奥多摩・唐松谷
5月9日(金)曇りのち晴。
今日は巳ノ戸谷の大滝を見てから、唐松谷に行く予定だ。
まずは国道直下、入川谷・古里附の滝を見て行く。
こんなところにと思うところにこの古里附の滝はある。
下の町道の橋からよく見える。
下段の上部はコンクリートでかためられた堰堤、上段の左側にもコンクリートの壁がある。
もう少し自然体で残しておければすばらしいのだが、写真を見る限り、民家のすぐ横にあるように見えないでしょう。
新緑の季節を迎え、谷や尾根にはふっくらと黄緑色のベ−ルがかかったようだ。
遠くからはっきり見えていた谷筋もだんだんと見えにくくなってきたようだ。
この前、ちょいと気になった、日原の部落から見えていた滝があったので、ちょいと先に見に行く。
この滝が見えるところは、道路から登山道へ下る手前の、民家の駐車場から覗くと見える。
この谷は鷹ノ巣谷より一つ下流にあり、本によるとネズミサシ(杜松または鼠指)の沢らしい。
鷹ノ巣登山道から、日原川に降りる仕事道を辿ると、丁度滝の正面に出た。
水量はすくないが、2段・20Mくらいのいい滝だ。
上の道路から見える部分は上段のようだ。
駐車場に戻り、日原林道に入る。
この林道に入るのは初めてだ、どこまで行けるだろうか。
八丁橋で孫惣谷を分け、さらに奥に進む。
ゲートがあるところには”これより先危険通行禁止”とあったが、開いていたのでそのまま進む。
巳ノ戸谷の出会いを見逃さないように注意しながら進むと、深山幽谷のような谷のラインが見えてきた。
たぶんあれが目指す巳ノ戸谷だろう。
小さな切通しの道路脇に車を止め、降りる道を探す。
道路を少し歩いて見ると、ガレ場から降りられそうだ。
通常の降り口は、車を止めた切通しかららしいが、ガレの方が簡単そうだったので、ロープをつかって本流に降りた。
本流をひざ下くらいで渡渉していく。
すぐに薄暗い出会いにつく。
巳ノ戸谷に入り、2,3の小滝を越えて行く。
谷が右に曲がるところで爆音がしてきた。
巳ノ戸の大滝のおでましだ。
落差は15Mほど、きれいな直瀑である。
上流の遡行をしてみたい気もするが、いずれまたの機会にして、きょうはここで戻る。
降りたガレを林道まで登り、車に戻る。
再び日原林道を奥に進んで行く。
狭いところを抜けると、道は広がり、明るく開けた樹林帯を走行するようになる。
陽がさしてきて、気持ちいい林道走りになってきた。
途中、林道の工事をしていたが、問題なく通りすぎていける。
6.5KMの標識を過ぎると、すぐに、登山道の案内が出てきた。
道は広くなっているので、車は楽に止められる。
沢登りの仕度をして、富田新道を谷に向かって下っていく。
5分ほどで日原川にかかる吊り橋を渡る。
対岸にはマミ谷とこれから入渓する唐松谷がよく見える。
唐松谷は本流と同程度の豊富な水が流れ、出会いに4Mほどの滝をかけている。
滝の上から入渓する。
谷に入るとすぐに幅広・3Mの滝が出てくる。
ここは左の肩からすぐに巻ける。
快晴の青空と新緑の広葉樹がおりなす谷筋は、とても清清しい。
しばらくは明るいゴーロと大きな木がある谷を登って行く。
やがて、下段は直瀑、上段は滑滝の野陣の滝が出てくる。
滝自体は大きいのだが、全体がうまく見えるところがないので、あまりぱっとしない。
しばらく雲を待っていたが、なかなか雲が湧いてこないので、あきらめて登りにかかる。
この滝の下段左の壁にシュリンゲが垂れているのが見えるが、直登はあきらめ、左岸の巻き道を選ぶ。
しかし、この巻きが以外と悪い、きつい斜度のざれをトラバースするように滝上に行き、ロープを使って谷に降りる。
いっそ直上し、登山道まで登ってしまったほうがよい気がするが、どのへんに登山道があるか分からなかったので、早めに谷に戻った。
野陣の滝の上はまたゴーロと大きな木がおりなす世界が出てくる。
ここは大きな二つの滝以外は目だった滝もなく、奥多摩特有の渓谷美のある世界だ。
やがて2段に落ちる唐松の大滝が出てくる。
均整のとれた美しい滝でこの谷一番の大滝の名にふさわしい。
この周囲は明るく開けていて、とても雰囲気のいいところだ。
滝を眺めながらいただくビールの味も格別である。
新緑と大滝、燦燦と降り注ぐ陽光、心地言い気温と贅沢な世界だ。
この滝も直登は出きないので、左岸の広い斜面を登って行く。
そろそろ巻ける尾根かなと思っていたら、そこには登山道があった。
なんと、谷の100M上には、登山道が続いていたのだ。
ここからも木の間越しに大滝が見える。
ほんとうは、この先登山道が谷を横切るところで遡行をやめようとしていたのだが、ここで登山道にでてしまったので、ここで終了し、下山することにした。
やわらかい落ち葉のある歩きやすい道で、靴を履き替えることなく楽に歩ける。
登山道は谷の水音が聞こえる程度の上を平行しながら、下っていく。
あっというまに出会いの吊り橋まで戻れた。
帰りに、途中案内標識があった、”巨樹・名栗のとちの木”に寄ってみる。
道路から5分ほどにあり、下からもそれらしき木が見える。
直径が2Mくらいの巨樹で、丁度新緑の葉でおおわれきれいでした。
もう一つ、帰る途中にある、巨樹”倉沢の檜”を見て行く。
これは道路から急登すること15分で着いた。
この木はさきほどのくすより一段と根回りが大きい(直径3Mくらい)大木だ、
東京都の天然記念物になっているらしい。
今日はいつもと違って、巨樹を二つも見、楽しい一日でした。
古里附の滝―ネズミサシの滝――車――巳ノ戸の大滝――車――唐松谷出会――野陣の滝――大滝――終了点――車
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