奥秩父・釜ノ沢


6月21日(金)〜23(日)、22日は曇り時々晴れ、23日は霧雨。
初めての奥秩父、名渓といわれる、東沢・釜ノ沢に行ってきました。 私も行って見たかったところだし、千葉のKも行きたいと行っていて、丁度意見があったので、 釜ノ沢から甲武信ヶ岳に登ってきた。
21日(金)の夜出かけ、西沢入り口に着いたのは11時半頃。 国道から西沢入り口に右折すると、すぐにゲートにぶつかった。 あれー、こんなところにゲートがあったっけ、と思いながら、まわりをみると、 東沢山荘がある。 なんだ、もうついてしまったんだ、と建物をみて、思い出した。
たしか、昔西沢渓谷にきたときは、もっと山奥のようなきがしたんだが。 雁坂トンネルが出来、道の駅やら土産もの店やら、色々できてすっかり、雰囲気が変わった。
確か村営の駐車場があるはずだが、と探しながら、下に降りていくと、広い駐車場があり、2台止まっていた。
少し早めに着いたので、ビールを一本軽く飲み、車のシートを倒し、寝袋にくるまって仮眠する。 朝4時すぎには明るくなり、目を覚ます。
あまり寒くはなかったが、足を伸ばせなかったので、よく眠れなかった。 それども、少し眠れたので、今日の行動には、そんなに不安はない。 車から出てみると晴れており、鶏冠尾根がよく見える。
お湯を沸かし、お茶とインスタントラーメンを作って朝食にする。 梅雨の間の晴れ間で、非常に気持ちのいい朝だ。 ラジオの天気予報では、曇り時々晴れといっており、今時としてはとてもラッキー、申し分ない天気だ。
今日1日は、楽しい遡行になるだろう。 一台の車からは、4時半ころに出かけて行った。 我々も早めに仕度をし、5時50分に出発する。
まだだれもいない早朝なので、気持ちのいい歩きだ。 林道を少し歩き、戸渡新道への入り口を見送り、二俣の吊り橋を渡る。
吊り橋を渡ってすぐに、進入禁止と書かれた、東沢への入り口に着く。 ここからは、沢伝いの登山道を歩く。
しばらく歩いて行くと、踏み跡がわからなくなったので、そろそろ沢におりよう、といって下に降りていくと、 だいたいみんな、この辺で降りているような感じで足跡がある。
しばらくは、広い東沢のゴーロを歩いていく。 対岸になにやら、案内らしきものが見えるので、よく見ると、鶏冠谷登山道とかいてある。 どうやらここが鶏冠谷で、ここから鶏冠尾根に登れるらしい。
ここで少し休憩していると、後からきた若者二人がさっさと追いぬいていった。 彼らが丁度少し先の山道に入って行ったので、山の神へ行く左岸の道の入り口がわかった。 グッドなタイミングである。 彼らの足を見ていると、我々中年探偵団では追いつく事はないだろう。
われわれは、ゆっくりと沢沿いの山道をちんたら行く。 途中、丸太二本の壊れた橋があり、とてもわたれそうもないので、右下の沢から岩を少し攀じ登り、登山道に戻る。 ほらの貝のゴルジュ入り口を上から覗き、山の神をめざし歩く。 ここの登山道歩きが以外と長い。
やっと小さな祠のある、山の神に着き、これからの安全を一応願って、手を合わせておく。
沢に降りたところで休憩、壊れた橋が頭上に見える。 これは、西沢からの廃道の橋のようだ。 ここで渓流シューズに履き替え、遡行に入る。
しばらくゴーロを行くと、右岸に落ちる、乙女に滝に出会う。 水量が少ない滑滝で、50Mある感じがしない。 せいぜい30Mくらいだろう。
少し進むと、東のナメ沢の大きなナメ滝が出てくる。 この滝も水量はすくないが、幅広の、奥秩父独特のナメがとてもきれいだ。
しばらく行くと、少し水量のある、西のナメ滝が右岸に出てくる。 水の流れが雪輪の滝のように輪を作って流れており、美しいナメ滝だ。
