三重の滝巡り


4月27日(土)〜29日(月)快晴。
やや恒例となった紀伊半島、もうそろそろ限界なれど、今年は新車の走行実験も兼ね、三重県の滝を訪ねました。
最初の連休は5連休、金曜日の0時過ぎに厚木インターから入る。
深夜割引で半額になるためだ。中井パーキングで寝る準備をする。
前のフィットと比べ、ベッドモードはいい、2M×1Mがほぼフラット、らくらく足を伸ばせる。
ザックや靴は荷室に入る、背中と足元にあるシートのへこんだ部分には座布団や衣服等をつめ、平らにする。
寝袋をしいて、すぐに寝てしまった。5時過ぎに目覚め、すぐに出発する。
軽自動車での高速は初めて、東名道の微妙な舗装のアンジュレーションを拾い、ハンドルが微妙にとられ少し緊張する。
大型トラックの風圧もかなり感じる。新東名に入ると、スピードは上がるが、かなり運転は楽になる。舗装が新しく、精度も高く作られているのだろう。
カーブはかなり疲れる、前に突っ込むようなローリングを感じ、高速走行も少し怖い。
車内が静かなのには驚いた。オーディオ類の音が良く聞こえ、以前とは大違いだ。軽がこんなに静かだとは思わなかった。
ノーマルなので、追い越しや、坂道はにがてだ、しかし普通に走行車線を走っているぶんには、特に問題なし。
横風には弱い、少しの風でも緊張する、ふぁっーとハンドルがとられ、車が10〜20cmくらい横にもっていかれる感じだ。

車高の高いキャブオーバータイプなのでしょうがないか。
2時間くらいずつで休憩をとり、ゆっくり走った。金曜日なのでまだまだ渋滞はなし。
紀伊長島で高速を降りる、深夜割引と軽なので、かなり安かった。
道の駅まんぼうでまずは昼食、名物の目張り寿司を所望、おいしくいただいた。
今日は走るのみ、明日は小木森の滝壺へ行く予定だ。まずは、偵察がてら、小木森林道へ行ってみる。
舗装が切れ、ダートを少し走ると1km先工事中で通行止と書いてあった。
これはまずい、林道をかなり上まで行かないと、小木森の滝へ行けない。
早々に明日の予定はあきらめ、何かないかと、手前にあった分岐の林道へ入ってみた。
舗装された林道で、少し上がると水のある支流が見え、沢がかなり立っているように見えた。
滝があるかもしれない、車を止め、沢仕度をして入ってみる。
出会いには5Mの堰堤があり両サイドはさらに高いコンクリート壁に囲まれている。
ガバホールドはない、どうやって巻こうか。左は無理、右の岩頭を越えていけば、堰堤を越えられそうだ。
立ち木を利用し少し登ると踏み跡が出てきた。丁度うまく堰堤を巻き上がる道でした。
出会いは二段5Mの滝、左に古いフィックスロープが垂れている。
ロープを補助にし、滝上に降りた。少し歩くとF2-10Mの滝が出てくる。これは当たりの沢でした。
ここの巻きは左のガレを登る、あまり人が歩いていないので、浮石が多い。

この上には、さらに大きなF3-2段18Mの滝があった。
左を登り上から見下ろす、上段は10M下段が8Mくらいだ。
ちょっとした滝見なので、今日はこの辺で終了、いい滝があって良かった。
中間で滝の写真を撮っていると、上からバラバラ落石、上を見ながら少しよける。
動物の気配はない、どうも自分が引っ張ったロープのあとで、5分後くらいして落ちてきた。
こういう時間差で落ちてくる経験もあまりない、大きな石がなくて助かった。
この滝下には炭焼き窯の跡があった。出会いまで戻り、まずはトレーニングの沢としてはまあまあでした。
あとでネットで調べた結果、この沢は久瀬谷の左俣という記録がありました。
上部には50Mの大滝があるらしいが水量が少ないので沢やの世界のようだ。
林道を下から見上げると、少し上でがけ崩れ、完全に道路が埋まっている姿が見える。
天気がいいからいいものの、雨の林道は怖いからね。
さあ、紀北町からは引上げ、予定を変えて大台町の道の駅に向かう。
道の駅大台は役場の隣、横にスーパーもあり、なかなか便利だ。
道の駅にはビールやつまみを置いているところはあまりない、コンビニが一番便利だ。
常にベッドモードにしてあるため、冷たいビールでのどを潤す。
明日からは少しハードになるため、酒の勢いで早々に寝る。12時過ぎ目がさめると月が煌煌と輝いていた。

