小尾根があったので、早めに、少し左に寄り、その小尾根 に逃げた。
ここからの、1段目滝の眺めがすばらしい。
滝のすぐ右横は深く切れているため、ここから滝へは近づけない。
小尾根の上部を眺めて見ると、なんとか木伝いに登って行けそうだ。
少し登ると、上が崖で詰まる。 その下を、巻きながら、滝に近づくと、落ち口が見えた。
ロープを出せば、簡単に降りられそうだったので、木に引っ掛け、二段目の滝壺へ降りた。
滝壺の中の手前にある石が苔むし、庭園のような雰囲気のところだ。 大きな魚が走って、深い滝壺に消えた。
二段目の滝は、落差15Mくらい、これもいい感じだ。 左右登れそうなルートはない。
右岸を見ると、ここまで登ってくるような道はなく、左岸が正解だったようだ。

1段目の落ち口は小さく、割合に平坦、下が良く見える。
滝壺の水位が、もう5CMも上がると、右側からも水が落ちそうだ。 そうなれば、かなり幅広の払沢の滝になるだろう。
さて、三段目に行くにはどうするか?。
少し戻り、上部の岩の立ち木を利用しながら、直上する。
あまり、上に登らないで、二段目の滝落ち口くらいの高さまで上がると、 また、崖下を巻くような道がある。
滝に近づくと、バッチシ、落ち口に出、三段目の滝壺に降りられる。
ここも二段目同様、苔の多い綺麗なところだ。 ここの滝壺も深い。
この滝は、落差12Mほどの直瀑だ。 ここも、左右登れそうなルートはない。
また、少し戻り、同じ高さくらい登る。 また、また、上部が崖、下を巻くような道がある。
しかし、一箇所、足場が狭く、落ちると下の滝まで落ちそうだったので、 安全をきし、投げ縄で上の木に引っ掛け、ロープを補助に崖下を通過。 四段目の滝壺に降りる。

ロープは、先に進めないときを考え、そのまま残置しておいた。
ここも大きな滝壺がある。 しかし、この滝は2Mほどのため、すぐ右を簡単に登れそうだ。
結局、危険なところは一箇所のみ、あとは、ロープなしで登れそうだった。
4段目を越えると、明るく開け、平流になる。
登りきってしまったため、今登ってきたルートを下る気持ちにはならない。
4段目の上に釣り竿が捨ててあったので、ここまでは、釣り人が入ってくるのだろう。
このまま、瀬戸沢を遡行して見ようと思い、靴を履き替える。 沢足袋を持ってきてて良かった。
ここからは、滝のない平凡な流れながら、結構苔が美しく、多少の滑もあり、 あまりたいくつしない。
地図を持っていないので、何処から、右の林道に逃げられるのかが問題だが。 とりあえず、たんたんと沢を辿る。
3M、2M、1Mと続く、小さなゴルジュを通過。
途中、綺麗な苔で覆われた、3Mの滝が出てくる。 右壁の崖は見事なグリーンで覆われていた。

足の置き場に注意しなければ、ならないほどだ。
さて、こんな人里近い沢だから、いつかは仕事道にぶつかるだろう、と 考えながら歩いていたが、思っていた通り、木の橋が見えてきた。
水も大分少なくなってきてはいたが、まだまだ、しっかりした流れだ。
橋の先にも、ミニゴルジュが見える。 3Mの滑滝が二つ続くところを見終え、橋まで戻る。
この仕事道は、あまり歩かれた形跡がなく、草や蜘蛛の巣がうるさい。
少し登ると、道は二つに分かれる。 しっかりした方だと思われる、左の道を登る。
ジグザグに植林帯を登って行くと、しっかりした、山道に出た。
どちらに行こうか迷ったが、右のやや下りそうな道を選び歩いて行く。
少し山裾を歩くと、道は直角に北方向に曲がる。 さらに歩いて行くと、林道の石垣が見えてきた。
バッチ正解でした。少し林道と平行に下を歩き、やがて林道に上がる道になる。
林道から100Mくらい下ると、人が住んでいるのかどうか判らないような民家が出てくる。
さらに100Mほど下ると、時坂峠からきた“ふれあいの道”が林道を横切っていた。

この民家の間を縫う登山道を利用しながら、駐車場に戻った。
時間が早かったため、花に群れる蝶を撮ったり、駐車場にある、桧原村の滝の看板を眺めてたりしていたら、まだ行ったことのない滝があったため、 近場の二つの滝を目指す。 最初に“えぼしの滝”を見に行く。
大体の場所を地図で確認し、頭に入れながら、笹野地区まで行く。
滝への入り口が良くわからず、適当にみやげ物屋さん横の道から南秋川方向へ。 歩いて行くと、川に降りる道があった。
すると、すぐ正面に、細い流れながら、二段に落ちる滝が対岸に見られる。
川を渡り、下の5Mを登ると、二段目の前に山道があり、“いろはの滝”という看板があった。 上を見ると、もう一段あり、計三段の滝だった。
さてー、“えぼしの滝はどこー?”と、山道を少し歩いて見たが、滝への道や流れもみつからない。
あきらめ、吊橋を渡り、民家のおばさんに聞いて見たが、「あの滝がえぼしの滝じゃないの」、と言われてしまった。
みやげ物屋さんに人はいないため、横のキャンプ場に同じ滝の一覧が掲げてあったので、デジカメの写真と比べてみたが、同定できない。 まあいいか、次に行こう。
次は戻って、白倉バス停近くにあるという、不動滝。
バス停横の、店の主人に聞くと、「すぐそこ、道路から見えますよ」、とのこと。
50Mくらい歩くと、対岸に滝の姿が見えた。 あとは北秋川に降りる道を見つけるだけ。
民家の脇から、降りる道があり、すぐ川に降りられる。
浅瀬を渡り、滝の前まで行く、落差は7Mくらいの、かわいい滝でした。
今日はこれでおしまい、薄日が漏れる、暖かい一日でした。

 駐車場――払沢の滝上――木橋――林道――駐車場

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