しばらくは、少しナメのところや、両岸がうつくしい、スラブの壁になっているところやらあり、明るく楽しい遡行が続く。
釜の沢出会いは、事前にしらべておいたのですぐにわかったが、金山沢の方が本流に見える。
水量も金山沢のほうが多く、まっすぐに行っているので、本流で右から合わさる、釜ノ沢はわかりにくい。 ケルンが積んであるので、よくチェックしていけば、見逃すことはないだろう。
釜の沢に入ると、すぐに魚止めの滝・10Mが出てくる。 初めて出てくる滝らしい滝で、流れの水紋が美しい。 ここは左の立ち木を利用し、小さく巻くが、最初の木までの取り付きが少しいやらしい。 スラブの斜めの壁を少し攀じ登らないと、手が届かない。 上はきれいな滑滝だ。
さあ、その上からは、待望の千畳の滑が始まる。 どこを歩いてもいい、水のある舗装道路のようだ、陽光に光り輝き、とても気持ちいい歩きになる。 ゆっくりと写真をとりながら、奥秩父の滑を満喫する。
滑が終り、しばらく歩くと、5M・曲がり滝。 ここは右側から巻いて登る。
さあ、少し歩いて行くと、両門の滝についた。 丁度、先行パーティー3人組がザイルを出し、右を巻いて登っていくところだった。 ここで、少し早いが、お昼の大休憩にする。
滝壷の水は澄んでいて、緑いろに輝いている。 右俣、本流の滝は45度の滑滝だが、左俣の滝は70度くらいの美しい滑滝だ。 これまた、流れの水紋がきれいだ。
美しい眺めを堪能しながら、ゆっくり、昼飯のおにぎりをほうばる。 天気もいいし、満足じゃ、満足じゃ。・・・・・・・・・ さて、十分腹に入ったし、出発。 我々も、右から巻きぎみに登る。 最後の滝上に降りるところが、少し滑りそうで難しい。 ロープを出し、立ち木にかけて、滝上に降りる。
次に出てくるのは45度・ヤゲンの滝。 ここは右に出会う沢と、間の小尾根を小さく巻き、沢に降りる。
次は8Mくらいの滝。 この滝は滝らしい滝で、小さいながらきれいな滝だ。 ここは左を小さく巻く。
この上は広い河原状のごーろ帯になり、あれほどあった水も伏流になっていく。 30分くらい水のないところをあるくので、本流を歩いているのが少し不安になる。 やがて、再び水の流れが戻ってくるが、ゴーロは続く。
かなり、長い間ゴーロ帯を歩き、かなり疲れてきたころ、やっと40Mの滑滝が正面に見えてきた。 左側からゆっくりと巻いて登る。
これからは、結構急な滑地帯になり、一歩一歩の足取りが重くなり、チンタラチンタラ上っていく。
30M・滑滝を右側から巻き気味に登って行くと、左岸から十賊沢が同程度の水量で合流してくる。 十賊沢を横切り、踏み後がしっかりした巻き道を登っていくと、いわかがみの可憐な花が絨毯のように、尾根に咲いていた。 沢山咲いていて、非常にきれいなところだ。
下を見ると、歩いてきた沢がかなり急に見える。 再び沢に降り、少なくなってきた流れと、急でフリークッションがやっと効く滑を、ひたひた登って行く。 裏妙義の仏沢の滑と似ている、ひたすら、ゆっくりと、一歩一歩疲れた足をひっぱりながら登って行く。
やがて上のほうにポンプ小屋らしき姿が見えてきた。 見えていてもなかなかピッチが上がらない。
やっとポンプ小屋にたどりつくと、上から一人水をくみに降りてきた。 小屋までどのくらいか聞くと、下りで5分とのこと。 やっと一安心、道を間違えることがなかった。
ここで靴を履き替え、冷たくて、非常に美味しい水をいただいた。
あとは疲れた足をひきずりながら、ゆっくりと15分くらいかけて、甲武信小屋にやっと着いた。 着いた時間は3時5分すぎ、出発してから9時間15かかった。
