南紀の滝


9月19日(土)〜23(水)晴。
連休を利用して南紀にある滝を見てきました。
行き先は一日行程毎に分け、三重県松阪市飯高町にある高滝・風折の滝、布引の滝、 那智山二の滝・三の滝、立間戸谷、小木森滝、その他とする。
天候により、行く順番は考えようと思ったが、心配する必要がなかった。出来れば1日雨がほしい、贅沢な悩みだ。
5連休になるため、渋滞を考え、金曜日の夜出発し、0時まで最終パーキングで待機するつもりで出発。
豊川ジャンクション手前で早くも15KMの渋滞、30分ほど余分にかかってしまった。
時間には余裕があったので問題もなく、休憩を取りながら嬉野パーキングに着く。ここでシートを倒し、寝る準備をしておく。
0時少し前になったところで出発、勢和多気インターで降り、今宵の宿泊地”道の駅飯高”へ向かう。
0時40分頃、道の駅に到着、ビールを一杯飲み、即眠りに付く。
翌朝目覚めると快晴、湯を沸かし、どんべいを食べて、最初の目的地、宮ノ谷に向かう。
ナビまかせで道に迷うことなく、林道終点の登山口に着いた。

車は一台もなく、誰もいない。7時少し前に出発、沢沿いの登山道を歩く。
小1時間で水越谷との分岐に着く。
日当たりからして、まずは高滝へ行く。
20分くらい登山道を歩くと直瀑の高滝に着いた。
水量は少なめ、しかしながら、南紀の谷はもともと水量は多いから、立派な姿をしている。
しばらく写真を撮ってから、巻き道を登る。
滝を見ながら登れるため、気分はるんるん、トラロープを持ったら、目の前にコロンと何かが落ちてきた。
なんと60cmくらいのまむし、登山道からどく気配がないので、棒で下に落とした。
それからは、注意しながら歩いたが、1日で4種類5匹の蛇とご対面してしまった。
右の崖下を巻いて行くが、随所にトラロープがあるので、割合気楽に登って行ける。
横から眺める高滝はスケール感があっていい。
落ち口のすぐ上には猫滝が続いていた。
落差は15Mほど、深い釜に落ちる綺麗な直瀑だ。
猫滝上からは、落ち着いた沢の流れがあり、登山道は沢と平行して続く。

しばらく沢沿いを進み、道が右上に上がるところで、ちらっと滝が見えてきた。
ドッサリ滝だ。滝の正面に降り、日の当たる滝を眺める。
落差は20Mほど、幅広の滝だ。
日光が当たり燦燦と輝いている、水量が少なめなため、虹の姿はほとんど見えない。
ここで右俣の滝観賞は終了し、二股まで戻る。
二股で沢足袋に履き替え、水越谷にある風折の滝へ向かう。
登山道とところどころにテープがあったが、はっきりした道はなく、沢登りになる。
ロープが張ってあったりするが、沢を忠実に辿った方がかえってやさしい。
30分ほどで、断崖絶壁から落ちる滝の前に出た。
ここで今日始めてのグループに出会う、高校生らしい8人パーティーでした。
彼らは、十分休憩したあとらしく、私が着くと滝前のテラスから降り始めた。
彼らが去り、また誰もいない空間になる。
適当な風が吹き、右に左にと折れる滝を見ているとあきがこなく、非常に面白い。
水量も少なめなので、よく曲がる。
しばらく風折を楽しみながら、ぼけーと眺めていた。
今日一日の予定はこれで終了、車までゆっくり戻った。
天候の心配が無いので、明日は予定通り布引谷にある布引の滝へ行くことにする。
まずは登山口がある蓮ダム下を確認する。
吊橋の所に車を止めるスペースがあったが、ここで泊まるには味気ない。
泊まる場所を探しながら、ダム横にある案内板を覗いてみた。
対岸の道路際に幾つか滝があるらしい、走りながら覗いてみよう。

