西丹沢・マイナーな大滝


6月29日(木)くもり。
前回行ったウナイ沢の大滝、なんとか上部の大滝まで近づくことが出来ないかと様子を見に行きました。
出会いに車を止め、植林帯を登り、いったんF2の下に出る。
どうやったら、近づけるか、両岸の岸壁を眺めて見る。
滝の直登は、脆そうな岩で、登れそうもない。
まずは、右岸側から少し登り、F2の上を覗いて見る。
崩れそうな場所から、F2の上がわずかに望める。
続く滝はF2より斜度は少し劣るようだが、登れる保証はない。
右岸からの下降はあきらめ、左岸の弱点を探る。
ルートはないかとじーっと眺める。
なんとか壁際が登れそうな感じがする。トライしてみよう。
壁際を回り込みながら登ると、岩の上部へ斜上出来そうな場所を見つけた。
木の根っこをつかみ滝前の小さな尾根に登ることが出来た。

ここから大滝の様子はまだ良く見えないので、ロープを出しF2上に出るルンゼを下る。
大滝下へは、さらにロープを出し、崩れそうな斜面をF3上へくだらなければならない。
ロープは届きそうもなく危険なので、これ以上の下降はやめる。
少し小尾根を下れば大滝が見えそう、突端の木まで下る。
やっと大滝の滝下の様子と全体が見えてきた。
落差は30Mくらい、湯ノ沢の黒棚に似ている。
滝壺はなく、周りからの崩れてきた砂が1Mほど積もっていた。
水量は少ないながら一定で、湧き口は近そうだ。
なんとか全体像が見られたことで満足、残置したロープまで登り返し、小尾根の基部をロープを使いながら降りた。
時間が早いので、次に西丹沢駐車場に近い小西沢へ行って見る。
駐車場に車を止め、中川川へ降りる。
渡渉し、対岸にある箒沢管理釣場横の小さな沢に入る。
釣り場からは、丸見えで入りにくいが、平日のため誰もいないので、素早く入渓し歩く。
この沢の水は、ほとんどが釣り場に取られているため、沢は涸れ沢に近い。
取水パイプの横を歩き、最初の堰堤は管理用の鉄パイプ梯子で上がる。
なるべく、水流があるところは歩かないように注意して登り、沢を汚さないようにして歩く。
次の堰堤は右側から乗っ越す。沢は二俣になり、右股を見ると大きな滝があった。
水量は少ないながら上部は3条に落ち、S字状に曲がりながら落ちている、落差は20Mくらいある。
水の流れがあるってことは、期待していなかったが、立派な大滝だ。
さらにこの上部には25Mの大滝があるらしい。
巻きは左岸尾根を登る。登っては見たものの、沢への下降がかなり厳しい。
残置ロープにすることに決め、10Mほどの懸垂下降を始める。
最後の3Mは、足場もなくぶら下がり下降、手のひらが熱くなったが、なんとか砂地に着地した。

上部はすぐに水涸れ、大滝にも水がない。滝といえるのはF1のみでした。さぁー、ここからの脱出はどうする。
残置ロープを登ろうとしたが、足場が乏しく、体重をささえられない。
右岸を下降しようと眺めてみたものの、立木がなくかなり厳しい。
一番楽に登れそうなルートは滝落ち口のすぐ上だが、滑れば滝の真下に転落、ここも難しい。
最終的に気持ちを落ち着け、ロープを利用し、一気に登ることにした。
なんとか滑らない方法がないかと、今まで使ったことがない守護神のようなエイト環を出し、ロープにあれこれ付けて見たら、何と、体重をかけても落ちない。
ロープだけだと、手に食い込んで痛いが、エイト環を掴めば痛くない、これは使える。
一気としても、休む箇所を3段階くらい考え、最初の3Mに身体を預ける。
ロープにかかる全体重、重い、足場を確保、細い立木をつかむ、休憩、すぐに次の立木目指し登る、登れた、汗が出る。
ここは、残置ロープがないと、脱出が難しかった。
滝下に降り、左右眺めて見ると、最悪の場合は右岸尾根を大きく回り込めば、降りてくることが出来たようだ。
少々時間はかかったが、小西沢の全容がつかめた。
小西沢の名の由来はどうか、西沢の下の小沢から付いたのか、小西という名前からついたのか、小沢であるがゆえ面白い。
今日はまだ時間があるため、今日沢へ向かう。
玄倉から対岸の一方通行道路に入り、最初に出てくる沢が今日沢だ。
今日沢橋の先に車を止める、丹沢湖の水位は平常より、3Mくらい低い。
出会いの水量は少なく、堰堤を3個越えたところから沢に降りる。
堰堤はさらに続き、合計10個くらい越えたところで、三俣状になる。
水の流れはなく、本流と思われる真ん中の沢を登って行くとだんだん水音がしてくる。
最初の小滝が現れ、階段状の滑になるが、落石や砂で埋まり、ゴーロを歩いている気分だ。
2段5Mの滝を登ると上部に大きな滝の姿が見えた。
この滝の下までは、巻くこともなく、水流沿いを歩ける。
落差は3段20Mくらいありそうだ。これ以上は大きく巻かないと登れないし、水量もここ以上は期待できない。
この大滝を撮影し戻ることにした。周囲からは鹿の鳴き声が終始している。
湖岸道に戻り、ふと、手をみると血が流れている。
蛭にやられたかー、足元を見たら、蛭がうごめいている。
あわてて靴と靴下を脱ぎ蛭退治におわれる。
両足には10匹以上、吸われた箇所はそれぞれの足が5か所くらい、手は2箇所やられていた。
西丹沢に来てからは20年以上たつが、今まで一か所もやられたことは無かった(蛭の姿を見ることはあった)。
こんなにも蛭が多くなったということは、丹沢では最早聖域がなくなってしまった、ということだ。
駐車場に車を止め、離れた場所で最終的にもう一度蛭チェック、さらに2匹の蛭を発見、処刑する。
今日はさくらの湯は休みのため、ぶなの湯に寄って行く。
足元は止まらない血が流れていたが、汗をかいた身体に温泉は気持ちいい。
20M級の滝が3本見られ、蛭にはやられてしまったが、まずまずの1日でした。

車――小西沢出会――今日沢出合――車

6:35  9:30   10:30  11:30

 

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