福島県・馬尾滝


8月15日(火)〜16日(水)快晴。
動きの遅い台風の影響で関東地方の天気はぱっとしない。
それならば、天気の良さそうな福島県へと、急遽決め、国道17号線を新潟県目指し、車を走らせる。
にわか雨の多い関東地方を抜け、三国トンネルを越えると、快晴の真夏の青空が広がっていた。
越後湯沢のスーパーで買出しし、小出まで走る。 小出から国道252号線に入り、福島県只見町を目指す。
ここまでの走行距離は約300KM、朝から走り詰め、福島県は遠いねー、疲れるー。
さて、今宵の宿は何処にするか、適当なところを探しながら、走っていく。
入広瀬に道の駅があったが、まだ目的地までは遠い。 もう少し近くまで行こうと思い、車を走らせると、峠を越え、福島県に入る。
田子倉湖が眼下に見えてきた。 そのまま、車を走らせ、田子倉ダムサイトにある駐車場に着いた。
ここには、綺麗なトイレがあり、車も一晩中出入り自由だったため、今日の宿泊地に決めた。
まず、後部ドアをあけ、寝袋等寝られる準備をする。 実は、この行為が失敗だった。

虻が多く、小さな蚊も多い、これらの虫が大量に入ってしまっていたのだ。
まあ、どの程度入ったか、あまり気にもせず、まずは、ビールを開け、涼しくなった外で飲む。
気温は丁度よく、外では、あまり、虫も気にならない。 快晴の空に満天の星空が現れてきた。
隣りに居た、おやじさんが話しかけてきたので、しばらく、星談義やら、旅談義をしていた。
京都から来て、奥さんとのんびり旅をし、昨日は信州蔦木宿、北海道を目指し、ゆっくり旅をしているらしい。
しばらく話しをしていたが、蚊が多いということで、ここから撤退、喜多方目指し出ていった。 宿泊しようという車は、もう2,3台止まっている。
天の川がくっきり見える、久しぶりだなあ、こんな星空をみるのは。
いい気持ちになったので、車に入り、食事をしてから、早めに寝る体制をとった。 少し蚊の飛ぶ音がする、2,3匹潰し、寝袋に入る。

少し蒸し暑く、寝にくいのと、寝ようとすると、耳元にブーンと飛んでくる蚊の音に悩まされなかなか寝つけない。
たたいては寝、たたいては寝、を繰り返し、とうとう一晩中こんな調子で過ぎてしまった。 寝不足もはなはだしい、蚊がこんなにも多いとは。
夜が明けて、車の中の蚊の退治。いるわいるわ、こんなにもいたとは。 にっくきマイ血を吸った蚊が20匹くらい、まだ数匹はいる感じだ。
なんと車の中にいた蚊の数は30匹くらい、こんなにもいたのだ。
これじゃあ、眠れないのも無理はない、最初にドアを空け、ゆっくり準備したのが失敗だった。 しかし、こんなにも蚊が多いとは、あとの祭りでした。
幸、蚊にさされるのは、あまり気にしないので、かゆみはほとんどない。 それよりかは、寝不足が気になる、頭に芯が残っているような感じだ。
今日も快晴、夜明け前の景色を撮りにダム上を歩く。 只見川からは川霧が立ち込め、幻想的な風景が広がっている。
後で気がついたのだが、真ん中に小さいながら、鋭い山が写っていたが、これは、会津のマッターホルンと呼ばれる蒲生岳だった。
湯を沸かそうとしたが、持ってきたガスボンベの口が合わず断念、そのまま食事せず、目指す塩沢地区まで車を走らす。
塩沢川を渡った国道横に駐車場とこの付近の簡単な案内図があった。
ここで気になったのは虻の多さだ。 となりにいたアベックの女の子が悲鳴をあげ、私に防虫スプレーを持ってないか聞いてきたほどだ。 もちろん、そんなきのきいたものは、車の中にあるはずはない。
確か、虻が多いので7月から9月の滝見は避けた方がよいとあったが、この程度は覚悟している。
JR只見線を渡り、細い林道に入っていく。 林道は塩沢川沿いに続いているので、どんどん奥へ進む。
舗装が切れた先に、数台止められるスペースがあったので、ここに車を止め、仕度にかかった。
ここでの虻は、さきほどより多く、自分の体や車の廻りは虻に囲まれてしまった。
虻十数匹をお供に連れ、手で払いながら、さらにダートの林道を奥へ奥へと歩いて行く。
30分ほど歩くと林道終点、ここでやっと馬尾の滝と書いてある杭一本があった。
ここからは、草が生い茂った山道になる。
あまり手入れされてないので、歩きにくいが、足元に注意していけば、大丈夫、沢沿いの平坦な道なので助かる。
30分ほど歩くと涌の滝があるらしい、二俣が見えた。 ここから沢に降りる50Mくらいの区間は、草が生い茂り、道が見えない。 足元に注意して、塩沢川に降りた。
大石を越えて行くと、二俣、右の本流には5Mほどの垂直の滝が落ちていた。
一条の綺麗な滝、HPで見たイメージより水量は少なく、馬尾滝の水量が心配だ。
ここで靴を履き替えようとするのだが、これが大変、 写真を撮る準備中にも数十匹の虻に取り付かれ、何もしないと、すぐに吸血されてしまう。 なにしろ立ち止まれないのだ。
靴を履き替えている間、手が靴にあると、たちどころに顔中虻だらけ、鼻の穴、耳の中にも入ろうとする。
川に降りる前のお供は、十数匹だったが、川に降りたとたん、数十匹に取りつかれる。 こんなに多いとは思わなかった。
途中で食べればいいや、と持ってきたパンを食べるどころではない。 写真を撮るのも煩わしい、そく、歩きにかかる。
ここの巻き道は、右側にあり、トラロープが垂れ、崖には人工的に少しステップが切ってある。
平坦な林の中を少し歩くと左岸からの支流が合わさるところに出る。
この先の登山道らしき道はよくわからなかったことと、くそ暑いのも手伝い、ええい面倒だ、遡行に切り替えだ。
水の中を行くことで、暑さは助かるが、虻はさらに増える。 Tシャツになれないのも辛い、長袖が脱げないのだ。
帽子と手で虻を払いながら、ジャブジャブ進む。

