野栗沢、北岐沢


5月3〜4日(火、水)快晴。
連休と群馬に帰る用事が出来たので、上野村にある野栗沢と尾瀬にある北岐沢にいってみることにした。
3日は、田舎に帰るついでに遠回りをして、上野村経由で帰ることにする。
地図を見て、299号線で秩父に入り、志賀坂峠を越えて上野村に寄り、下仁田を抜けて行こうと、朝早目に出発。
しかし、これがちょっと失敗だった。 どうも、芝桜で有名な羊が丘が、このルートにあるらしい。
丁度、皆さんが観光にくる8時半ころにさしかかってしまった。
正丸峠の手前からノロノロ運転、抜け道があるわけでもないので、しかたなくくっついて行く。
渋滞は、140号線を横断するまで、続いていた。 以外と芝桜を見る人達ばかりでなく、さらに遠出の観光に行く車も多かったようだ。
秩父市内を抜けると、マイペースの運転ができ、ほっとする。
まあ、それでも、そんなに急ぐ旅でもないので、まあいいか、3,40分のロス。 志賀坂峠を越え、恐竜の足跡手前に、九十の滝という小さな看板を見つけた。 どんな滝かなあ、と覗きにいく。
林道を少し走ると、堰堤の前が終点、数台止められるスペースがある。 滝まで、どのくらかかるかわからないが、九十の滝経由諏訪山と書かれた登山道を登る。
堰堤の上に吊り橋があり、奥に大きな落差のある滝が望めた。 たぶん、あれが九十の滝だろう。

沢を行けば近そうだったが、登山道を登る。 右の小尾根に登り終えると、今度は滝方向に下る道がある。
あまりはっきりした道ではないが、適当に沢に降り、少し滝前まで登る。 水量は少ないが、30Mを越える落差の滝が落ちていた。
太陽が真上で逆光の位置にあり、うまく写真が撮れない。

戻りは、めんどうくさいので、沢を下る。 適当なところから這い上がり、吊り橋横に出る。 滝を見るのに、往復40分ほど寄り道をしてしまった。
野栗沢へは、299号線で上野村に入ると、ほどなくして野栗地区方面への分岐を示す看板が出てくる。
丁度、神流川との出会い広場では、連休中の町の催しだろう、出店が並び、沢山の人が繰り出ていた。 それらを横目で見ながら、林道を赤岩橋のところまで走る。
もう12時を過ぎてしまっていたので、昼食を食べてから、入渓する。
大滝までどのくらいで行けるかわからないが、Uターン時刻を最大3時までとし、それを目安に歩く。
堰堤作りのために作られた、沢沿いの舗装道を少し歩き、堰堤の先に降りる。 靴を履き替え、沢を少し歩くと左岸に仕事道があるのに気がつく。
沢は大石が多いので、仕事道を歩く。 感じのいい滑滝などを見下ろしながら、仕事道が赤岩沢を離れるところまで登っていく。
沢に降り、岩魚の姿などをちらちら見ながら、大石と滑の間を登る。 ほどなくして、滝櫃の門番である5Mの滝が見えてきた。
ここから先は、どこまで登れるかわからない、自分の技量で行けるところまで行って見ようと思う。 ここのところ、あまり雨が降ってないので水量は少なめだ。
5M滝は右から簡単に登れた。 次の4MCS滝は、滑りそうでちょっと登りにくそうだ。

ここを登らないと、大滝は見えないのでなんとか攻略したい。 落ち口に残置のシュリンゲとカラビナがあるのでなんとかなりそうだ。
手前のハーケンに、今までぶら下げていただけで使わなかった、自分のシュリンゲとカラビナをかけ、残置のシュリンゲとを利用し、滝上に這い上がる。
滝櫃と大滝は見えてきたが、さらに10Mの滝が続く。 この滝は、みたところ簡単に登れそうもないが、大滝を完全に見るには、この上に出るしかない。
大滝が見られたし、これで満足かとも思ったが、何か登る手段はないかと、滝の周辺を見回して見る。
左にある倒木を利用して中段まで上り、少し急だが、ガレたルンゼが登れそうな気がする。 登れなかったら、途中で降りればいいやと決め、様子を見ながら登る。
滝上部左に、残置カラビナがあるのを見つけ、手がかりになりそうだったが、その上に登るのがちょっと怖そう。
倒木が折れそうもないのを確認し、最後に足場にし、落石しそうなガレを登る。 なんとか登れた、しかし、下りは怖そう、ゆっくり降りなければ。

登りきると、大きな円形の広場、すごいところだ、40Mはあろうと思われる、大滝が垂直に落ちていた。
残念なのは、水量が少なく、右側にもある滝にはほとんど水がなかったこと。
冬の氷瀑はみごとだそうだが、きちんとした装備がないと、ここまで来るには、かなり厳しそうだ。
上部の壁にはツツジが咲き、いい感じなんだけど、逆光の陽が当り、コントラストが強すぎて、絵にならず、むむー残念。
10M滝は慎重に降りる、下まで降りて一安心。 帰りは楽チン、あっという間に、車まで戻れた。 さあ、実家まで一走り、明日は早起きして、北岐沢だ。

