奥多摩・長沢谷



4月30日(金)快晴。
日原林道のゲートが開いていたら、長沢谷へ行こうと思って出かけた。 天気快晴、気温も上がるとのこと、沢歩きには申し分ない天気だ。
心配していたゲートも開いており、林道も整備されていて、走りにくいところはなかった。 オオダワ林道口には、すでに3台の先行車が止まっていた。
ほとんどが雲取山登山者だろうが、はたして、釣り師はいるんだろうか。 同様に車を止め、登山道を下る。
長沢谷を横切るところから、水流沿いに遡行を始める。 人の入った気配はなく、釣りの人はいないようだ。
たんたんとした、釣り向きの流れが続く。
左岸に壊れた小屋が落ちており、その上の方が少し平らに見えるので、多分、林道の終点か。 帰りは、ここから上がって、林道を下って見よう。
沢は右から水量のある枝沢を合わせ、本流は少し狭くなる。 ここを突破するには、胸くらいまで浸かりそうなので、左にある巻き道を登る。
途中、崩れたところがあり、ロープを出して、慎重に渡る。 釣り人には、やや苦しいところだ。
ここを過ぎると、また平凡な釣り向きの流れの沢が続く。 滝はなく、ちょっとした深みのところには、釣り人が付けただろう、小さく巻く道がある。
こんな何もない流れを1時間ほど歩く。 魚影はあまりなく、釣りにも難しい沢のようだ。
しばらくして、ようやく一つのポイントである、日陰沢との分岐に着いた。
両沢とも、穏やかな流れで、キャンプにも最適なところだ。
水量比は、同じくらいに見える。
ここまでは、本当に何もない沢で、釣り人しか入らない沢だ。 少し行くと、両岸が狭まり、沢は直角に左カーブする。
深い水とゴルジュの向こう側に、目指す長沢大滝が、飛沫をあげながら、堂々と落ちていた。 以外と立派な滝だ、陽光を浴び、光輝いている。
ゴルジュを含んだ写真も、絵になる風景だ。
滝下に行くには、この深みを突破して行かなければならないが、ここも胸くらい浸かりそうなので、巻きを考える。 よく見ると、左は難しい、右の小沢から行けそうだ。
小沢から小さな岩を乗り越し、倒木につかまり、痩せたガレを慎重に下り、滝下に降りる。 滝下には、左から小沢が3Mくらいの滝を落とし、二重の滝になっている。
間近から見上げる大滝はすばらしい、落差は13Mほど。 飛まつは、陽光を浴び、虹を作っている。

雲が出そうもなく、ハイコントラストの写真しか撮れなかった。
さて、ここはどうやって滝の落ち口に行こうか。 どうやら、左の小滝の脇を登るようだ。
小さなホールドを確認しながら、小滝の上まで登る。 途中、一つ、残置ピンがあった。
小沢は、すぐ上の岩下から水が流れ出ていて、とても冷たい。 一息つくには、最高に美味しい水だ。
次は、大滝横のやせた岩を登り、滝上に出た。 滝上の流れは、また、釣り向きの穏やかな流れが続く。
5M・2条の苔むす滑滝を過ぎる。 少し歩くと、両沢とも滝になって落ちている二俣だ。 左5M、右4Mの滝。

今日の目指す最終ポイントに着いた。 ここも絵になる風景だ。
水量から見ると右が本流だろう。 ここで引き返し、大滝下まで戻る。
ここで滝を見ながら、ゆっくり食事休憩をした。 時間もあるので、日陰谷も覗いて見ることにする。
ここには、大滝と延吉地獄というところがあり、興味を引く。 はたして、どんなところだろうか。
入り口は穏やか、水量は本流と同程度だと思っていたが、入って見て解るのだが、半分程度だろう。 すぐに4Mの滝が出てくる。
ここを右から乗り越すと沢幅は狭まり、幾つかの深い淵が出てくる。 たぶん、ここが延吉地獄だろう、巻き道はなさそうだ。
淵は小さな崖崩れで少し埋まり、2箇所の淵には丁度いい倒木が水中に横たわっていた。
足を踏みはずさないように渡って行くと、太ももあたりまでで済んだ。 水量の多い時は、少し苦労をするんじゃないか。
ここを乗り切り、しばらく歩いて行き、正面に小沢を分け、沢が右に曲がると、大滝が出てきた。 落差は15Mほど、トイ状の滝である。
ここの巻きは左から登れそうだ。 この沢も、ここまでが一応の目的なんで、ここで引き返す。

日陰沢出会いに戻ると、本流先に釣り人の後ろ姿が見えた。 相手は気づかないので、そっと下る。
顔を合わせないで良かった、たぶん、歩いた後なんで釣れないだろうね。
本流を下り、最初の巻き道のところまで来た。 ここは枝沢を見ようと、左岸の尾根に上がってみたところ、こっちにも、巻く踏跡があった。 こちらの方が安全だ、尾根から枝沢に降りて行く。
少し小滝が見えたので、枝沢を探検してみたが、すぐ上には山葵田跡が連なり、水も以外と早く消える。 結局は何もない沢だ。
本流に戻り、正面を登って見ると、林道跡らしき広場に出る。
小さな踏跡はあるんだが、ほとんど道の跡はない。 崩れたところが多く、踏み外すと沢まで落ちそうだ。
やっと本当の林道終点に出た。 車が見えるので、止めたところから100Mくらい先のところだ。
林道跡は危険で、登山道からの遡行の方がいいだろう。
結局、長沢谷の見所は、大滝二つと二俣の滝。
滝見として歩くのはいいが、遡行として歩くには、つまらない谷かもしれない。 遡行に関しては、日陰谷が面白いだろう。
さあ、帰ろう、続く連休はどうしようかなあ。

車―――日陰谷出会――長沢大滝――二俣――日陰谷大滝――車

8:25  10:10   10:20   11:00   13:30  15:20

 

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