沢の流れは、平坦で緩やか、時折大石が出てくるが、きついところはない。
平坦なゴーロを辿って行くと、沢幅はだんだん狭まり、両岸とも岩壁が多くなってきた。
滑になり、2Mの滝を迎えると、ゴルジュになってくる。 ゴルジュと言っても、気持ちいい滑と小滝が続き楽しいところだ。
5Mの滝を簡単に越え、次の7M滝は右から巻いて登る。 馬尾滝の姿が見えるまでは、気持ちいいゴルジュが続いている。
どこかに降りてきた登山道はあったのだろうか。 おそらく、涌の滝から馬尾の滝までの道は、ほとんど沢登りでしか行かれないだろう。
観光地図には、駐車場から2時間なんて、簡単に書いてあったが、一般の観光客が行けるような道はないようだ。
馬尾滝の上部が見えてきた、水が少ない。 滝下に着いた、タオルで顔を包み、虻をよける。
アングルを決めようとして、腰を折ると、股間に虻が集中し、ジャージの上からでもチクチク差してくる。
手を休めることが出来ないし、撮影にも集中できない。 油断していると、手を刺されたり、袖から中に入りチクリとやられてしまう。
滝は水量こそ少なかったが、2段・60Mくらいの落差があり、すばらしい。
ロケーションも良く、周囲の岸壁や、滝の上にある木など絵になる風景だ。
虻さえいなければ、ゆっくりしていたいところだ。 しかしながら、撮影もほどほどにして、なごりおしく、去らねばならなかった。
真夏の太陽はじりじり差し、パンを食うことも、立ち止まることも出来ない、ただ、ひたすら、歩くのみ。

涌の滝まで戻り、すばやく靴を履き替える。 沢を離れ、登山道に入ると、虻の数も減り、一息つく。
それにしても、虻攻撃は半端じゃなかった、虫嫌いな人には、とても耐えられないだろう。
林道途中の冷たい沢水をガブガブ飲む、非常にうまい。
暑さと虻で非常に疲れた。 車に戻り、着替えもそこそこにして、クーラー全開で発車。 やっと一息つき、ほっとする。
朝、林道に入ったときは気がつかなかったが、入ってすぐのところに神社があり、そこに馬尾滝についての看板があった。 パンをかじりながら、看板を眺め、反対側にある滝写真入りの案内板を眺めた。
もう一晩車中泊して、滝を見て行こうと思っていたが、もう沢登りは虻でこりごり、桧枝岐の滝二つを見てから、今日中に帰ることにした。
途中で昼食を買い、桧枝岐村まで走る。 途中、にわか雨があったが、七入にあるモーカケノ滝駐車場に着く頃には止んだ。
徒歩3分で滝見台に着く。 もう、ここしかない、というところに、木で囲まれた観瀑台がある。
簡単に撮影し、役場近くにある竜の門の滝へ向かう。
会津駒ケ岳登山道と書かれた林道に入り、竜の門の滝へは、途中から右へ曲がってすぐに終点駐車場。
しかし、入口には、雪崩で橋が流され、観瀑台も損傷したため、今シーズンは、通行止めと書いてあった。
それでも、行けるんじゃないかと思い、登山道へ入ってみる。
渡渉部分は少し濡れる程度で簡単に渡れる。 手入れされていない登山道は少し荒れているが、歩けないことはない。 20分ほどで、少し土台がずれた、観瀑台へ到着した。
なるほど、この滝も、一般的には、ここからしか見ることができない。 沢を登れば、比較的簡単に滝下まで行けそうだが。
撮影中、役場の職員二人が調査のため登ってきた。 修復の時期を聞いたところ、来年になってしまうとのこと。
桧枝岐村にある、燧の湯に寄り、汗を流していく。
さあー、帰るだけだ、疲れているのでゆっくり帰ろう。
帰りは、会津街道から日光に出、宇都宮経由、国道4号線で帰る予定だったが・・・。
途中で道を間違え、今市から栃木市へ入ってしまった。 そのまま、小山に抜け、新国道4号線へ入る。東京でも少し間違えたが、以外と早く帰ることが出来た(23時着)。

車―――林道終点――涌の滝―――馬尾滝――車

6:00  6:30    7:00   8:30  12:00

 

トップへ戻る