丹沢・続花女郎道と馬頭観音


20年11月22日(土)快晴。
ネットで検索してたら、面白い記事があったので、先週に引き続き、皆瀬川周辺を歩いてみた。
八丁周辺には、嫁取道として、花女郎道という山道が、山北や寄、玄倉といった周辺地区へ通う道があったという。
それと、道脇に哀愁をさそう馬頭観音像が点在していて、探して歩くのも、楽しい。
今週は、高松山を中心にオオタ沢周辺を歩いてみる。
オオタ沢は遡行したことがあり、屈曲した支流との分岐付近に幾つかの滝場がある。
そこの近くまで、地形図にはない林道があるのだが、道が狭くダートの道で、車高の低い車は入りにくい。
今日は、山北町西部から、東名を渡り、舗装された林道を上る。
途中、東名を渡る橋が強度不足の工事で通行禁止と書いてあったが、まだ工事が始まる時間前だったこともあり、何もなく通過。
山の上にある工場脇を通り、滝沢林道と交わる尾根上まで走る。
滝沢林道は、法面補強工事で一般車両通行禁止と書いてあったため、こちらが正解だった。
この辺に対岸から帰って来る予定なので、ここの分岐に車を止める。
歩き始めるとすぐに茶畑があり、南には相模湾と伊豆大島が見えていた。

少し歩くと左にオオタ沢へ降りる地図にない林道との分岐。
舗装の続く林道を真っ直ぐ進む。登り坂になり、民家の上を行く林道に入る。
ここからの富士の眺めは見事だ。今日は雲一つ無い快晴で空気も澄み、眺めは最高だ。
こんな上にも民家があるのには驚く。すぐに林道の終点になる。
林業作業をする人たちが乗っている軽ワゴン車が止まっていたので、高松山までの道を聞いてみた。
「とにかく、いい道を一杯作ったので、間違えないように進めば、大丈夫だ」と言ってくれた。
早速、仕事道に入る。登りぎみの道を選び、638M峰を巻くようにして、どんどん歩く。
最後の方で、少し下りぎみになり、我慢しきれなくて、尾根方向に登る。
忠実に尾根を拾いながら歩き、なだらかな植林帯を降りて行くと、前方に道標が見えてきた。
出たところは、ピッタシカンカン、ビリ堂でした。
おそらく、仕事道を真っ直ぐ歩いていても、もう少し下の登山道に出ていただろう。
ここには、二つの石仏があり、一体は馬頭観音像だ。
ビリ堂の由来や、花女郎道と馬頭観音像についての解説が記してある。

ここからは、少し急坂になり、やや荒れた登山道を登って行く。
尾根の分岐から、右に曲がり、ほんの少しで高松山の頂上に着いた。
時間は9時15分、こんな時間にこの山に登ってくる人はいない。
富士山方向の木を幾つか切ったらしく、以前よりは、まともな富士山が眺められるようになっていた。
誰も来ない山頂で、しばらく撮影し、高松山をあとにする。
さて、今日の本題である、馬頭観音像を見に行くため、ビリ堂の分岐点を左折せず直進する。
鹿柵沿いに進み、小尾根を下って行くと、見覚えのある手書き道標のところに出た。
右シダンゴ、直進、八丁花女郎道である。
八丁方面の急な下りを終えると、林班界標がある分岐に出る、”かながわ森林づくり公社の杭”があるところだ。
左尾根に薄い踏み跡が続いている。左折し、踏み跡を拾いながら西に続く尾根上を歩く。
時折踏み跡は消えるが、尾根近くを歩いていれば特に問題ない。
657Mのピークから少し北西方向に歩き、620くらいのピークへは西方向に進む。
尾根が平らになると、広い防火帯の道になる。
そのまま西に進むと、広い幅のまま急な下りが南方向の尾根に続く。
この防火帯を下り終える途中の左側に、目指す馬頭観音像があった。
明治時代に設置された観音像だ。柔和な顔の上には、オオカミという説の像が乗っていた。
なんとも今では人知れず、訪れることがないだろう路傍にある姿は、昔の人々がどんな思いで歩いていたのだろうか。
昭和40年代の地図には黒波線の道があったが、今の地形図では、途中で終わっている。
この観音像を見ることが目的だったので、今日の目標は達成できた。
ついでに、隣の465M峰に登ってみたが、ここも植林でふさがれ何もなし。
ここから、間違っても八丁側に降りてはいけない。
向きを南に変え、オオタ沢目指し、適当なところを下る。
地形図で見ると、結構詰まっているところで、ロープを出しながら降りた。堰堤下の踏み跡があるところに出る。
堰堤上で一息し、今度は対岸の植林帯をゆっくり登る。
どの辺に出られるのか良くわからないが、ほぼ真っ直ぐ登った。
急な植林帯から、なだらかな植林帯に変わり、そのまま南に登って行くと、ダートの林道に出た。
あれー、こんな林道あったっけーと思いながら、左登り方向に歩くと、すぐに舗装された林道に出た。
ダートの林道は、送電線の巡視道のようだった。
舗装の林道を左折し少し歩くと車を止めてある林道分岐に着いた。
車までほんの400Mくらい、まあまあの場所に出られたので、結果オーライでした。
短い晩秋の一日歩きには、ほどよい行程でした。
地図は、昭和40年代の昭文社地図です。

車―――ビリ堂――高松山――馬頭観音――車

7:35  8:35   9:15  10:50  13:10

 

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