明けて4日、天気は今日も快晴、4時半に出発。 まずは、尾瀬登山口である大清水を目指す。
早朝は気持ちよく空いていて、スイスイ走れる、途中、コンビニで昼食を買い入れ、朝食のパンをかじりながら、メルヘン街道を突っ走る。
途中、尾瀬岩鞍あたりに、水芭蕉のライトアップ中と書かれた看板があり、帰りに時間が合えば寄って行こうかなあ、なんて思いながら走っていたが、 あっという間に大清水に着いてしまった。
大清水も丁度水芭蕉が盛り、今日は大勢の観光客がおしよせるんだろうな。 早朝にもかかわらず、早くも数人のアマチュアカメラマンが写真を撮っていた。
帰りは込むと予想し、まずは散歩も兼ね、朝日を浴びてキラキラ輝く可憐な水芭蕉や座禅草をカメラに収めて行く。
駐車場は、どこも有料(500円)と書いてあるが、まだ早朝のため、料金徴収の人はいない。 無料個所はなさそうなので、一番奥の駐車場に車を止めた。
すでに50台ほど止まっており、これから出発するであろう、登山準備をしているパーティーが何組かいる。 皆、かなりの重装備だ、まだ尾瀬沼あたりは、かなりの雪に閉ざされているんだろう。

片品川は雪解けの水がそろそろ始まり、かなり水量が多そうだ。 残雪もあいまって、目的の大滝まで行けるか、かなり心配だ。
この時期に尾瀬付近の沢登りをしようなんていう、酔狂な人もいないんだろうな。 大清水の水芭蕉も、目的の半分なので、途中断念もしょうがないか。
奥鬼怒スーパー林道は、中岐沢沿いを緩やかに登っていく。 早くも道路に、残雪がでてきた。
途中のウツボ滝だけでも見られればいいや、と半ばあきらめ気分で歩いていたが、うっかりしていて、通りすぎてしまった。
早く地図を確認するんだった、それにしても滝音に気がつかなかったとは。
完全に雪に埋まった林道を、ヘヤピンカーブのところまで歩いていく。
とりあえず、北岐沢沿いの山道を進んでみる。
雪は想像以上に深い、沢沿いはかなりの雪で埋まっている。 靴を履き替え、行けるところまで行って見るかという気持ちで沢に降りた。
救いは、快晴の天候と風がなく、気温が高いことだ。 少し水に入ったが、冷たい冷たい、とても長く浸かっていられそうもない。
最初の5M滝は幅一杯に水が流れ、とても水量が多い。 早くも気持ちがしぼみ、ここで敗退か?。
しかし、この天候、がまん、がまん、と気持ちを立て直し、遡行を始める。
滝の高巻きはほとんど雪道、滑らないように、蹴りながらステップを切り、慎重に登る。 水にも慣れ、何とか進めそうだ。

太ももまで浸かると、ジーンと冷たさが伝わってくる。 浅いところを歩き、雪の斜面を進み、完全に雪で埋まったスノーブリッジ状の沢を登っていく。
途中、見事な滝(20M)がかかる枝沢が豊富な雪解け水を落としている。
気温が高いので、ステップを切るのは割合に楽だが、逆に残雪が落ちてこないか、踏みはずして沢に落っこちないかが心配。
10M滝を2本巻き、沢が右に曲がると、水煙がしてきた。 ようやく目指す大滝まで到着、よくここまで来れたものだと我ながら感心する。
滝の前は、スノーブリッジになっていて、写真を撮るには、丁度いい。 雲一つない快晴のため、あまりいい写真は望めそうもない。
それでなくても、水量が多く、ほとんど幅目いっぱいの滝になっているので、華麗な写真は望むべくもない。
対岸にある枝沢の滝を見に行こうとしたが、水量が多く、滝前に降りられなかったためあきらめ、ひとしきり写真を撮り終えてから、下りにかかる。
途中の暖かい岩の上で、ゆっくり昼食、最高の気分だ。 帰路は、足跡が判らないほど、雪が解けている、慎重に降りねばと気を使う。
やっと山道まで辿りついた。
やったー、目的を達することができたのだ。
あーあ、足が痛い、ひざにもきている。 まだ陽が高く、気持ちいい林道を、満足感に浸りながら下る。
小渕沢橋まで下り、今度はウツボ滝を見逃さないぞ、と注意しながら歩く。 しかし、なかなか滝音が聞こえてこない、地図上では小渕沢出会いから100Mくらい下流にありそうなんだが。
適当なところから、中岐沢へ降りようとしたら、滝らしき水煙が見えてきた。
間違いない、ウツボ滝だ。 沢へ降りるのにトラロープがあるが、使用しなくても降りることは可能だ。
滝は、川幅目一杯に落ち、堰堤のような感じで落ちている。 水量が多いので、豪瀑と化しているのだ。
何とか対岸に渡れないかと探したら、一箇所ぎりぎりで渡渉できるところがあり、対岸から写真を撮る。
帰り際、振り向いて見ると、水煙に太陽光があたり、虹がくねるようにでていた。 これで、すべて予定通り見ることができた。
あとは、大清水まで鼻歌まじりで歩いていく。
4時近く大清水到着、もう観光客はあまりいないだろうと思っていたが、まだまだ賑わっていた。
駐車場を出る車は、しっかりチェックされ、料金を取られている。 もう一度、木道を歩き、水芭蕉を眺めていく。
日暮れまでは、時間もあるので、ライトアップ水芭蕉はあきらめた。 さあ、あとは帰るのみ、国道17号に出ると、いたるところで渋滞してたが、何とか今日中に、自宅に着くことができた。

車―――林道カーブ――北岐沢大滝――車

7:25  9:05    11:30   16:00

 

トップへ戻る