奥多摩・入川谷の滝
3月23日(日)曇り時々晴れ。
土曜日はあまりに寒かった、日曜日に入川谷へ。
まだ奥深い沢には、雪があるだろうし、氷もあるかもしれない。
ここは前に布滝まで行ったことがあるが、その先本流に速滝という、すばらしい滝があるらしい、それに
比較的、標高が低いところなので、楽に行けるんじゃないかと思う。
昨日に比べると、大分暖かい朝だ。
古里のセブンでおにぎりとビール(遡行終了後の一杯)を買って、入川谷の林道に入る。
林道終点の広河原に車を止め、歩き出す。
今日のルートで、最後に車まで戻るのに、鳩の巣へ下る登山道から、直接沢へ降りてこようと思っているので、
右岸の植林帯や傾斜を気にしながら、この辺だったら、降りて来れるなあ、とチェックしながら、沢沿いを歩く。
途中、釣り人二人が、キャンプをし、朝の焚き火をしていた。
ちらっと軽く、あいさつして通り過ぎる。
ほとんど平坦な沢を進み、順調に布滝が見える布滝沢出会いに40分ほどで到着。
さあ、これからは未知の世界だ。
山の上を見上げると、昨日の雨が上部では雪になったらしく、うっすらと雪化粧してるのが見える。
雨と雪の境界線はどのへんなのか心配だが、雨量も少なかったのでそんなに心配なかろう。
小滝とミニゴルジュを過ぎると、仕事道が横切る。
沢は明るくなり、開ける。
しばらくして、またミニゴルジュがあり、それを抜けると、F1・外道の滝が現われる。
深い釜をたたえた垂直の8Mの滝だ。
すぐ上には堰堤が見える。
左に古いロープが垂れてるが、ここは右から巻き、堰堤の上に出る。
しばらく進むと沢は二俣に出会う。
右の方が水量は多い(1:3)ので右を登る。
やがて、F1と同様なF2・10Mの滝が出てくる。
この滝も直瀑でとてもきれいだ。
円く岩に囲まれたところに深い釜をたたえ、空中を飛んでいる。
ここは左から巻いて登る。
またしばらく行くと二俣になる、右が水量が多いので本流だろう。
少し登ると上の木の間から、天から落ちてくるような滝が出てきた。
これが速滝か、今までの滝とは比べ物にならないようなすばらしい滝だ。
F3・10Mの滝(実際は12Mくらいあるだろう)を前衛に従えて、その上に20Mの直瀑で落ちてきている。
どうやって滝壷までいけるのか。
遡行図を見ると左から巻くとある。
左のガレを少し登り、トラバースぎみに巻いていくと、F2の落ち口、速滝の正面に出られた。
一部、巻く道の角が切り立っていて怖いところがあるが、慎重に足場と掴む岩をとらえていけば問題はない。
上からF3を覗きこむとかなりの高度感があってこわい。
しばらく、速滝を眺めては写真を撮ってすごす。
この速滝の巻きも左からとあるが、左の岩は木が少なくかなり立っていて、ちょっと考えさせられる。
左のガレた沢からだとかなりの高巻きになり、右側の岩を越せるかどうかわからない。
たぶん、左の岩を登っていけるんじゃないかと思って少し登ってみる。
ちょっと登るとスラブ風の傾斜の強い岩の下に出る。
古いロープがあったが、引っ張ると切れており、手元まで落ちてきた。
先が腐って、切れている。
あとで調べると、このロープは2年前まで使われていたらしい。
ここを登らないと行けそうもないので、慎重に小さな割れ目の溝に足場を探しながら、一歩一歩、ロープが巻いてあった木のところまで上がった。
上から下を見ると、かなり傾斜があり怖い。
登るにはいいが、下るには完全にロープが必要だ。
これから先は立ち木を利用しながら、速滝の落ち口へ向かう。
ザレて傾斜がきつく、下の木までの間隔があるところはロープを出し、慎重に降りる。
ここを越えると速滝のすぐ上に出た。
結局、ここが一番の山場、ここを越えれば問題なし。
上から覗いて見ると5Mくらいの急な滑から一気に滝壷めがけて落ちていた、かなりの高度感だ。
上を見ると先に植林帯があるが、あそこまで巻くと登り、下りが大変だろう。
この上で、ビニール袋に入り、最近落としたらしい遡行図と2.5万分の1の地図を拾った、赤ボールペンも入っている。
遡行図は持っているのと同じ(奥多摩の沢のコピー)だった。
しばらく登ると二俣になる。
心持ち右の沢の水量の方が多そうだ。
両沢とも簡単な滝をかけて出会っている。
右に連瀑で、3M、5Mの滝と続いている。
左は簡単な滝と山葵田が続いている。
水量の少なくなった左に進み、沢沿いに登る。
水量の少ない、10M滝、10Mの滑滝、簡単な5M滝を越えると、右に上がる仕事道が出てくる。
登山道のような道だ。
ジグザグに登って行くと、この前降った雪が出てくる。
しかし、気温が高く、踏みこめる雪なので、それほど大変ではない。
仕事道は、途中幾つか分かれるところがあるが、忠実に尾根を詰めて登っていくような道を選んで登っていく。
いいかげん、やになってきたころ、登山道に飛び出た。
でたところは、NO43の巣箱と木に白テープが巻いてあるところ。
時間と体調がゆるせば、川苔山まで行って見ようと思っていたが、疲れたのでやめた。
時は丁度12時、登山道脇で、遡行完了を祝し、ビールをのみ、おにぎりを食べる。
一人下って行く登山者がいたので、ここはどのへんか聞こうと思ったが、あいさつもなく、すたこら下って行ってしまった。
大休止のあと、下り始めると、丁度休んでいたグループがいたので、今の位置を聞くと”船井戸から少し下ったとこらへんらしい”。
あとは楽な登山道を下って行くだけだ。
少し、凍った道があるが、そこは脇に逃げながら降りる。
非常に楽な登山道で広い。
途中、2箇所、沢方向の峰部落跡への朽ちた案内がある。
ひょっとして沢に降られる道で、”峰部落てなんだ?”と思いながら、大根ノ山の神に着いた。
遠くに砕石場とダンプの音が聞こえてくる。
少し植林帯に入ったところ、ピリッと、突然、持病のような太もものけいれんがきた。
しばし、痛みをこらえ、マッサージしながら、耐える。
5分ほど休んでから、植林帯を降り始めた。
急なところはロープを使いながら降りていく。
30分ほど降りたろうか、沢音が近くなった。
すると、下に、止めた車が見えてきたではないか。
どんぴしゃりだ、丁度広河原に降りてこれたのだ。
これほどぴたりと決まると、非常に感激。
時間は早く、川苔山にも行けたなあと思ったが、けいれんもあり、丁度いいところだった。
あとで調べたところ、沢近くに、昔峰部落があった廃屋があり、道は布滝沢出会い近くに降りられるそうだ。
車――布滝沢出会――F1――F2――速滝――遡行終了点――登山道――山の神――車
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