布引谷の右岸尾根には新しい林道が造成中で、途中から尾根に乗る登山道でもあれば、高低差が100Mくらい稼げるのになあと眺めてみたが・・・。
ダム下の登山道はかなり先の尾根に続くようなので、右岸に新しい道でもなければちょっと利用できないな、それとすぐに頑丈なゲートがあった。
布引橋を渡り、道路沿いの滝を見ながら走ったが、すべて水の流れがない。
本当に降水量の多い南紀としては、この時期珍しいことだ。
途中、桜を植えた公園があり、駐車場もあったので、今日の宿はここにすることに決めた。
今時期は誰もいない、FMがはっきり聞こえる位置を捉え駐車する。
夕焼け空を眺めながら、一杯始めた、今日は近くに店がなかったので、ビールなしは少し残念。
カップメンを食べて早めの眠りに付く。
夜中、ふと気が付くと、車が何台か止まっていて、テントの設営をしていた。
やはり連休、ものずきな人達がいるなあと思いつつ、またうつらうつらする。
ラジオ深夜便を聞きながら、夜明けを待った。
さあ二日め、今日も快晴だ。パンをかじり簡単な朝食とする。
6時過ぎ、ダム下の登山道に車を止める。
吊り橋を渡り、ゆっくり登山道を登っていく。
気温が高めなので、早くも汗がしたたり落ちてくる。
Tシャツ1枚になり、尾根まで上がる。
40分ほどで、小屋のある平らな尾根上に到着、休憩するところとしては丁度いい。
これからは、ほぼ水平な登山道を歩いていく、やや荒れているので、多少注意も必要だ。
見晴らしのいい崩壊地が出てくる。これから登る左岸の伐採地も良く見え、方向の確認が出来る。
崩壊地を横断し、少し歩くと沢への分岐点だ。
木に白ペンキで滝と書いてあった。右に折れ、沢に向かって降りていく。
それほど下るという感じではなく、緩い水平道という感じだ。
沢を飛び石で横断し、仕事道を拾いながら、植林地をジグザグに登っていく。
15分ほど登ると広い伐採地に出た。
ここから上流方向に何段にもなって落ちる布引の滝の全容が眺められた。
伐採地を上へ歩けば、ベストスポットは探せるだろうが、木々の間からでも、十分、落差のある滝の姿を眺めることが出来た。
滝まで500Mくらいだろうか、公称落差は212Mとあるが、実際は150Mくらいだろう。
水量があればもっとすばらしいのだが・・・。
ここから、適当に下り、沢に戻る。

沢足袋に履き替え、大石ゴロゴロの谷を遡行していく。
やがて15Mの前衛滝を従えて、布引の滝が見えてきた。
下から眺めると下段しか見えないが、それでも雄大な景色だ。
前衛滝を右から小さく巻き、滝下に出た。
水量が少なめのため、ここでも風が吹くと風折の滝になる。
右の高みに登り、下二段の滝風景の姿を堪能する。
しばらくいろんな角度で撮影した後、右岸岸壁基部を登っていく。
適当に登って行くと、登山道らしき踏み跡に出た。
少し登れば、上段の滝下へ降りられると記録にはあったが、一部分のみ見てもしかたがない。
あとは、テープと踏み跡を頼りに下っていく。
登山道とはいっても、かなり荒れている、あまり歩かれていないようだ。
沢に降りた分岐点に着く。もう一安心、来た道を戻るだけだ。
今日の予定はここで終了、明日も天気がよさそうなので、一気に南下することにする。
ダム下から、狭い国道の山道を通り、大台町に抜ける。
国道42号線に出て、道路沿いにあった阿曽温泉に寄ってみた。
露天風呂が無く、ちょっと寂しいが、汗を流す身としては、十分でした。

42号線を南下しながら、適当に泊まる、道の駅を決める。
明日の予定まで1時間くらいで行けるところまで南下し、海辺で景色がよさそうな”道の駅御浜”が出てきたので、ここに泊まることにした。
ここはスーパーが併設であり丁度いい。
カップメンとパンにはあきてきたので、夕食と朝食分、酒、つまみを仕入れる。
国道を走っていて気が付いたのだが、以外と山が多く、町と町の感覚が遠い。
それと共に、ガソリンスタンドやコンビニも街中にしかない、早めに仕入れるように気をつけなければならない。
それと、通常の道の駅にはほとんど冷たいビールがなかった。
今日も夕焼け空を眺めながら一杯始め、あまり早く寝ないように努めたが、そのうちに眠り込んでしまった。
またまた、早めに目が覚め、ラジオ深夜便を聞きながら、明るくなるまで横になっていた。
日の出が見えそうだったので、歩道橋から海を眺めしばらく待機。
5時45分ころ水平線の上にある雲の上から太陽が昇ってきた。
海岸線と松とペアの二人を入れ、いい日の出の写真が撮れた。
朝食を食べて、今日の目的地である那智の滝へ向かう。
新宮からは新しい42号線のバイパス”新宮・那智道路”に入る。
ナビの地図にはなく、山の中を走っている、速度制限70KMなので、あっという間に、那智の滝へ向かう道路に着いた。

