石空川・北沢大滝を訪ねて


4月29日(水)〜30日(金)快晴。
さぁーて、12連休がスタート、連休はどこへ行こうか、色々案を考えてみるが、なかなか決まらない。
東北方面や日光はまだ雪があるだろうし寒い、紀伊半島は遠いしなあ。
和歌山方面も行って見たかったが、今回は長距離を控えよう。
比較的近場として、石空川・北沢大滝と長野の雲間の滝を訪問することにした。
ちょっと心配なのは、まだ4月のため、雪渓があって行けるかどうかだ。
去年の春先のような大雪はなかったし、今年の残雪は少ないと読んだ。
雪渓に阻まれ進めなければ、そこから戻るだけだ。
連休の天気はいつでも良さそう。29日は行くだけと考えて、ゆっくり出かけた。
出発時、神奈川では雲が多かったが、山梨県に入ると青空のいい天気。
高速は渋滞もなく順調、早めの勝沼で降り、甲府バイパスを走っていく。
当初の予定では、30日に雲間の滝、31日に北沢大滝と考えていたが、 天気予報を聞いて、急遽変更、先に時間がかかり疲れる北沢大滝へ行くことにした。
バイパスで昼食をとりながらのんびり走る。
今宵の宿と予定した”道の駅・白州”に13時ころに着く。
まだ飲むには早いし、時間が余ってしようがない。
何処か、簡単に行けるところはないかね、とちょっと考えてみると、そうだ神蛇滝があるじゃないか。
近いし、丁度、明日の足ならしにいいか、と行って見た。

ナビで尾白川渓谷を検索しセット、しかしどう間違えたのか、林道を登って行く。
こりゃ日向山へ登る時の林道だ、と気が付いたが、登山口を確かめるのでいいか、とそのまま走る。
途中、登山者が降りてくる時間なので、2どほど狭い道をバックして交換。
前に一度登ったことのある、登山口を確認し、林道を下る。
ナビの指示を無視し、竹宇神社方面に曲がると、終点の尾白川渓谷駐車場に到着。
午後2時すぎなので、あまり止まっている車は多くない。
往復2時間くらいだと考えて、神蛇滝までとする。
途中の見どころはすべて無視、渓谷道を進む。
帰ってくる2,3組とすれ違い、汗をかきながら、神蛇滝に着いた。
ここまで1時間ちょっと、ほぼ予定通りだ。
見られる場所は大石の上からの1箇所しかないので、ロープを出し、少し下り、三段の滝が良く見える場所から撮影。
ミツバツツジは咲いていて、いい時期だったが、滝のアングルの中にはない。
しかし、新緑と三つの滝はいい感じだ、やはり、この滝はバランスが良く美しい。
帰路は尾根道を下る、尾根道は歩き安く、50分で駐車場に着いた。
まあ、明日の足慣らしとしては、丁度いいし、道の駅に行けば、丁度飲むにはいい時間だ。
道の駅・白州には5時前に着く、早速、スーパーで酒と夕食、明日の朝食と昼食を買い込む。
ビールと酒を飲み、いつの間にかそのまま寝てしまった。
2,3時間して目覚め、再度寝袋に入り、横になる。
目を覚ますと2時半すぎ、トイレに行くと星空だった。今日の天気は予報以上に良さそうだ。
ラジオ深夜便を聞きながら4時頃までうつらうつら。

