丹沢・小菅沢系田代沢、小豆畑沢、伊勢沢


2月2日(土)晴れ、小豆畑沢の上部と他の沢の探索をめざし、玄倉に向かった。遡行図
子供を車で送る用事があったので、秦野林道ゲート前につくのが大分遅くなってしまった。 逆に気温が高くなってきたので、着替えが楽である。
富士山には天気を悪くする笠雲が頂上付近にかかっている。 明日は雪になるな、これで尾根歩きはしばらく休みだ、そろそろ花粉症の季節になるしなと心に思う。 暖かい陽気のなかをぶらぶらと歩き始める。
上からは、散歩のお年寄り軍団が降りてくる。 林道のゲートを開けて工事用の車が入ってきた。 一緒に入れればなあと思うがしかたないこと、たいした距離でもないので周りを歩きながら見るのも良いもんだ。 小菅沢本流は、幅広い流れと堰堤だらけでなにもないが、左岸を眺めてみると、興味深い支流が二つある。 双眼鏡で覗くと水の流れがあるので、帰りの時間しだいでよってみよう。
小豆畑沢の橋に着き、堰堤を左から越える。 ここは前回きたときに流木を立てかけておいたので楽に越せた。 F1の滝 の水量は、この前の雨で前回よりはある。ここは右から巻く。
上に出ると広いゴーロになり、わさび田のようなあとがある。 水量はあるのだが、なにか出てくる気配はない。 やがてゴーロの石の下に流れは消えてしまった。 上の登山道から降りてくる沢としてはいいが、入り口から想像するとがっかり。
次に伊勢沢に行きたかったので、沢を下って戻るか、尾根を巻いて伊勢沢にたどりつくか、どちらにしようかちょっと迷ったが、 降りるのがもったいないので、尾根に上がることに決める。
沢に白いビニールテープが木にあったので、そこから尾根の植林帯を目指すと、かすかに道がある。 鹿柵を越える脚立があったので植林帯のなかに入る。
ヒノキの若木のなかを少し歩き、伊勢沢方向にトラバースぎみに適当に進む。 また鹿柵を出ないと行けないので、出口を探すと、丁度針金の幅が広くなっていて、枝木で仮修理になっているようなところがあった、らっきー。 鹿柵って、以外と出口がみつからないものだ。
ここを出ると鹿糞が続き、かすかな獣道がある。 少し登り、藪こぎをしながら伊勢沢方向に進む。 下に小菅沢の河原が見えているが、目指す伊勢沢は以外と遠い。
下に送電線の巡視路が見えてきた。巡視路におりれば歩くのが楽だ、早く降りようと立ち木を伝い道に出る。 少し歩くと、落合線37号鉄塔の下に出た。
腕時計を見ると、12時を過ぎていたのでここで昼食、結構いい眺めだ、富士山、山神峠の一本杉が見える。 右に目指す伊勢沢の谷間が見えている。
昼食後、巡視路を歩くと、伊勢沢の最上部の堰堤にでる。 下を見ると、短い間に14個の堰堤があり、沢は涸れ沢で水音がない。 100Mばかり登ってみると、かすかな水の音が聞こえ、沢らしくなってきた。
周りにはつららが下がり、もろい壁のゴルジュが出てきた。 絶えず細かい落石があり、こわそうなところ、少し巻きながら上に登り、様子を探ると10Mくらいの滝で終わっている。 滝の細い流れは氷っている。
ここから引き返し、堰堤の上に戻る。 帰りは簡単、伊勢沢の堰堤と小菅沢の堰堤横には、遊歩道のような道が続いており、林道の橋まで鼻歌気分で降りられた。
林道を下り、行きに目星をつけておいた沢を目指し、いたどり橋付近から小菅沢に降りる。 支流に入ると以外と水量がある。少し歩くと、眼前に関門のように立ちはだかるすばらしい滝が現れた。 こんな、枝沢に以外だ、幅広の堂々たる直瀑。
ここの巻きはとみると、以外と苦しい。両岸が立っていて巻けそうもない。 滝の左を覗くと行けそうな気もするが、ぬめった苔とかすかな氷をみると、びびってしまう。 夏ならば強引に登れるだろう。
右側の崖を立ち木と足を踏ん張りながら登り、立ち木にロープをひっかけ、かなり上を高巻く。 帰りは降りられないだろう。
上は狭いゴルジュが続く、小菅沢で唯一沢登りが楽しめそうな沢だ。 3M,3Mと滝が続き、この巻きもちょっと考える。 左側から巻く、左の壁はるか上に立派なすずめ蜂の丸い巣があった。
この先、前方にすばらしい連瀑の光景が現れた。おお!!見事な景色である。山水画を見ているようだ。1.5M、5M、10Mの3連瀑。 それぞれの滝をゆっくり観賞する、(F3拡大写真) 。ここまで、滝はみんな釜を持ち、水も豊富で夏に水と戯れる沢として最高だ。
さて、帰りはどうするとしばし周りを眺め、ルートを考えると、尾根に上がるしかないかな。 上に植林が見えるので、それを目指し、藪をつかみながら登っていく。 すると突然、仕事道が中腹に出てきた。助かった、尾根まではまだかなりある。
しかし、安心するのはは早かった。この道は最近歩いた形跡がない。鹿の歩いた跡だけである。 案の定、2箇所大きく崩れ沢に落ちている。崩れたところは慎重に渡る。すべれば沢までずり落ちてしまう。 ここをのぞけばしっかりした道で、目指す次の沢の出会い近くにでた。バッチグーである。
時間が大分遅くなったので、後30分と決め、この沢に入る。 堰堤だらけのガレ沢で、いくつかの堰堤を越え調査してみたが、なにもないようである。適当なところで引き返す。
本流の対岸にわたり、林道まで続いている仕事道を登る。この道は前に沢に降りるときに歩いた気がする。 林道にでて少し下るとゲート、結構あっちこっち歩いたので疲れた。 富士山の下半分はまだ見える、ひとつ沢を発見したことは、今日の大きな収穫だった。

  車――――小豆畑橋―――37号鉄塔―――伊勢沢上部―――一の沢出会い―――次の沢出会い―――車

10:00  10:35  12:15   13:00   14:10    15:30  16:30

 

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