天気は約束されたようだ。FMを聞きながらまた眠った。
ここでまた新機能に驚いた。4時過ぎ目を覚ますとFMが切れていた。
エンジンをかけてない状態でラジオなどを聴いているとバッテリー保護のため自動的に1時間で切れるようでした。
2日目(27日)快晴。
早めに朝食をすませ、大杉谷へ向かう。当初の予定は千尋滝までの予定だったが、天気がいいのでシシヶ淵までの往復とする。
国道422号線をひた走り、宮川貯水池沿いの狭い道に入り、宮川第三発電所近くの林道終点に車を止める。
車は数台止められるが、3台ほど止まっていた。六十尋滝見は後にして、千尋滝へ向かう。
あれは何年前だろうか、確か38年前だろうと思う。
「大杉谷という滝が多く面白い峡谷が近くにあるので行ってみないか」と誰かがいった。
鈴鹿にいたことと、富士山へ登った道具を皆がもっていたため、何人かの仲間がすぐに集まった。
11月23日の勤労感謝の日、仲間数人と近鉄に乗り、バスに乗って大台ケ原まで行った 。
日出ヶ岳から下る一方、その日は桃の木小屋泊まり。
七つ釜滝は見たのだが、その記憶はない。
翌日も快晴、すばらしい滝が多かったことと、鮮やかな紅葉が印象的だったことは先鋭に覚えている。
宮川貯水池は渡船に乗り松坂まで出た、今回はそれ以来だ。
登山道はどうだったかは、全然覚えていない。
今日も快晴、絶好の登山日より、千尋滝に着くと先行の男女2名がいた。

沢登りの格好をしているが、日本語を話していないので、挨拶にとどめる。
天から落ちるような上部は見えるが、下部は新緑の木々に隠れている。
飛び石で渡り、簡単に下部へは行けるような感じだったが時間があれば、と考え先に進む 。
30分くらいで、最終目的のシシヶ淵に着いた。
シシヶ淵手前の淵が丁度いい光の状態でグリーンに染まっている。
シシヶ淵は太陽の光がまだ届かず、午後になりそうだ。
快晴のため、光が差してくるまで時間をつぶすことにした。
待つこと約3時間、午後1時頃ようやく光が差し込んでグリーンの色を帯びてきた。
風がやむのを待ったが、常に谷風が吹きさざなみが立つ。適当なところで妥協し、帰路に着く。
途中かなりの登山者とすれ違う、午後出発してきたグループも2,3組いた。
丹沢などでは、あまり考えられない、せめて山小屋には3時頃までには着きたいものだ 。
おそらく、遅いグループは5時を過ぎるだろう。
早朝出かければ、七つ釜滝日帰り往復も可能だろう。
つぶした時間が長かったため、千尋滝下部はあきらめた。
道路脇に落ちている六十尋滝に寄る。これもどでかい滝だ。
見えない上部を含めると60M以上あるだろう、こんな滝がゴロゴロしているのが、台高山地だ。