さぁー、今日は長丁場、早めに出発しなきゃ。
朝食のパンをかじりながら、明るくなってきた道の駅を出発。
ナビを北精進が滝にセット、しかし、どういうわけか、御座石温泉経由をすすめる。
まあ、いいか、とそのまま走る。しかし、これがダートの悪路、失敗したなあと思いつつ、まあいいか、とそのまま走る。
余計な時間がかかってしまったが、朝焼けの景色は見られたし、日の出も見られた。
あとは、林道入り口を見つけるだけだ。
反対側から来たため、左側にある林道入り口を見失なわないように探しながら走ったが、 どういうわけか、北精進が滝駐車場分岐まで降りてきてしまった。
失敗、Uターン、来た道を戻る。ゆっくり右側を見ながら走る。
北精進が滝駐車場分岐から近いと思っていたが、どうも思い違い、林道頂上の精進が滝林道と御座石林道がぶつかる地点 が廃道になった林道入り口だった。
前に1回来たことがあるのに、どーも頭にあったイメージと違った。
遅くとも5時半にはスタート出来ると思っていたが、少し遅れてしまった。
少し広くなった路肩に車を止め、出発。すでに陽はのぼり、気温も上がってきている。
ちょっと歩くと暑い、一枚ぬいで林道を歩いて行く。
途中、がれた所が何か所かあるが、1箇所注意が必要だ。
もし、暗くなって歩く時は、その場所が要注意、帰りを考えながら歩く。
地蔵大橋に着いた、天空に浮かぶ八ヶ岳の姿がすばらしい。
この橋が、精進が滝林道にある”北精進が滝遠望地点”から滝と共に見られる立派なアーチ橋だ。

林道終点に小1時間で到着、50M手前のアルミ梯子を確認。
その横から尾根に上がり7,80M登る。
古いマーキングテープがあり、尾根をトラバースしながら北精進が滝方面へ進む。
折れたプラスチック看板が木の下にあり、燕頭山登山と書いてあった。
なんとなく獣道的な踏みあとを拾い、マーキングを見失わないように歩く。
滝の音を聞きながら進み、小窪を横断、次は白ザレの窪を横断、そのまま進むと がれた水のない沢、マーキングテープを見失ったので左岸を適当に下ると再びテープを発見。
テープを見ながらどんどん下ると北精進が滝が見えてきた。
落ち口から30Mくらいの地点、5Mくらいある連瀑の上に出た。
ここまでは、ロープを出すこともなく、すんなりと北精進が滝を巻いて沢に降り立つことが出来た。
ここで靴を沢足袋に履き替える。北精進が滝落ち口に立ち、120Mの高さを実感、下半身がぞくぞくする。
綺麗なハクサンコザクラに似た花が岩に咲いていたのでカメラに収める。
さぁー遅くならないように出発。すぐに連瀑の滝があるので左岸から巻いていく。
なにしろ、花崗岩ばかりの岩ばかりなので、ちょっとした滑も滑る滑る。
正面に大きな滝が見えて来た、多分あれは南沢の滝だろう、二俣下に到着。
岩に囲まれ本流の二俣には5Mくらいの滝が落ちている。
一瞬、どうやってここを登るのか考えてしまう。
滝に近づくと、滝の左横に丁度登れる溝があった。
ここを登ると二俣、南沢は厳しい滝、北沢は奥に5Mくらいの滝が見え、両岸は厳しい壁。
しかも、手前は深い淵、ここは泳ぐのか、と考えてしまう。
ようく眺めると落ち口を渡り、左岸を大きく巻いて登れそうだ。
草付きのややこわい岩を一歩一歩注意しながら登り、北沢F1の巻き道を登る。
次の問題は北沢への下降点。トラロープがあった先から少し傾斜が緩くて降りられそう。

しかし、そこへの一歩のトラバースが怖い。
ややとがった岩にロープをかけ、帰り道を考えながら、北沢に降りた。
ロープは残置しなくても、登りは大丈夫とチェックしてロープを回収するつもり。
石ですぐに動かなかったが、強引にひっぱり、すばやく回収。
ここでロープが回収できなかったら、あとで大変だった。
今日は快晴、暑いくらいだ、半袖でも寒くないだろう。
水の無い北向きの小窪には残雪が見られるが、北沢の流れ周辺には雪がない。
北沢は結構滝が続いてあり、すべて巻きながら登る。
下りの時、危ない場所は確認しながら登る。
滝が一段落すると両岸開け、キャンプ場みたいに開けた場所になる。一升びんが落ちていた。
ここは時間短縮を考えて、水に入らず、バイケイ草がある右岸、左岸と歩いて行く。
左岸の立った小沢には連瀑なども見られる。
さー、前衛の滝が見えて来ました。ここで始めて雪渓が出てきた。
上部には簾状の滝が見え、左上には目的である北沢大滝(行者の滝)の頭が見えている。
この連瀑を巻いて登らないと滝下にはつけない。
どうやって巻こうか、雪渓から簾状の下をトラバースするように登れば行けそうだ。
雪渓の様子を見ると、かなり溶けているが、下部は氷になり、結構厚い。
端に乗ると危ないので、手前の大石に乗り、おそるおそる一歩をだす。
ゆっくり歩き、岸壁下に登る。雪渓があったので、かえって助かった。
そのまま、簾状滝の下を進むと上段の滝もすんなり巻け、ピッタリ大滝下に出られた。
大きい、高い、すばらしい。50Mといわれているが、60Mくらいはありそうだ。
中段に残雪で出来た、丁度観音様のような姿に見える氷があった。

