大台ヶ原


東ノ川、三大瀑訪問記

かねてから行って見たかった奈良県大台ヶ原にある西の滝、中の滝、東の滝、 を夏休みを取り、見に行った。
西の滝は落差150M、中の滝は落差250Mで日本名瀑100選の滝、東の滝は落差25M、 これらの長大瀑が一カ所にかたまってあり、しかも、大台ヶ原駐車場から短時間で行ける距離にある。 これは行って見るしかないと思っていたが、なにせ時間と金がかかる。
今回の計画は一泊二日、駐車場で車中泊の予定で、天候により見られなければ、もう一泊のつもりで出かけた。 朝7時に出発。 東名高速厚木から入る。
お盆休みに入るところだが、まだ金曜日のため、渋滞は無く、比較的楽にドライブし、岡崎インターで降りる。 ここからは費用節約のため、一般道を進む。
国道23号線を亀山まで行き、名阪国道に入る。 どちらの道路もトラックが多く、交通量も多かったが、70キロから100キロのスピード でとばす。
気を使ったのは、初めて走る道路なので、行き先案内板と、無人取り締まり機だ。 地元の車と同程度のスピード走ることで、まず大丈夫だろうと思い、流れに乗る。 それにしても名阪はみんな飛ばす。
60キロ制限を100キロのスピードで行くのだから。
名阪針インターで降り、狭い一般国道を地図を見ながら、大台ヶ原スカイライン方向へ走る。
山の中だが、交通量も少なく、案内板もしっかりしていたので間違えることもなく、大台ヶ原駐車場に着く。 時間は4時50分、走行距離580キロ、出る時満タンにしてきたが、まだ余裕がある。
まだ日没まで時間があるので、偵察をかねて、シオカラ谷の吊り橋まで散歩。 吊り橋まで20分、明日行く滝見尾根の道はどこかなと、橋を渡って探すと、 橋のすぐ脇に、通行禁止の立て看板があった。
心配だったのはこの先の道が簡単に行けるのか、監視人か誰かいて行けないのか、と考えていたが、 よけいなとり越し苦労だった。 少し滝見道の沢沿いの登山道に入り、東の滝落ち口まで行ってみる。
しっかりした道がついており、明日の滝見に思いをはせながらここから引き返し、駐車場まで戻る。 あと心配なのは天気ばかりだ。
広い駐車場には10台ほど車が止まっており、すでに止めて出かけた人、これからここに泊まる人 それぞれだ。
寝袋を広げ、泊まる準備も一段落し、外で休憩していると、やはりここで泊まるという老人が話しかけてきた。 聞けば大阪の人で、ここにもう5日も泊まっているという。 散策しながら自由に歩き廻って美味しい空気を満喫しているという。 天候を聞くと毎日雨、今日の午前中のみ、まあまあの天気だったらしい。 気温は日中25度くらい、朝方は15度くらいらしい。 車の中で寝るには丁度いい快適な温度だ。
1時間ほどおしゃべりし、うす暗くなってきたところで、下で買ってきたパンとビールで夕食、 さあ夜は長いぞ。
寝袋に入ってもなかなか寝付けない。12時頃まで、時々車の音とライトの光が気になる。
空を見ると薄い雲の切れ間から下弦の月が登っている。明日の天気がこのまま続けば大丈夫だろう と思いながら眠りに入った。 少し明るくなった5時頃、目が覚めた。
まず心配な空模様をみると、一面雲っているが、高い雲のようで午前中くらいは持ちそうな様子、霧はない。 トイレとおにぎりで朝食をとり、早めに支度をする。
昨日偵察したシオカラ谷、吊り橋まで下る。 通行禁止の立て看板のところから滝見道にはいる。
道はしっかり踏まれており、むかし展望台までは一般ハイカーが行けたらしい。 滝の水音は聞こえて来るが、樹が茂って遠望がきくところがほとんどない。 千石嵒の垂直に続く岸壁が右に見える。
尾根道に入って30分、やっと待望の、中の滝の上部が大きく見えた。 なるほど、250Mの大瀑である。何ともいえない感動がわいてくる しばらく急な下りを笹をかきわけ進むと、大きな岩の上に二本の松がある、滝見展望台に出た。
目の前正面に中の滝、左に西の滝、シオカラ谷に小さな滝、三つの滝が一望出来る、すばらしいところだ。 ここまでは少々藪がうるさいが、そう危険なところはない、立派な登山道だ。
ここから先は沢までの急な下り、途中トラロープや両手を使っての下りはあるが、ここもしっかりした登山道。 出たところは西の滝の正面だ。沢床に降りるのに鎖がある。ここはすべりそうなので慎重に鎖をたぐり、 平坦な岩の上に出る。
西の滝の雄大な眺め、中の滝はその100Mくらい上、下段の滝しか見えない。
沢は大きな岩がごろごろしていて大変そう、大岩には鎖やトラロープが下がっている。 ここで渓流シューズに履き替え、中の滝の下までの遡行を試みる。 適当に岩の間や大石の間を進むと、赤丸や赤矢印があり、ルートが何となくわかる。
中の滝の滝壺まで行く。真下から見る下段は迫力があり、水しぶきが飛んでくる。 ここまでで、出会いまで戻る。 しばらく、最初に沢に出たところで滝の眺めを楽しんだ。
朝が早いため、霧もなく、滝の上部まで全貌が眺められたことは運がいい。 しばらく眺めていたら、上部にうっすらとガスがまいてきた。 なるほど、雨が多く、簡単には晴れない、大台ヶ原ならではの気候だ。
さあ、今度は降りてきた道の逆で、急な登りだ。ゆっくり休みながら登ろう。 標高差は500Mくらいかな。時間はあるし、滝を見る目的も果たしたし、気分は充実だ。
東の滝上まで戻り、この滝の写真を撮ろうと思い、少し下へ降りるが、手前の岩がじゃまをし、 水流が全然見えない。しょうがない、沢床まで降りるのに手持ちロープを使い、下へ降り立つ。
降りたところの木に、沢登り愛好家グループがつけたらしい、小さな目印の手形のようなものが、 ぶら下がっていた。
東の滝の姿は沢に降り、正面に廻らないと見えない。 この滝も立派な滝である。
しばし眺めてから、さきほどの登山道まで登り返す。 滝落ち口から、吊り橋までは、歩きやすそうな滑が続いていたので沢に降りる。
汚れを水で洗い、気持ちのいい滑のなかをを自由に歩く、気分は最高。 橋の下には家族づれや、2、3のグループが水と戯れていたり、昼寝をしていた。 ここまで来ると、一般の観光客も通る散策道だ。
苔むした林や鹿を眺めながら、ゆっくり駐車場まで戻った。 自動販売機のビールでのどを潤す。なんともうまい。
今日は土曜日のため車はほぼ満杯近い、大型バスや定期バスの姿も見える。 しばらく休憩してから、今日の帰り道を地図でおい、大台ヶ原を後にする。
昼食は町に降りてからにしよう、長い帰り道だから、今日のうちに帰れるかな? 遅い昼食を食べてからはノンストップ、夜の国道23号、1号を東名高速を使わずひた走る。
途中、何度かあった高速への誘惑をさけ、箱根の山を下った。帰着23時50分、何とか今日中に着いた。

一日目 自宅―――岡崎インタ―――針インタ――――大台ヶ原駐車場

    7:00 10:30   14:00  16:50

二日目 駐車場――東ノ川沢床―――大台ヶ原駐車場―――針インタ――――自宅

    5:20 7:30  11:50 12:30 14:30  23:50

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