さあ。明日の第一番目は赤ー谷の大滝だ。宮川ダムまで戻り、大和谷方面へ左折する。
吊橋を車で渡り、大和谷発電所が見える道路に車を止める。
落石が多い道路なので止める場所を少し歩いて探してみたがいいところがない。
結局、道路の広いこの場所が最適ときめ、ここを今宵の宿泊場所にする。
正面には、大岸壁群と目指す赤ー谷の大滝の上部が見えている。
出会いまでどう行くか、林道を少し歩いて調査したところ、丁度ヤマシャクヤクの花が数株咲いている場所を見つけた。
これはラッキー、帰り際に撮っていこう。出会いへは発電所前の橋の右から簡単に行けることを確認し、ビールがないので、酒を飲む。
こんなところに泊まる人間もいないだろう。
3日目(28日)快晴。
6時50分出会いに着く、階段状の滝だ。右から巻き、谷は大石が多いのでなるべく右の植林帯から谷近くを歩き、大滝近くで谷に下りる。
手前の小さな滑滝を登ると大滝の前に出た。ここまで30分。
林道から見える上部は30Mくらいあると思うが、真下から見上げる上部はかなり縮んだ状態だ。
トータル50Mくらいか。下りはなるべく植林帯中の巡視路を利用し出会いに戻る。
山芍薬は丁度朝日が当たりいい感じでした。さぁー、次はカラスキ谷にあるレンガ滝。
国道から左折し舗装の林道に入ったらすぐに鍵がかかったゲート、脇の公園に車を止める、ここにはトイレと着替え場所が設置されている。
広く舗装された林道をかなり高度を上げながらてくてく歩いていく。もうかなり暑い。

林道終点には地元の車が1台止まっていた、ここまで車が入れるとかなり楽なんだけどね。
終点から登山道を少し行くと、古ヶ丸山とレンガ滝の分岐。
滝までは林道から10分くらい、かなり高いところにある滝だ。
2段30Mくらいか、落ち口には石楠花の花が咲いていた。
滝壺は深い、日が差しグリーンに光る。右壁は赤く積んだレンガのような地層だ、名前の通りである。
ここは撮影も含め、往復3時間くらいかかった。午前の部はお終い、今日最後の滝へ向かう。
少し下った大熊谷沿いの林道に入る。
ここはゲートなし、最初の分岐谷東俣谷がある簡易な駐車場に車を止める。
本流はほとんど水がない、入口にある木の梯子を登る。
入口は小さく水量もそれほど多くはない、こんな小さな谷に大きな滝が二つもあるなんて、やはり台高だ。
歩いて行くとだんだん水量が多くなっていくような気もする。
最初に2段10Mくらいの滝、次はまた2段15Mくらいの腰折滝が続く。
さらに登ると、見上げる高さから落ちる不動滝がドーンと出てくる。
公称落差60Mとあるが、もっとあるだろう、台高の滝はほとんどが額面以上だ。
正面から太陽が当たっているので、少し写真を撮っただけで、さらに上へ進む。

この滝の巻きは一見かなり大変そうだ、簡易な印がある右のザレ斜面を登って行くが、上を見上げるとすべて岩壁がふさいでいる。
どこに弱点があるんだろうか、と思いながら直上すると、ここしかないと思われる岩溝に、電線ロープがあり、割合簡単に越えることが出来た。
不動滝の落ち口から下を見ると、かなりな高度だ。
あとは沢沿いに注意しながら行くと、上の大滝、夢幻滝が見えてきた。
ここまでは濡れることなく、運動靴程度でも大丈夫でした。
この滝も公称落差40M以上ある、下の滝も含めれば、60Mくらいだろうか。
上部は日光が当たっているので、ゆっくり休憩がてら、滝を眺める。
今日は最後の滝だが、かなり足にきているので、岩にもたれながら時間をすごした。
ほぼ日が翳った状態になったところで、おもむろに撮影。
満足したところで、ゆっくり下山、往復3時間くらいかかった。
今宵の宿は道の駅飯高だ、さぁー早くビールが呑みたいなあ。
国道422号線の狭い道を走る、国道166号線を少し松坂よりに下ると道の駅に到着 。
オデンが食べたい、確か近くにフャミリーマートがあったと思ったが、店が見つからない。
訪ねると、もう少しくだらないとコンビニはないらしい。
5Kほど下るとサークルKがあった、つまみとビールを調達、また道の駅に戻る。
日帰りの湯があるので駐車場は結構込んでいたが、湯客の駐車している真ん中に車を止め、ベンチで一杯始めた。

