百間滝、鹿の瀬滝、千畳の滝


26年9月19日(金)〜20(土)くもり時々晴れ。
連休の後半に行こうと思っていたが、現地の天気予報が悪い。
急遽、前半の金、土に前倒し、木曜日の深夜出かけることにした。
予定する滝は、夏に間違って行けなかった百間滝、鹿の瀬滝、千畳の滝だ。
初めて走る圏央道、圏央厚木インターを0時3分に入る。
中央道を談合坂PAまで走り、車中泊準備をし眠りについた。
早朝目覚めると月が見える。しかし空は、7割が雲で、はっきりとした境を持って晴れ間があった。
早めに出発しないと、今日の予定の2箇所には行けないので、パンを腹にいれPAを出る。
天気が良ければ白峰三山がよく見えるのだが、北岳等は雲の中、甲斐駒だけが朝日に当たり、三角形の素晴らしい姿を見せてくれた。
秋の空は空気が澄んでいて、遠くまでよく見える。晴れ間がだんだん広がってきている。
茅野の手前からは、槍と穂高がくっきりと見えた。高速を走っているときに、北アルプスを見るのは初めてだ。
諏訪PAでトイレ休憩し、一路伊那インターまで走る。平日のため、高速は空いていて、気持ちよく走れた。
伊那からは、一度走ったことのある権兵衛道路を行く。
ここの道路も気持ちよく走れる、朝日を浴びながら、コスモスが咲く街道をまっしぐら。
国道19号線に入り、8月に敗退した、百間滝を目指す。
国道から糸瀬山登山道と書いてある林道へ左折、見覚えある道を行く。
松淵沢にかかる二つめの橋まで走り、右岸にあるという百間滝入口を探す。
橋の手前50Mくらいの所に”ポイすて禁止”の看板がある林道があった。間違いない、ここが百間滝への入口だ。
幅の広いところの路肩に車を止め、沢靴も持って歩いて行く。
この林道はおそらく、堰堤工事用に作られた道路だろう。すぐに道は荒れ、山道になっていく。

橋の上の堰堤は別にして、全部で4個の堰堤を右岸から巻いて登る。
作業道路はここまであったはずだが、落石等で、踏み跡程度の巻道でした。
最後の堰堤の上にでると百間滝の姿が見えてきた。
入口からここまで1時間程度、沢靴は必要なかった。
それほど難しいところはなく、注意して歩けば道は問題なかった。
思っていたほど時間もかからず、割合簡単に到達できた。
前回の敗退から2週間、念願の滝前に立つことが出来た。
2段になって落ちる、素晴らしい滝の姿が目の前にある。
薄日が射すが、やや曇りがちになってきたため、写真撮影にも好都合。
小1時間ほど滞在し、撮影に没頭した。さぁー、早く戻って、次の鹿の瀬滝を目指そう。
国道に出て、須原駅前まで行き、前回買った酒屋に寄り、どぶろく風にごり酒を2本仕入れる。
前回の無名沢に名前はあるのか、国道を走りながら確認すると、境の沢という銘板がついていた。
国道を外れるとコンビニがあまりないため、早めに明日の朝までの食料と酒をセブンで買い、ナビで示す鹿の瀬温泉まで走る。
やはり、早めに買っておいて良かった、途中コンビニは皆無でした。
鹿の瀬温泉につき、地形図を見て、再度詳細位置をナビに入れる。
ちょっと戻って、舗装された林道に入る、1KMほど走ったところで車を止める。1台車が止まっていた。
これからは、地形図がたより、真っ直ぐ続く林道の名残り的な山道に入る。
道はすぐに熊笹で覆われ足元もよく見えず、かき分けながら進む。
やがて水音が聞こえ、沢にでる。この沢を辿って行けば上流にある鹿の瀬滝へ着けるはずだ。
右岸にかすかな踏み跡があるが、それもすぐに消え、熊笹繁る沢沿いになる。
笹をかき分けるのは面倒くさいので、沢に降り、靴を履き替えて沢沿いを進む。
途中に取水堰が出てくる。沢は滝もなく進めるが、あまり歩きやすくはない。
木々の間から滝のような白い流れが見えてきた。
周囲はだんだん壁のような断崖が近づいてくる。
滝近くになると、少し歩きにくい、腐った木に乗り足を踏みはずことが多くなる。
一歩一歩注意しながら登ると、眼前に優美な姿の鹿の瀬滝がお目見えした。ここまで1時間ほどかかりました。
落差は20Mくらいでそれほど高くはないが、落ちる姿は上部下部とも美しい。
上部は数条に分かれて落ちる直瀑、下部は細かく段々になって落ちている。
30分ほど撮影時間を費やし、滝と別れた。
帰りは、なるべく水に入らず、右岸の藪をかき分けながら降りてきた。

