丹沢・小川谷


9月23日(金)くもり時々晴れ。
年齢とともに、身体に切れがなくなり、足のふんばりも効かなくなってきた。
もう危険な沢も潮時かなあ、なんて思う今日このごろ。
夏の締めくくりとして、今行っとかないと、もう行けないだろう”小川谷廊下”の大棚を見に出かける。
前回は3人パーティー、今回は単独、ゆっくり写真を撮りながら登ろう。

小川谷は、水量が多いと遡行困難だが、最近は雨も少ないので大丈夫だろう。 穴の平橋手前の駐車スペースに車を止める。
三連休の初日だが、小川谷を遡行する人はいないらしい。 人気の沢なので、誰か入る人がいると思っていたのだが・・・。
荷物は出来るだけ軽くするため、傘やカッパ、履き替え用運動靴などは、車においていく。
堰堤を幾つか下り、小川谷本流に降り立つ。 廊下入り口の滝まで20分くらいで着く。
水量は、通常レベルまたはやや少ないか、理想的だ。 2M滝を越え、5MCSの滝がやや難関。
右側に垂れるシュリンゲは、かなり怪しくなってきている。
しかし、頼らないと登れないので、補助的に利用し、階段状の倒木をズリズリ這い登る。
ここが、今日一の苦しさだった。 息を整え、次のゴルジュに突っ込む。
ほとんどの滝は、残置豊富、また丁度いい手がかりがあるので、適度な緊張感で登っていける。
前回よりも、釜が大分埋まっているようで、ほとんど腰程度で通過できる。
誰もいないし、時間にも余裕あるので、ゆっくり休憩と撮影タイムをとりながら登って行く。
小さな巻きもあるが、ここは水線沿いに登る方が楽、巻きはぬめった壁が多くかえって危険だ。
水圧に負けないように、頑張って突っ張ると胸まで濡れてくる。 白い花崗岩がとてもきれいだ。
時折薄日も差し、水もそう冷たく感じない。
釜は青く澄んでいて、真夏であれば、ジャブジャブ泳げる。
途中、大岩の滑り台は、下にあった倒木を踏み台にして残置を掴み、腕力で登りきる。 もう、この程度でもかなり疲れる。
上から覗いてみると、大岩の下の水流沿いからでも、登れそうだった。
少し歩くと、またゴルジュ。 ここには、支流の大コバ沢が、12Mの滝をかけて落ちているところだ。
沢幅も狭く、絵になるところ。 滝とV字谷のシルエットが美しい。

ここでちょっと失敗、なんでもないところでつまずき、滝の上の小釜にドボン。
頭から水を被ってしまったので、カメラが心配、幸こんなこともあろうかと思って、ビニール袋に入れておいたのが良かった。
上半身脱いで、水を搾り出す、また着ると、少し震えがきた、さあ、早く歩かなくちゃ。
幾つか滝を越えて行くと、この谷の盟主大棚が現れた。 やっと出てきたかという感じだ。
二段20Mというが、下の4Mを入れ、三段20Mというところだろう。 滝壷は以前の半分だ、全体に浅くなってきている。

今日の目的は、この滝を写真に収めるのが第一目標なので、ここまで来れてうれしい。
堂々と落ちていて実に清清しい。 さあ、気合を入れて左の岩塔を登ろう。
一歩一歩ホールドを確認しながら、ゆっくり登る。 ここを登りきると、もう怖いところはなし、日差しの出てきた滑を、たんたんと登る。
安心感からか、この辺は水と戯れる場所として、気持ちいいところだ。
最後のトイ状の滝がでてきた、ここは左から巻いて上がる。

さあ、見慣れた東沢の流れが見えてきた、遡行終了点だ。 服も乾きぎみになり、最高の気分だ、丁度12時、昼食タイム。
あとは、登山道を1時間も歩けば楽勝、これでビールがあればなあ・・・。
堰堤手前の踏み跡を拾い、登山道に出る。 この辺はとても迷いやすいところ、一番最初は見過ごして、とんでもないところまで行ってしまい、ビバークを余儀なくさせられた苦い思い出がある場所だ。
登山道も諸所変遷があるが、おおむね良好、林道まであっという間でした。
あらためて、単独では、この辺が限界だなあ、と思いつつ、小川谷をあとにした。
もう一つ、100選の滝の一つ、弥七沢のヒョングリの滝を撮影し、帰途についた。

車―――小川谷――ゴルジュ2M滝――大棚――――終了点――車

8:00  8:15   8:20     11:05   11:55  13:00

 
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