南アルプス・北岳


7月16日(金)曇り。
”北岳へ行かないか”と、いつもの仲間(三人)から誘いがあり、すぐに”イクイク”と返事し、山行は決まった。
”そもそも、なんで北岳なんだ”というと、三人とも山頂を踏んだことがないのであーる。 NO2に登れば、トップ3は終了、これでしばらくアルプスには行けないだろうな。 三連休の込む前に登ろう、ということになった。
夜叉神方面から入りたかったのだが、通行止の解除が7月17日からだという。 おまけに、マイカー通行禁止の時間制限。
必然と奈良田方面から入ることになった。

7月15日(木)はゆっくり走り、最後に通過できる18時まで、奈良田で時間をつぶす。 ゲート前には5,6台待っており、連休前前日なのでまだ空いている感じだ。
本日最終のゲートが時報と共に開き、約40分ほどで、広河原に着いた。 連休前なのであまり車がないと思っていたが、以外と止まっており、空車が30台、車中泊をする人が10台くらいいた。
早速、途中のスーパーで買ってきた酒とつまみで、酒盛りを始める。 すこし、飲みすぎていい気持ちになったので、早めに寝た。
夜は満天の星空だったらしいが、飲みすぎて見る余裕もなし。 朝、目をさますと、薄曇り、まあまあの登山日和である。

二日酔いであまり食べたくなかったが、カップメンを流し込む。 そろそろ、朝一(4時開門)の車がゾロゾロ入って来た。
当初はこの4時に入る予定だったが、時間があるので、一気に広河原に入っていた方が楽だろうと思い、前日中に入った。
今日まで、夜叉神方面からは入れないので、まだまだ、静かだ、明日は大変な混雑だろう、梅雨も明けたし、2年間の鬱憤もあるだろうしなあ・・。
準備を終え、5時半、おもむろに出発。 飲みすぎたせいか、足取りは重く、腹がむかむかする。
道路から見る山頂付近は、ガスに覆われ、稜線付近がかろうじてみえるだけ。
大樺沢の雪渓はかなり小さく、例年と比べると雪がかなり少ないそうだ。 降雪が少ないわりに、早く夏がきたので、解けてしまったのだろうか。
吊り橋を渡り、山荘横から登山道に入る。
御池小屋方面を見送り、大樺沢コースを登る。
休み休み行くがどーもピッチが上がらない。 途中、ついに吐いてしまった。
少し、腹具合も良くなってきたので、トボトボ登る。 枝沢の水は豊富で、冷たくて美味しい。
だいたい予定の時間で、二俣到着。 登山者はちょぼちょぼいる程度、下ってくるパーティーもちらほらいる。
ここからが、きつい登りになる。 胃の中が空なので、足に力が入らない。
雪渓横をたんたんと、休み休み登って行く。
ほんの5Mほど、雪渓上を歩く。
水は雪渓の上まであり、持ってきた水はほとんど飲まずに登れる。 稜線はすぐ上に見えるのだが、一歩一歩に時間がかかってしまう。
バットレスを横に見ながら、木の階段を幾つも登るのだが、一つ一つの足取りが重い。
鳳凰三山の方は良く晴れているのだが、北岳頂上はあいかわらず雲の中。 ようやく八本歯のコルにでた。
富士山がきれいだ、間ノ岳、甲斐駒も見えてきた。 上は見えないが、周りの山波はすっきり見えて、すばらしい、登ってきた甲斐があった。
天候により、頂上登山はどうしようか、考えていたが、一気に山頂を目指すことにした。 しかし、今までの登りはきつかった、最近の山行では最低だ。

ここまで、風もなくさわやかだったが、ガスの風が強くなり、非常に寒くなってきた。 やっと、山頂に着いたが、ガスっていて、なんも見えない。
丁度、団体さんが降りるところで、5,6人の静かな北岳山頂になった。
ガスはあるが、ホワイトアウト風で風もなく、以外と暖かい。
ここで簡単な食事をし、記念写真を撮り、ここで決めた、今宵の宿、北岳山荘に向かって降りる。
相変わらず、乗っ越しの風は強く、帽子は飛ばされそうだ。 山荘に到着後、まずはビールを求め乾杯。
天候はあまり回復せず、風も強いし、北岳も見えないので、部屋で相部屋の人と語らいながら、ウイスキーをちびりちびりやる。
今日の宿泊者は80人程度、布団も一人一枚ずつ、空きもあり余裕だ、明日は大変らしい。

トイレはきれいな水洗トイレ、夜中も電気がついていて、非常に楽だ。 夕食も朝食もおいしかった。
ビュービューと風の音を聞きながら、夕食後すぐに寝てしまった。
朝方、まだ残る風の音を気にしながら目がさめた。 窓から富士山が大きく見える。
昨日と似たような天候だ。 4時40分ころが日の出なので、支度をし、ご来光を見に外にでた。
山頂が一瞬見えたと思うと、再びガスに閉ざされる。 ご来光を見ようとする人がかなり小屋の周りにいる。
雲の隙間から、一瞬、明るい光が見えた。
完全には見えなかったが、ご来光が拝めたのでよしとしよう。 富士山には、太陽が当たらず、赤くならなかった。
天気が良ければ、間ノ岳往復も考えていたが、今日の登りから込むことを考え、下山することにした。
山頂は相変わらずガスの中である。 下りは順調だ、スイスイ降りられる、昨日の登りがうそのようだ。
バットレスに取り付いている人がいたが、先行グループによると、途中で事故を起こし、救助のヘリを待っているとのことだ。 これから登る大勢のギャラリーに見守られての、救助作業になりそうだ。
二俣まで、あまり会う人もなく、まあまあのペースで降りられた。
昨日、ちんたら時間がかかったのが、うそのようだ。
さあ、そろそろ人の山だ、昨日と違ってうじゃうじゃ休んでいる。

ここから下はきんぎょの糞、間がないくらいずーと下まで繋がっている。 ちょっと降りては、登り待ち、なかなか途切れない。 登るのも大変、下るのも大変だ。
この人ごみを考えると、今日の山小屋、キャンプ場は大変だ、スペースはあるんだろうかと、いらぬ心配をしてしまう。
結構若い人もいるし、子供も登ってくる。 この列は、かなり下の方まで続いていた。
途中、上空に救助のヘリが飛んで行った。 すれ違いで込んでいたにもかかわらず、以外と早く山荘横登山口に着くことが出来た。 まだ、これから登ろうとする人たちもいる。
早速、自販機でビールを買い、無事下山祝いだ。
早く着いたので、最初の開門の、11時には余裕で出られる。
駐車場は対岸も含め、満杯状態、空いていた隙間は全部埋まっていた。 10時30分、北沢峠行きバスは、3人を乗せ、通り過ぎて行く。
北岳の山頂を踏め、周りも見えたし、まあまあの天候で登れたので、おおむね満足のいく山行でした。

広河原――二俣――八本歯のコル――――北岳――――北岳山荘―――――八本歯のコル――広河原

5:30  8:00   10:45   12:20(12:40)  13:40泊(6:00)    6:55     10:00

 

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