いずれ周りの車はいなくなるだろう。疲れたので、明るいうちに横になる、0時半目を覚ますと、周りに車はなし、正解だった 。
ラジオ深夜便を聞きながらうつらうつらする。
今日は昭和の日、昭和30年代の歌謡曲だ、丁度小学校から中学校の時代でなつかしい 。
4時からの対談は、天野祐吉と下重暁子、いつもはずれのない面白い話しだった。
さー今日もいい天気。3日目(29日)快晴。
今日の予定はスメール横にある中の谷川だ。
今日も早めに出発、出会い近くのスペースに車を止める。
新しい林道が右岸沿いに延びている。出会いの水量はあまり多く感じない。
外気温は8度、少し寒い、植林地を横切り、綺麗な滑床に立つ。
あまり水に入らず、左右にある仕事道をさぐりながら、なるべく楽をして進む。
早くも少し深い淵がでてきた、左から巻き谷を進む。
これからは、結構、通過できない淵が沢山出てくる、ほとんど小さく巻ける。
少し谷を遡行すると、大石がゴロゴロする先に三壺の滝が見えてきた。
左からまき気味に大石をかわし、滝の前に出る。
滝壺は深い、丁度まん前に平たい石があり、滝見には丁度いい。
見る角度によって少し姿が変わり面白い。ここも上部に石楠花の花が咲いていた。
さぁーてこの巻きはどっちだ。左はかなり高く巻かないと行けそうもない、右は岩壁が多く困難そうだが、落ち口は近い。
とりあえず右にとりつく、ここから下は10Mくらいのスラブが続き、もう下からはせめられない。
上を見ると、なんとなくヌタハラ谷の夫婦滝の巻きに近い感じでかなり微妙。
狭く、ザックがひっかかる場所があるので、ザックを上に押し上げ、ハイハイして抜ける。
丁度落ち口を見下ろす形で小さく巻き登ることが出来た。
しばらくは、沢を歩くと滑と淵が連続するゴルジュになってきた。

ここは小さく左岸沿いに巻き道を選びながら登っていく。
かなり際どいところもある、なんとかゴルジュの上に出ることが出来た。
また安心なゴーロ歩き、谷幅も広くなり、明るく日差しがまぶしい。
大きな淵が出てきた、やっと目的の滝が淵の上に見えてきました。
問題はどうやってこの大淵を越えるかだが。
左は岩が発達していて無理、右の立ち木まで登ればなんとかなりそうだ。
最悪は泳いで越えるしかない。幸、淵の手前は暖かい広場なので、ここで身体を乾かせそうだ。
右から登り下を覗くと、ロープを出せば、安全に降りられそうだ。
丁度階段状の岩も助かる。下降5M、大淵上の滑に降り立つ。
第一支流40M滝の前に出ることが出来た。しばらく写真を撮ってから、大淵前まで戻る。日差しを浴びながら、ゆっくり休憩。
さぁー下ろう、登りがかなりシビアだったため、植林帯の踏み跡を拾いながら、大きく巻くようにして降りて行く。
途中、2名のペアが遡行してくる姿が谷に見えた。
丁度、ゴルジュ帯の前だ、下に降りて声をかけたが、気がつかなかったようだ。
この谷の難しい所は2箇所、三壺の滝とゴルジュの巻きだろう。
何れも植林帯へ逃げるように進むと比較的楽に歩くことが出来た。
出会いに戻り、止めてあったナンバーを見たら、何と横浜ナンバーでした。
さぁーあとは帰るだけだ、三日間歩いたのでかなり疲れを感じる。
スメールの温泉に浸かる、褐色の湯、ああ極楽極楽。
あまり早く出ると高速は込んでいるなあ、と思いながら、ゆっくり時間をつぶした。
高速に入ると、案の定、亀山から鈴鹿まで渋滞ランプがついていた。
明日は休みなので、ゆっくり休憩しながら走る、伊勢湾岸道からは渋滞なし、中井から先に出ていた渋滞も解消し、0時前に帰着することが出来た。

トップへ戻る