丹沢・伊勢沢、左俣の右沢


5月6日(水)快晴。
去年から今年の春にはと考えていた企画。
何処で神奈川の滝1000を迎えようか。
伊勢沢の左俣の右沢には確実に2〜3滝はありそう。
春のゴールデンウイークには決めたいと思っていた。
昼間の時間が長くないと伊勢沢の遡行は出来ない。
すり減った沢足袋もいつ捨てようかと思いつつ、なかなか捨てきれないしなあ。
長い遡行もこれでお終いかと思いつつ、これで終了にしようかな、となかなか踏ん切りがつかない。
確実に晴れると決めた6日決行することにした。神ノ川は久しぶりだなあ。
今日は長丁場になる、早めに現地に着かなくちゃ。
連休の最後の日だからそんなに混んでいないだろう。神ノ川トイレ前に6時20分ころに着く。
さすがに連休、手前の駐車場には3台止まっていたがトイレ前は1台だけ。
林道ゲートがオープンになっている。帰りには閉まっていた、なんて思うとさすがに入る気がしなくて、トイレ前の道路に止め出発した。
右膝は90度くらい曲げると少し痛いし、腰にも違和感がある。
それでも時間をかけてゆっくり歩けば大丈夫だろう。
ゲートがオープンしている意味が林道を歩いて初めてわかった。

さらに驚いたのには、新しいゲートが孫右衛門の滝手前に出来ていた。その前に登山者らしきの車が3台止まっていた。
丹沢に行き始めて、手前のゲートが開きっぱなしになっていたのは初めて。
しかし、登山者にとっては、せいぜい往復30分程度の短縮にしかならないし、そうメリットはない。
孫右衛門の滝の水量はここ何日かの晴天にもかかわらず、まあまあの水量で落ちていた。
快晴の清々しい早朝、伊勢沢出会いまでのんびり歩く。
曲沢橋の先から神ノ川に降りる。100Mも沢沿いを歩けば伊勢沢の出会いだ。
ここでも水量の多さに驚く、2:3くらいの水量だ。
F1を見ると結構幅広全体に水の流れがある。ここは迷わず左岸の巻き道を使う。
F2もトラロープを引っ張り巻き、とりあえずカメラは出さない。
3の沢の滝が新緑を通して綺麗に見えたのでここで始めてカメラを出す。
間もなく、F3、大滝手前の滝。巻き道のガレも大分崩れ少々変わっていた。
鎖や残置のザイルを利用し少し濡れながら大滝下に出た。
日差しは丁度大滝上にある。まずは動画撮影を試み、大滝を撮影する。
落ち口から左にも少し流れがあり、やはり水量はそれなりに有りそうだ。
3月、4月に降った雨が保水され、地下水はまだまだ豊富のようだ。
十分写真を撮ってから大滝の巻きにはいる。
右のルンゼからトラロープをつかみ尾根を上がる、古い鎖をつかみ大滝落ち口上に出る。

落ち口での動画を撮影し、一升びんが転がる右岸を歩く。
幾つか滝を巻きながら歩いて行くと二俣に到着。
前回は右俣を詰め原小屋跡に出たが、今日は左俣に入る、水量比は1:1。
しばらくの間300Mくらいはゴーロで水の流れはあるが、やがて水は消え伏流になる。
それもつかの間、200Mも歩くと水音が聞こえ、水流も復活、右に門番のような2条6M滝が見えてくる。
ここで、昼食休憩、左から巻き越える。水はだんだん多くなり、冷たい、これは、湧水の流れだとわかる。
滑滝が続き、末広がり10Mの滝が出てくる。これが、神奈川1000滝めだ。
丹沢を歩き始めて約20年、神奈川県に1000以上の滝があるとは思っていなかったが、昨年の歩きから今年の春には達成できると思っていた。
丹沢を代表する伊勢沢で達成できたことは感無量。
これから先、ほとんど情報がない。もうほぼ限界が近づいてきた、丁度年齢も限界になってきたしなあ。
歩き始めて、500を越え、せいぜい7,800かなあと思いつつ歩いてきたが、1000滝を越える日がくるとは思っていなかった。
過去の滝では消えかけている滝もあるが、滝も生きており、時代とともに変わる。
少しでも情報があれば、希望を持ちつつ、探して行こう。
滑滝の上には簾状5M滝があり、3M滝が2段に続いて二俣になる。
右は20Mでカール状の下に消え、左は30M先で同様に湧水となって消えて行く。

あれほどあった水量がうそのように消えて行く、これが伊勢沢源頭の特徴だ。
最後の二俣尾根を10分も登ると穏やかな広い尾根上に出る。
すぐに登山道に出ると思っていたが、なかなかみつからない。
おかしいな、登山道は右か、左かどっちかなあ。
以前歩いた右俣の原小屋跡は50Mも上がれば登山道だった。
それが頭にあったので、登山道が見えないのは不思議だ、今日は地形図を持っていないしな。
ちょっと考えてしまった、尾根を右に出れば原小屋跡に出ると思い、だだ広い尾根を少し下ってみたがおかしい。
尾根の反対側は登山道どころか、沢に向かって落ちている。
蛭が岳が正面に見えた。とりあえず、頭の整理を考え、ひと休憩、靴の履き替えをし、コンパスで方位を確認する。
なんと、反対方向に歩いていた。もう一度だだ広い尾根を東方向へ登る。
少し歩くと登山道に飛び出た。やっと一安心。
さて、ここはどの辺か、多分原小屋平と姫次の間なんだろうなとは思う。
今ひとつ核心が持てず、左方向に進むと、なんとなく姫次の地形が先に見え、後ろに蛭が岳が見えていたので、やっと方向が分かった。
姫次到着14時5分、尾根で20分くらいロスした。
帰ってから地形図を見ると、右俣と左俣の間には、緩やかで広い尾根が続いている、登山道から近い水場は原小屋平だけでした。
あとは急な下降をゆっくり下るだけだ。少し霞んだ富士山を眺めながら大休止。
タイムリミットを6時と考えて、膝を痛めないよう、疲れた足を考え、ゆっくり下る。
姫次では2パーティーに会ったのみ、下りの登山道ではすれ違う登山者もなし。
ゆっくりゆっくり時間をかけながら、標高差900Mを下る、最後に橋から登る階段がこんなにもあったかとしんどい。
5時40分、やっと林道上に出た。孫右衛門の湧水まで行き美味しい水で生き返る、林道を歩き6時ジャストに車に到着。
ちょっとミスった時間もあったが、ぎりぎりにタイムリミットの6時着、今日も疲れたなあ。

車―――大滝――二俣――尾根―――姫次――車

6:25  9:20  11:00  13:15  14:05  18:00

 

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