小室川谷その2


9月13日(土)くもり時々晴れ。
今日は、残った出会いから小室淵まで遡行する予定だ。
早く出ようと一度目がさめたのだが、2度寝してしまい、起きたのが6時少し前。 あせって仕度をし、6時15分に家を出る。
天気はまあまあ、気温が高くかなり蒸し暑い。 泉水林道ゲート前に着いたときは、9時少し前だった。
もう駐車スペースがなく、車を止めて探していたところ、1台すぐに出ていったので助かった。 三連休の初日なので、釣師が結構入っているようだ。
ゲートは開いていたが、工事の人が入っているようだ。 これだけ入っていると、何処かで釣師と会わなければいいけどなあと思う。

仕度をしていると、林道方向からきた車のおっちゃんが”どこいくの、きのこ?”と聞いてきた。 籠も背負ってないのに、きのこもねーだろうと思いつつ”沢歩き”と答えた。 ”あっ、そう”とあとは興味なさそう。
今頃何が採れるんだろう、知っているのは椎茸と木クラゲぐらいだが。
林道を歩くとすぐに道路工事をしていた。 これじゃゲートが開いていても車は通れない。
泉水谷の木橋を渡り、小室川谷に入る。 ここまで25分ほど。
ここで靴を履き替え、遡行モードに入る。
ここのところの暑さで、水量も大分少なくなってきたようだ。 下流部の遡行なので、丁度いい。
しばらく行くと、2段の滝。
下3M、上6Mくらいの滑滝だが、釜も深く、水量もあり、とても水線沿いに行けそうもない。
ここは、右にある頼りない残置ロープをつかみながら、注意して巻く。
ここで気がついたのだが、持ってきたつもりの遡行図が、先週行ったマミ谷の遡行図を間違って持ってきてしまった。 この先ゴルジュの巻き道が気になるが、しょうがない、あとは自分の目を信じよう。 また、しばらくゴーロ歩きとなる。
やがてキレイなF1・7Mの滝が出てくる。 角度は50度くらいの滝だが、下流域一番の大滝らしく、深い釜を持ち、堂々と落ちている。
下部を横から小さく巻き、上部は水流沿いを登る。
しばらくはゴーロ歩き。
途中、大崩している仕事道が右上に見えてくる、この辺は広い河原だ。
右岸にキレイな簾状の滝が見えてきた。 落差は15mほど、幾筋にも分かれ、とても感じがいい。
しばらく歩くと、深い釜を持ったゴルジュの滝(3M)が出てきた。 左右、簡単に巻けそうもなく、釜の前で少し考える。
右側の壁から登れそうなので、おもいきって水に入ると胸まで浸かった。
先週のマミ谷は、冷気がでているくらい冷たかったが、ここ小室川谷の水は以外とぬるい。 右にとりつき、割合楽に登れた。 またしばらくゴーロ歩き。
左岸に10Mくらいの直瀑が見えてきた。 前、上流部へいったとき仕事道で渡った沢のどれかだろうが、はっきりわからい。 水量は少ないが、スラブの直瀑だ。

やがて、S字峡らしきゴルジュが出てくる。 奥は見えないので、どう行っていいかわからない。
巻き道は、右か左かさだかではなく、周りを見渡すが、それらしき道が見つからない。 とりあえず、右岸の登れそうなところを登り、ゴルジュの上から眺めて見ると、それ以上沢沿いに巻いていけそうもなく、 下の流れを見ていると、最初の滝の上に降りれば、なんとか水流沿いにいけそうだ。
降りられるところを探すが、なかなかない。 少し傾斜がきついが、ロープ使用でなんとか降りられそうな所があった。
支点の木から垂らすと、少し足りない。 50CMほど下の根っこからだと、なんとか降りられそう。



ロープが抜けないと困るので、昔拾ったカラビナを残置にし、なんとか谷に降りた。
S字の滑と小滝を登って行くと、緩やかに流れる松尾沢が出会う。 沢は明るく開け、陰湿なS字峡とは好対照だ。
少し辿って行くと、また陰湿なゴルジュ。 石積みの滝(石門の滝)が、行く先をふさいでいる。
滝にとりつくには、深い釜を泳がなければならない。 残置シュリンゲやハーケンがみえるが、立っているのと、ぬめっているので登れそうもない。
ここは右岸を慎重に巻く。 ここを越えると、また明るいゴーロ帯。
右岸に山葵田の跡を見る。
こんなところは、どうやって通ったのだろうと思う。
小室淵がなかなか出てこないので、あせる。 あまり食欲はないが、1時を過ぎたので、短時間でおにぎり1個を食べ、先に進む。
穴のあいた石門を過ぎ、しばらく行くと、今日、最後のゴルジュ、小室淵がやっと出てきた。
今日のタイムリミットの3時が近づく、どのくらいで巻けるのだろうか。
入り口は見るからに陰湿で、とても水線通しには行けそうもない。 巻きは、左か右か?。
ちょっと見、右の方がやさしそうだ。 少し戻って、右から藪をかき分け巻きにかかる。
あまり歩いた跡がない。
反対側を見ると、ゴルジュの上は結構平らで、ゴルジュの上に出るのも簡単そう。
こりゃ間違えたなと思ったが、まあいいやと思い、先に進む。 丁度、上の滝(5M)が良く見える位置にきた、対岸からは見えないだろう。
篠笹をかき分けながら、降りる場所を探し、ロープを使って降りたところは小室淵の少し上。
小滝を二つ登って行くと、この前見た景色のところに飛び出た。
小室淵から50Mくらい上の中ノ沢出会いだ。 時間は3時5分、まさにこの前と同じだ。

これで一安心、帰る時間の目処がついた。
休憩と残りのおにぎりを食べ、中ノ沢を登る。 15分で仕事道に出、靴を履き替えて、下る。
今日は晴れてきたので、空も明るい。 順調に下り、出会いに5時5分前につく。 ここも、この前と同じ時間だ。
林道を下って車に戻ると、すでに自分の車しかなかった。 小室川谷は、以外に手強く、かつ、水量の多い谷だった。 時間も予定より、大分かかってしまった。
入渓が遅かったため、釣師にも遡行者にも会わず、後にも、先にも誰も会わない一人旅だった。
大滝はないが、谷の美しさ、ゴルジュの険しさ、多い水量等、人気の沢というのが伺える。
これで奥多摩の沢は、ほぼ終了したが、もう少し行って見たいところが残っているので、無理をしないで行きたいと思う。
空には、少し欠けた大きな月が登り、赤い火星が光ってた。

 林道ゲート前―小室川谷出会―7M大滝――S字峡―小室淵―中ノ沢出会―小室川谷出会―車

 9:05      9:30    10:30   12:25  14:35  15:05   16:55  17:35

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