これで今日の予定はすべて終了、ナビに濁河温泉をセットし、車を走らせる。
明るいうちに濁河温泉へ到着することが出来た。
一旦、市営露天風呂まで行ったが、明日もあることだし、温泉に入らず、以前建設中だった林道を下見する。
青少年の家はスポーツセンターに変わり、その前から舗装された林道が伸びている。
ゲートはないので、どこまで行けるか走ってみる。
工事中だった橋は、立派な橋になり、さらに1KMほど走ったところで、頑丈なゲートが出てきて、車はここまで。
入口から2.3KMほど入れた。ここまで入れれば楽勝だ。
戻って、誰もいない広い市営駐車場に車を止める。ここが今宵の宿。
まだ、外は明るい。寝場所をセットし、まずは酒を飲み出す。
少し暗くなってきたところ、酒の勢いをかりて、寝袋に収まる。
夜中、目を覚ます。だいたい、いつも早く寝ると12時くらいの目覚めなんで、今日もそんなもんだろうと思い時計を見ると12時20分でした。
窓越しに星の灯りのような光がみえる。気温は7度くらい、外にでると寒い。
もう、あまり熟睡出来ない、いつものように”ラジオ深夜便”を聞きながら、うつらうつら、朝まで過ごした。
ちあきなおみと松尾和子の歌を聞き、次の時間帯の対談式インタビューをなんとわなしに聞いていた。
このインタビューは、いつも期待しないのにそれとはなしに聞いていると、すばらしい話しが出てくる。
5時すぎ、明るくなってきたので、朝食にし、早めの出発に備える。
ナビの終点から推測すると、ゲートから500Mくらい歩けば、林道分岐に出そうだ。地形図にプロットする。
この、いいかげんな、推理が間違いのもと、以後、林道を往復1時間半ほど余分に歩くことになる。
6時すぎ、ゲート近くに駐車、空は薄曇り、冷えて、気温は低い。
ゲート横を抜けるとすぐに左に分ける小さな林道ゲートをみる。
舗装された道路先に続く林道に比べ、あまりにちんけな道に見えたため、ここは地図にない林道だろう、と勝手に解釈し先へ進む。
正面に丹精な山並がみえる(後日確認すると白山)あまり方向を確認せず進む。
林道は下って行く、10分も歩けば林道分岐にでるだろう、と思っていたがなかなか現れない。
おかしいと思った時は、すでに歩きはじめて45分たっていた。

地形図を取り出し、林道の方角を確かめてみる。
道は南へ向かっていく、ここで間違いに気づいた。
あの、ゲート先にあった、ゲートのある林道が、真ノ沢への林道だった。
舗装された林道は、丁度、ヘアピンカーブの頭の所にぶつかっていたのだ。
また、45分歩き、真ノ沢への林道まで戻った。
勝手に地形図上の間違った位置へ書いてしまったのが失敗のもと、もっとナビで正確な距離を確かめれば良かった。
余分な歩きが1時間半ほど、少々疲れたが、真ノ沢への林道へ入っていく。
歩けば、これも立派な林道、ゲートさえなければ、普通車の走行は全然問題なく、普通にすれ違える林道が続く。
最初は少し登りぎみ、沢に近づくにつれ下りぎみになる、おおむね等高線に沿った平坦な道路。
ゲートから35分ほど歩くと真ノ沢に架かる真俣橋にでる。こんなに近かったんだ、あっけない。ここで沢靴に履き替える。
左岸から入るが、腐った倒木で歩きにくい、早めに沢へでる。沢の流れは緩やか、あまり深いところはない。
浅瀬を選びながら歩いて行くと、ピンクのテープが目立つようになってきた。
正面に支流を見ると、本流は左に曲がる。
小滝を越えると、だんだん溶岩で出来た滑が続く沢になり、感じがいい。
すぐに幅広、苔の美しい6Mの滝が出てくる。ここは簡単に右から巻き、上に降りる。
次に出てくるのは倒木がかかる20M位の滝、倒木がなければ、ここも苔の美しいいい滝だ。
ここは、ピンクテープが楽に巻く道を教えてくれている。
右に滝のかかる支流を見て、これまた綺麗な2段30Mの滝が出てくる。
次々にだんだん大きくなる滝がお目見えし、撮影に枚挙がない。
ここまでの歩きは短く、滝も次から次と出てくるが、沢の歩きは楽だ。
さぁー、本命の千畳の滝は何処だ、上を眺めても見えてこない。
どーも、この30M滝を大高巻きしないと行けないようだ。
テープが巻道を示している。50Mほど左から大高巻き、30M滝上に続く右岸の岩を越えて行く。
乗っ越すと、正面にさらに優美な目指す千畳の滝が見えてきた。
30M滝のすぐ上の右側に続いているんだが、下からみえる位置にない。
高巻き道もしっかりしていて危険もない、この高巻きだけが、唯一、ちょっと登ったなあ、という感じでした。
滝の前には千畳の滝と書かれた、立派な看板があった。
さぁー、しばし、右から、左からと撮影タイム、倒木もなく、美しい50Mの滝を落としている。
落口上が平らに見えるほどで、上の流れはどうなっているんだろうか、不思議だ。
地形図上でも混み合った線はここまでだ、周囲は岸壁で囲まれている。
板状摂理と言うんらしいが、優美な滝だ。沢歩きだけだったら1時間ほどで到達できる。
立派な林道が出来たおかげで、ようやく、ツアー以外で簡単に行けるようになった。
帰りに支流の滝を眺めて見ると、これも2段の50Mくらいある立派な滝でした。
さぁー、露天風呂に入り、汗を流して帰ろう。
1時を過ぎていたため、手前の旅館でも日帰り入浴出来たが、市営の素朴な露天風呂に浸かる。
土曜日なのに誰もいない、しばらくは一人でゆったりと温泉に浸かっていた。
別の客が入ってきた所で風呂をでる。さぁー、あとは帰るだけだ。
天候に恵まれ、予定通り、目的の滝が見られた。
行きと同様、伊那インターから高速に入り、休日割引を使いながら帰宅した。
高速は小仏トンネル手前で少し流れが悪かったが、渋滞というほどもなく、無事、圏央厚木まで走れた。
一週間後、御嶽山が噴火、御嶽山からの距離は5Kほど、しばらくは火山灰の影響で綺麗な滝姿は見られないかもしれない。

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