大門坂下にある無料駐車場に車を止める。
見たい滝は陰陽の滝、二の滝、三の滝だが、地形からして陰陽の滝に日が当たるのは昼ごろのような感じだ。
そのため、先に二、三の滝へ行くことにする。
朝の大門坂の石畳をゆっくり登る。今日も日差しが強く、朝から暑い。
青岸渡寺から定番の写真を撮り、那智の滝の下はあとでいいや、と思い登山道入り口を探す。
入り口がわからなかったので、近くの寺の人に聞いたら「入り口はそこですが、滝に行くには社務所の許可が必要ですよ」、と言われてしまった。
個人で来て、わざわざ許可をもらって登る人がいるのかなあ、と思いつつ、そのまま墓の奥に続く登山道に入る。
入ると看板がある”神域ですので許可が必要”とある。
まあ、ばちが当たらないよう気をつけて歩こう。
なるほど神域なので、登山道は階段で整備されている。
西谷との分岐から沢沿いの道になる。
沢沿いも玉砂利のように石を配し、厳かな感じがする。
二の滝は、そのまま本谷沿いを進むと大きな釜を持って現れた。
手前の倒木もいいアクセントになる。ここまでも神域の中らしい。
日差しが上部に当たり、コントラストが強すぎるため、しばらく撮影のチャンスを伺う。
あまりいい写真は撮れなかったが、次の三の滝へ行く。

三の滝へ行く沢沿いの道も少し整備されている感じだ。
水量が少ないので、滝の落ちる線が綺麗に出る。
落差は10Mほどだが、非常に綺麗な姿をした滝でした。
さて、帰り道はどうしようか、地形図を見ると、細い破線が尾根通しに陰陽の滝方面にあった。
はたして道はあるのだろうか、少し登山道を探ってみた。
沢沿いの登山道を三の滝が下に見える先まで歩いて見たが、はっきりした分岐は見つからない。
しょうがない、神域の登山道を戻ろうかと思いつつ、ゆっくり戻ると、三の滝へ降りる手前で、はっきりしない分岐があった。
良く見ると小さな看板に、上・花山と書いてある。
下に落ちていた木を返してみると、これにも花山寺跡と書いてある。何か道らしい、登ってみよう。
落ち葉があるので、道としてはわかりにくいが、小さな踏み跡が尾根に向かって続く。
小沢を渡り尾根に上がると、鳥居のような門が倒れていた。多分これが花山寺跡?。
これから548M峰目指し登っていく。もう、時折ある赤テープのみが目印だ。
548峰には小さく”滝見尾根”と書いてあり、登ってきた方向には”本谷”と書かれてあった。
テープらしき目印があるのもここまで、尾根道の方向が見えない。
ここで丹沢では使ったことのない磁石を取り出す。
地形図と降りる方向を確認しながら、それらしき尾根を下っていく。
間違って、那智の滝方向の大岸壁には出ないよう注意しながら歩く。
大分傾斜がきつくなってきた。もうはっきりした道は無い。

ある程度の方向へ降りて行けば、東の谷に通じる谷に降りられるはずだ。
ここで常に持ち歩くロープを出し、ほぼ直線的に谷を目指し、少し水音がする方向へ降りていく。
水の流れのある沢に出た、多分、陰陽の滝下に出会っている沢だと思う。
対岸に炭焼き釜跡が見られた。沢沿いに下ると、少しゴルジュ的な滑滝が出てくる。
左岸を巻いて降りると、突然、登山道に出た。
右烏帽子山・NO2、と書いてある。地形図にはない登山道だ。
すぐ下には数Mの滝が落ちている。登山道は滝上を横切り、陰陽の滝へ続く道に出た。
ほぼ、ジャストなルートだったようでした。ここには、上烏帽子・夜美の滝、右陰陽の滝の道標がある。
あとでホームページなどを覗くと陰陽の滝ー烏帽子山ー三の滝ー二の滝と周回するいい登山ルートがあるのがわかった。
陰陽の滝は、思った通り昼前後に日が当たり、虹が見られそうだったが、曇ってきたことと、少し時間がおそかったため、虹は見られませんでした。
ここでも通常より、水は少ないと感じた。
このまま、駐車場まで戻り、結局、那智の滝の下には行かなかった。
さあ、今日の宿泊予定地は”道の駅熊野川”、途中にある滝を見ながら走る。
まずは、桑の木の滝、落差は20Mほど、100選の滝としてはさびしい、この辺にはこれ以上の滝がごろごろあるのに。
次は道の駅に近い”鼻白の滝”。二段の落差のある滝だが、展望台から眺めるのみにとどめる。
あとは、100選の滝で布引の滝もあったが、時間も遅くなったため、そのまま、道の駅に入る。
道の駅には、ビールもつまみになりそうなものも無かったので、熊野川の町まで買出しに行き、戻る。
熊野川を眺めながら、一杯始める。明日は対岸に見える、立間戸谷に入る予定だ。