この時期、正直いって、もう少し残雪や雪渓があると思っていたが、今年はやはり雪が少なかったようだ。
ここまで、何の問題もなくこられてよかった。
当初、最悪12時になったら折り返そうと考えていたが、11時に着き、少し余裕が出来た。
30分ほど、撮影や昼食で滞在、暖かな日差しがまぶしいくらいでした。
残念ながら、虹やスローシャッター写真は撮れなかったが、十分満足。
名残惜しいが下山にかかる。下りの巻きは滑るので、かなりロープを出しながら降りる。
南沢出会いの4段50M滝が見えてきた、ここはどうやって巻くのだろう、沢やさんでも厳しい。
帰りはカメラを出すのも面倒くさく、ほとんど写真は撮らなかった。
二俣の上に降りるのも、細い灌木数本にロープをかけ、そろりそろり降りた。
さぁー、あとは本流の滝を巻いて降りるだけ。
途中立派な3段の鹿角ペアを見つけた、おそらく2,3年前に亡くなった雄鹿。
持って帰る気力なし、残念ながらあきらめる。
なんとか沢のスタート地点に戻ってきた。これで大体の帰着時間が読める。
靴を履きかえ休憩。丁度、この場所には、岩畳の間からこんこんと湧き出る美味しそうな水がある。
行きには飲まなかったが、疲れた身体に一杯所望、冷たく本当にうまい水でした。ペットボトルに詰めていく。
下りの巻き道は最初は登り、新しそうなピンクのテープを頼りに登って行く。
どうも行きのルートとはちょっと違う。
少し強引に登って行くようなルートで、行きよりは精進が滝寄り、白ザレの窪で合流する。
行きには白ザレを真っ直ぐ横断していく感じだったが、帰りのルートは白ザレから斜め右下へ下って行く。
この辺は好みで作られたルートのようでした。
最後の林道への降下点は少しはずれたようなのでテープを見失った。
それでも下に林道のガードレールが見えたので降りられそうな所を降りた。
降りた地点は林道の終点で、少し左よりに降りてしまった。
時間的には、まだ1時間程度の余裕がある。
北精進が滝を俯瞰して見る展望台まで行ける時間だったが、疲れて行く気力なし。
往復30分は却下、重い足をひきずりながら、林道を下る。
思っていた以上に時間はかかったが、無事車に到着。
明日、雲間の滝を予定していたが、もう行く気力なし。
今日はこのまま帰途に付くことにする。
舗装された精進が滝林道を武川まで下る、こちらの方が快適で早い。
途中、武川の湯という看板が出てきたので、温泉にでも浸かって行こうかと思って寄ってみた。
しかし、市内410円、その他820円とあったので、入る気がせず、戻る。
多くても600円くらいならばと思うのだが、倍違うとは。
帰り、国道から見える夕焼けの富士山が綺麗だった。
甲府バイパスで夕食、甲府昭和インターから高速に入り厚木パーキングで0時まで横になる。
深夜割引を利用し厚木インターを降り、一路帰宅した。
2,3日は疲れが抜けず、もう無理が出来ない年になりました。

車――林道終点――北精進ヶ滝上――二俣――行者の滝――――車

6:10  7:00   8:00(8:30)  9:08  11:00(11:30)  16:55

 

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