カサギ沢


9月1日(土)、原小屋沢支流カサギ沢を再訪。
カサギ沢は本流と同程度の水量のある大きな支流の沢である。
前に来たのは3年前で、2万5千分1の地図を見て、岩記号が一杯あったため、出かけた記憶がある。
早戸川林道の舗装の切れるゲート前に、車を駐車しようと思ったら、広い部分が大石で仕切られ止める ことが出来ない。しかたがないので橋を渡った先に車を止める。 もう少し車で入れるのだが、私の車は車高が低いので、底を擦らない程度のところで止める。
橋の前後には4台ほど止まっていた。 なぜ石で仕切ったのか原辰ものだ。
かんぐると、下の丹沢観光センターの陰謀か、早戸の大滝に行く人や、遡行する人はそう多くないのに。 三年前は伝道(林道終点)まで車で入れたが、度重なる崖崩れのため、もう道の整備はされていない。
伝道から雷平まで登山道を行く、あいかわらず早戸の滝への案内はなくわかりにくい。 早戸川の水量は多めで、最初の渡渉点は、トレッキングシューズでは渡りにくい。 ここで渓流シューズに履替える。
雷滝を横に見ながら上まで登り、原小屋沢沿いの道や沢を遡行しながらカサギ沢分岐につく。 前はあまり無かったが、赤丸や矢印が目立つ。 原小屋沢本流からの分岐は、滑滝で合流しているのですぐわかる。
前回来たときはカサギ沢がどこからか良くわからず、 しばらくいった先の、大きな滑滝の真っ直ぐな細い流れが、カサギ沢で、 左から流れ落ちる、水量豊かな沢は、かやの沢だと思っていた。
後で地図や本で確認したところ、分岐はもっと上の方だということがわかった。
大きな滑滝を途中まで水流越しにいき、上のF2滝(10M)は右から巻く。 ここF2からF5までが核心部で、ゴルジュを形成している。
F2の上から沢に入ろうとしたら、しまへびがいてびっくり。へびは大嫌いだ。 小石を投げて少し追いやり、距離を気にしながら沢に入る。
小滝を超えていくと3mの滝が連続。二つとも釜は深い。 前回はここから右尾根に上がり、大きく巻き、尾根から上の大滝の下まで、ぶら下がり降りしたが、 結構苦しかったため、ほかに簡単なルートはないかと見まわすと、左側の少し上がいけそうだ。
少しガレを登ると、案の定あった、釣り師が使うような細いロープが、崖の根っこと根っこの間に張ってある。 ロープは頼りなかったので、足元を確認しながら登る。 その先は、崖の下を丁度人間一人歩ける程度のけもの道があり、大滝の下の岩の上に、丁度降りられた。 間近で見る大滝はすばらしい。
前回降りてきたところは滝正面の崖だが、結構急な崖である、よくこんなところを降りたものだ とわれながらあきれる。 大滝をしばらく鑑賞した後、その巻き道を探る。
右側はかなり上まで行けそうだが、落ち口に上がる辺が急そうで、下からはよくわからない。 安全を考え、右ガレを登り、小さく斜面を巻く。
巻いてから沢に下りるのも、立ち木があまりなく、ちょっと考える。 上がれないと困るので、立ち木にロープを結び、沢に降りる。 正面に3Mの滝と、F4・10Mが見える。
3Mの滝は深そうな釜を持っている。そこを登れば、F4は左を巻けそうだが、どうも足が出ない。 前回は上の尾根から、F4が見えるところまで、斜面を降り、写真を撮ってまた上がったところだ。 前回F4は2条の滝だったが、今回は1条の直瀑になっている。 安全を考え、再度ロープを便りに登り返し、右から巻く。
先にF5に滝の水流が見える。 前回はここまで、F5は遠くから見て小さく滝にあたいしないとみて、ここから帰った。 この先は初めて、F5の滝も5Mの立派な滝だ。 ここを小さく左から巻いてあがると二俣になる。
ここがカサギ沢とかやの沢の分岐するところだ。 ここからは、下のゴルジュとは別世界で、明るい光が差し込み、ゆるい流れの渓流である。 おもわず口笛でも吹きながら、沢の中を散歩と言うような気分だ。 左側のかやの沢の方がいくぶん水量が多い。
植林や広葉樹が沢床までせまり、蛇行しながら上流へ伸びている。 時間があれば、姫次までゆっくり楽しめるだろう。 今日は、もう一つの沢に行くため、昼食後、元来た道を戻る。
たよりにならないロープのところの下りは、少し緊張した。 雷平まで戻り、早戸大滝方向に入る。途中、左岸に入る水量の多い沢に入る。 出会いから三段の滝があり、滝が連続している。
形のいい8Mくらいの滝の写真を撮り、上の急なゴーロをしばらくいく。 右側から滝が以外と水量多く落ちており、上段の滝下まで行き、写真を撮る。 本流に戻り、その先上からも、右側から滑滝風に落ちている。
正面は急なゴーロが続いているため、ここで遡行をやめ、右岸の尾根に逃げる。 尾根から出会い近くに降り、早戸の滝登山道に出た。 早戸の滝は何度も行ったのと、時間が時間だから、道を下る。
するとすぐ、若いアベックの登山者が上って来た。 早戸の滝までを聞かれたので、「ここから500M、あと急なところがあり30分かかるよ」 と答えた。
「ありがとうございました」と女性が礼をいい、そのまま、しんどそうな感じで登って行った。 時計を見ると3時、心で”タイムリミットぎりぎりだぞ”と思いながら、登山靴とストック を突きながら行く姿を見送った。
だんだん日没も早くなり、5時が限度であろう。 しかも、意外と足元の悪いところもあるので、初めての人は結構危険である。 彼らは伝道まで何時に戻れるのだろう、滝を見て写真を撮ったら早く帰れよ、と思いながら 車に戻った。

 車――――伝道――カサギ出会――かやの沢分岐――無名沢―――車

7:30 7:45  9:30  11:00  14:00  16:10
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