高通山と仁科川の滝


平成21年12月29日(火)くもりのち晴。
今年最後の山は、伊豆にある高通山。
標高519Mとあまり高くないが、海越しに見る富士山、360度の眺め、やや遠いが、ぜひ登ってみたい山だ。
地図を見ると、行く途中に、興味深い滝もある。
冬晴れが条件だが、29日の予報は1日晴れ、条件は揃った、行くしかないのだ。
ところが、朝目覚めると、空一面の曇り、一体どうなっているんだ。晴れあがるのを祈りつつ、早朝暗いうちに家を出る。
車の中で聞く天気予報は、くもり時々晴れに変わってしまっていた。
熱海、伊東を経由して、冷川峠を越える。明るくなってきたが、くもり空は変わらない。
冬なのに、いったいどうなってるんだと恨みつつ、車を走らせる。
国道136号線を南へ走り、湯ヶ島温泉から県道59号線に入る。
この道は狭い道とくねくねした曲がりが多く走りにくい。
よそみをしながら走っていたら、突然目の前にバスがいてびっくり、あわててブレーキを踏む。
山の上の風は冷たい、西の海が見えてきたが、富士山は拝めそうもない。
早めに山へと思っていたが、予定を変更、先に滝見に変える。
59号線は丁度仁科川を囲むようにあり、支流を幾つか横断しながら下っていく道だ。
途中の集落で道路沿いにあった地図を眺めて、道を確認する。
特段案内もないが、大滝ランドに至る林道に入る。
一旦廃墟となった大滝ランドに降りて見たが、大滝に続く林道はなし、行き止りだ。
もう一度上の林道に戻り、そのまま真っ直ぐ進んでみる。
コンクリートで補修された道は、支流を渡り、本流の左岸沿いに延びている。

しばらく走ると、大滝歩道とかかれた標識があり、数台の駐車スペースがあった。
車を止め、整備された道を下る。橋を渡ると目の前に滝があった。
なんともあっけない、5分もかからず、滝の前に出た。
落差は25Mくらいか、仁科川の大滝である。しばらく左右いろんな角度で写真を撮ってみた。
以前は、大滝ランドから右岸を歩く道しかなかったらしい。
林道に戻り、奥に続く道を歩いて行く。右岸に移り、二股になるところまできた。
倒れていた道標に三階滝歩道とかかれている。橋を渡り右俣に入ると沢はすぐにまた分かれる。
水量のある右の沢に入ると、5Mの滝上に、すばらしい滝が現れた。
この滝は、三方滝と呼ばれる滝らしい。大滝と同じくらいの落差があるが、姿、形はこっちの方が見栄えがする。
滑る足元に注意しながら、左岸に渡り、滝の姿を堪能する。
まだまだ上流には滝があるらしいが、今日はこの2滝にとどめ、車まで戻る。
大滝から三方滝までは15分程度しかかからなかった。
運動靴で歩け、短時間で深山の滝を味わえる、魅力的な場所でもあった。
空を見上げつつも、なかなか雲はとれない。車に戻り、西海岸の国道136号線に出る。
松崎町で弁当を買い、雲見までゆっくり走る。景色のいいところで早い昼食タイム。
空は雲が多く、富士山も見えない。登るかどうかは天気しだい、しばらく車の中で待機する。

1時間ほど、時間をつぶしていたところ、富士山の頭が見えてきた。
あわてて登る準備、広く整備された登山道を息をこらしながら、急いで登る。猿岩を過ぎるまで、展望はない。
若い女性の外人さん2名が上から降りてきた。
「コンニチワ」と挨拶してすれ違う、頂上でないのが残念だ。
汗をかきかき登ると、北側展望台に飛び出した。
すばらしい景色だ、雲見のひなびた漁村、烏帽子岩、駿河湾越に雪を被った富士山、伊豆の山々と茅との原からの広大な展望だ。
富士山は上しか見えないが、絵になる景色である。
ここからほんの5分で高通山の頂上になる。山頂からの景色もすばらしい。
北側が見えないだけで、270度の眺めだ。
石廊崎越しに、5つの島なみが続いて見えている、利島から神津島のようだ。
天候が晴れつつだったので、このまま日没まで、ここで時間をつぶすことにした。
雲がどんどんなくなってくる、1時間もすると快晴になってきた。
富士山の下方付近の雲はとれず、北側の景色はかわらない。風もなく、寒さは感じない。
時間があるので、頂上付近をあっちこっちと散策してみた。
結局、展望があるのは、北側展望台と山頂のみでした。
山頂は桜とつつじの木が多く、花の咲く季節はさぞやすばらしい景色になるだろう。
低山ながら、360度の眺め、富士山、伊豆諸島、太平洋、駿河湾ということはなし。
日没が近づいた。富士山方向は雲が多くなっている。水平線に沈む太陽を見届け、下山する。
小走りで転ぶのに注意しながら、登山口まで20分で降りた。
まずまずの眺めが得られたので、満足しながら、国道136号線をひた走り、熱函道路から熱海に抜け、 ゆっくり帰宅した。

登山口――北側展望台―高通山――――登山口

12:30  13:05  13:10(16:40)  17:00

 

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