小屋で宿泊の手続きをしてから、ビールで乾杯した。 天候にもめぐまれ、ほぼ予定どうりで登ってこれた。
遠くが見えるようであれば、甲武信ヶ岳山頂まで往復しようと思ったが、霧が出てきて、 とても見える雰囲気ではないので、今日はあきらめ、ゆっくり外で、ビールを飲みつづけた。
今日の宿泊者は100人ほど、ふとん一つに二人で寝るとのこと。 一番こむのは、石楠花の咲く週末らしいが、もう花はほとんどないらしい。 それにしても、甲武信ヶ岳は日本100名山に入っているので、中高年のひとであふれている、非常ににぎやかだ。
夕食は五時からで、山の食事の定番のカレー。 食事をして、早々に布団に入り、すぐ寝てしまった。
1時すぎ、熱くて目をさまし、それから夜明けまでは、うつらうつらしながら、明るくなるのを待った。 天気がよければ、ご来光を見に行こうと話していたが、晴れそうな気配がない。
朝食を食べてから、一応、頂上まで行ってこよう、ということになり、朝食まで布団にくるまっていたが、 みんな明るくなると起きだし、とても寝てはいられない。 早い人はもう出かけた。
一人「話しをするなら外でしろ」なぞとほざいていたが、明るくなれば、むりだろう。 朝の外は霧雨、天気予報もくもりで、昨日よりは悪いようだ。 北東気流が入っているので、気温も上がらず肌寒い(温度は9度)。
5時からの朝食を食べ、荷物を置いて頂上を往復。 山頂にはだれも居なくて、霧でなにも見えない。 山頂での記念写真のみ撮って、早々に山小屋に戻る。
釜の沢を遡行して、あわよくば富士山でも見えればと期待したが、そこまでできちゃうと、出来過ぎだ。 本来の目的の遡行は、天気もよく上々。 あとは早く降りて温泉でも入ろう。
頂上から降りてきたら、もう、ほとんど人は居なかった。 みんな早い、残っていたのは沢を降りるという若者たちだけだった。
我々も出発、十賊山を越え、戸渡新道尾根に入る。 石楠花の木が結構あるが、みんな花が落ちていて、なにもない。 かろうじて、木影に残っていた遅咲きのはなが、2,3個所あっただけだった。
ひたすら下り、徳ちゃん新道と近丸新道との分岐に着く。 ここまで、出会った登山者は2.3組、みんなどこにいったのだろう、まだ降りて帰るひとは少ないのか。
ヌク沢の橋のところで休憩、ここまで降りればもう急なところはないようだ。 あとは古いトロッコ道跡の登山道を歩き、西沢への林道にでた。 下りは約4時間で駐車場についた。
今日は日曜日のため、天気は小雨とよくないが、西沢渓谷へいく観光客が結構とおる。 まだ時間が早いので、ひとっ風呂浴びてからお昼にしようと話し、道の駅でトイレに寄り、土産を買い、 村営の笛吹きの湯に寄る。
ここは温泉なので気持ちいい。 結構入っており、今日は日曜のため、村民が井戸端会議のように入っているようだ。 風呂に入り、さっぱりしたところで、帰り途中でほうとうを食べ、高速に向かう。 中央高速を勝沼から乗り、相模湖インターでおり、Kと相模湖駅で分かれ、帰途についた。

 1日目

西沢駐車場――一鶏冠谷出会――山の神――釜ノ沢出会――千畳の滑――両門の滝――ポンプ小屋――甲武信小屋

5:50      6:50    8:40   9:55    10:15   10:50   14:40    15:05

  2日目

甲武信小屋――一甲武信ヶ岳山頂――甲武信小屋――――西沢駐車場

5:30      5:45      6:20       10:20

 

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