ここは、駐車出来る台数も少なく、店舗の規模も小さい、ロケーションはいいのだが・・・。
明日一日くらいは雨が降ってくれないかなあ、と願いつつ眠りについた。
立間戸谷だけは、水量の多い時に行きたかったのだが、予報に雨の見込みはない。
翌朝、朝焼け空だ、今日も晴れ。対岸の谷だが、ぐるーと回って8KM先になる。
熊野川町で右折し、対岸の細い道に入る。
立間戸谷に架かる橋の手前、登山道と書かれている道路脇スペースに車を止める。
町が作成した良い登山地図が箱の中にあったので、一枚いただいていく。
登山道は少しわかりにくいが、テープがあり、原則沢沿いに伸びている。
最初は水の流れがない伏流だ。右岸の植林地から左岸に渡り、大石の迷路のような登山道を登っていく。
再び右岸に渡る。水はこの登山道の上から姿を現す。
少し登ると源助滝と示す分岐に出る。滝も沢を覗くと上に見えている。
早めに大石の上を交わしながら降りると、下に門番のような垂直5Mの滝が見えた。
大石の下を匍匐前進、見えているのに、意外と滝まで行くのが大変だった。
滝を撮影後、忠実にテープを辿り登って行くと、楽に分岐まで戻れた、どうも少し道をはずして降りたらしい。
登山道は、源助滝から派生する岸壁を巻く為、急登になる。
巻き上がってから、今度は沢沿いに降りていく。

しばらく歩き、鉄梯子を登って着いたところがケヤキ平。
子の泊山登山道はここで沢から離れて登っていく。
ここで少し休憩し靴を履き替える。大石の間を沢沿いに登ると二股になる。
右には20Mの滝と滑の上に続く牛鬼滝の下部が見えている。
まずは、20M滝をロープが垂れている右側から登る。
大きな滑るような滝が目の前に現れた、牛鬼滝である。
おしむらくは、水量がほしい、しかしながら見事な眺めだ。
ここから、また二股に戻る。今度は左俣を登り、屏風の滝を見に行く。
両岸は柱状節理の高い壁に囲まれている。
大石の間を少し登って行くと、右屏風の滝、左柱状節理の大岸壁、ものすごい空間だ。
ここももう少し水量があればというところだが、贅沢をいったらきりがない。
右俣にはさらに数個の大滝が続くらしい、そのへんは地元の人にまかせよう。
さあ、あとは下るだけだ。二股近くになって、登ってくる二人を見た。
顔は会わなかったが、空身で、中間尾根を一気に登っていった。
多分、地元の人達だろう、躊躇せず、ロープのない右岸を一気に登っていったから。
登山道入り口に戻ると、他に3台の車が止まっている、京都と泉ナンバーがあった。

さあ、これで主だった予定は終了した。
下りながら、道路脇にある蛇和田の滝と飛雪の滝を見ていく。
共に道路脇にありながら、以外といい滝でした。
最後に小木森の滝を見て帰りたかったので、今宵の宿は”道の駅海山”に泊まることにした。
海山のスーパーで買出しをしてから、道の駅に入る。
またしても早めに目を覚まし、朝まで深夜便を聞きながらすごした。
すべての夜には星空が眺められ、天候に恵まれた連休でした。
さあ、今日は連休最後の日、あまり早く帰ると渋滞に会うかもしれないが、もうそんなに込まないだろう。
朝食後、林道に入る。どこまで行けるか解らないが、出来れば、小木森の滝が見えるところまで行きたい。
少し走ると、通行止めの看板がある。無視して走る。
途中、道路上に重機が2台あったが、脇をすり抜け、どんどん登って行く。
スピードを落とし、落石の石に注意しながら登って行く。
やがて左上に大きな滝が見えてきた、一目で小木森の滝とわかる落差だ。
もっと全体が見られないかと、さらにカーブを2,3度登って行く。
全体像が見られるところに出た、以外と近い、直線距離で500Mくらいか。
V字状の谷、滝前のやせ尾根、落差のある上段の滝、下段の滝と滝壺、上段の滝壺付近が見えないだけで、ほぼ全容が望まれた。
こんなに真近で見られるとは思っていなかった。
少し下ったところでは、上段のみが少し幅広く見ることが出来た。
下る途中、工事関係のトラック2台とすれ違った。
今日は休日で工事はなしと思っていたが、早朝、早めに来て良かった。
工事をしていたら、それより上には行けなかったかもしれない。
さあ、これですべてとどこうりなく終了、42号線に戻り、道の駅長島で休憩、整理する。
これもナビの地図にない大内山インターから高速に入る。
嬉野PAでおみやげの赤福を購入し、一路厚木を目指す。
道路情報では、渋滞もなく、交通量は多めながらスムーズに走ることが出来た。
富士川SAでやっていた、富士の写真展を覗き、夕方には自宅に着いてしまった。
天候に恵まれ、予定した滝を全部見ることが出来、大満足の旅でした。

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