小木森の滝


平成28年5月18〜19日(水、木)快晴。
三年前のリベンジ、林道が工事中で行けなかった小木森の滝。
天気予報をにらみながら、行動予定を立てる。
今週の水曜日から数日間晴れマークがならんだ、決行だ。
行きがけにラジュースとニトリで枕を買って行く、車中でぐっすり眠るには枕は大事だ。
深夜割引を利用するため、奥伊勢パーキングまでゆっくり走る。
ここが有料道路の最終パーキングなので0時15分前まで休憩、紀伊長嶋料金所を0時6分通過。
その先は無料区間で、海山インターまで走り、コンビニでビールを買い、一杯飲んで”道の駅海山”で朝を迎えた。
パンを一つ食べ、林道を行く。

林道はそんなに荒れていなかったが水切のために盛った所がかなり高い、底を擦らないよう最徐行で進む。
車高の高い車だと問題ないが、軽自動車がやっと進んで行けるレベル、10Kくらいのノロノロ運転だ。
林道から小木森の滝が見える地点を過ぎ、しばらく走るとガードレールがある降下地点の堰堤が見えてきた。
ここまで無事走れてほっとする。
100m手前の林道が広くなった場所に駐車する。
朝がたは雲が広がっていたが、雲間は切れ、太陽が顔を出してきた。
さぁー行くぞ、1時間以内で到着だー。
しかし、そんな気持ちが空回り、何時間たっても、小木森の滝の姿は現れなかった。
まずは、堰堤横の山道をほぼ水平にどんどん進む。
尾根を回り込み、下に緩やかな流れの沢が見えてきて、道は沢沿いに続いている。
山道はスラブの壁を横切る場所まで続いていて、その先には30Mくらいの滝が見えている。
このスラブ壁を大きく上部から巻き、滝も続いて巻いて行く。
山道は途絶え、左岸を巻きながら進む。
簾状の10M滝が出てきた、虹がでていて眩しい。
もう2時間くらい歩いてきた、なかなか滝音はしない。

沢が二俣になってきた、本流は右股、もう、はっきりした巻き道もなく苦しくなってきたので。
巻きはあきらめ沢に降り、遡行モードに切り替えた。
すぐに、2条10M滝、その後は大した滝もなく、沢すじを進む。
やがて水は伏流になり、石の下へ消えて行った。
さぁーて小木森の滝がある沢は何処だったのだろう。
途中の左岸には滝がかかる沢が三つくらいあり、そのうち15M位の滝があった沢が、やや水量があり、多分その沢だったのか?。
この本流の奥ではないことはあきらか、もう4時間も歩いてきた。
すぐに着くと思い、昼食や水を持ってこなかった。
もう12時を過ぎている、疲れた、腹が減った、水だけは沢のしみだした所で飲める。
帰路はどの辺に滝があるのか考えながら来た道を戻る。
あーあ疲れたなあ、帰路、山道から上に続くピンクテープを見つけた、明日はこのルートを探ってみよう。
当初、1日ですます予定だったが、明日に期待をして今晩は林道上で1泊することにする。
幸い、パン1つとカップめんがあったので、なんとかなるだろう。
林道に戻ったときは4時すぎ、何時間歩いたんだろう。
林道上から望む小木森の滝を撮影、やけ酒を飲んで早めに眠る。
翌朝早めに目が覚める、月が煌々と輝いている、ラジオ深夜便を聞きながら朝を迎えた。

今日こそは絶対滝の姿を拝むぞ、と気合をいれ、水も500ml持ち、昼までには帰る気持ちで出発する。雲一つない快晴だ。
堰堤横から歩き、5分ほどで上に続くピンクテープを追う。
ほぼ尾根を直登していく、すると15分ほどで山道に飛び出た、何か拍子ぬけ。
テープは山道沿いにあり、やがて途切れる。
この道の先の方だと思いながら、どんどん進む。
やがて、3か所テープでマーキングされた場所があり、踏みあとが下へ続いていた。
ここは後で確認することにし先へ進む。
滝が続く沢を横切る。この沢が小木森谷かとも思って少し探るも、どうも水量が違いすぎて、さらに先へ進む。
途中小鹿が山道にうずくまっていて逃げない、その先で山道は右にまがりさらに上へ行く。
ここでどうも違うなと思い、山道を戻る。
3か所テープでマーキングされた場所まで戻り、少し下って見る。
すると、下に昨日歩いた山道が見えてきた、だめだ、もう一度戻る。
上の山道から、上に続くピンクテープが見えたのでそれを追う。
テープは尾根沿いにあり、滝が続いた沢の左岸を登って行く。

やがて、尾根から水がなくなった沢を横切り、右岸尾根を登る。
登りきると、すぐに山道に出た。先ほど歩いた先の道だろう。
しばらく歩いて行くと、ガレ沢を横切り、どんどん上へあがって行く。
はるかかなたには尾鷲湾や島が見え、周りを見るとかなり高いところまできた。
ここで地形図と合わせ、大きな思い違いがはっきりしてきた。
今日歩いた山道は花抜峠へ向かう登山道だ。
昨日歩いた山道は小木森谷上流に沿う山道、小木森の滝はさらに、この下の道よりは、落ち口が下にあることが始めてわかった。
なんてことだ、二日間とも滝の上流をさまよい続けたようだ。
ようやく、ふっきれた、という感じになり、上の登山道を戻る。
3か所テープでマーキングされた場所まで戻り、下の山道に降りる。
下の谷へ下りられる道を探りながら、ロープで谷まで下降する。
さらに下って行くと、落ち口のような雰囲気になってきた。
滝(6M)があるので右岸から巻いて降りるとようやく正真正銘の小木森の滝落ち口に出た。長かったなあ
遠く尾鷲湾と島々、町並みが見えている、やっと念願である小木森の滝落ち口に着くことが出来た。
さあー、中段テラスまで行こう。
あとは、黄色とピンクのテープに導かれながら、上段の滝壺まで降りた。
こんなにも近かったのか、入渓点はほぼ落ち口と同じ高さ、滝はこの道の下にあったのだ。
今日は水量もあり、すばらしい景観をみせてくれる。
道に迷わなかったら、もっと早い時間に到達でき、太陽もいい位置にあっただろう。
到着時は12時頃、太陽はほぼ真上だ。
なんとか、小木森の滝をみることが出来て、ミッションはようやく日の目を見た。
しかしながら、二日間の彷徨で、小木森谷周辺のイメージを地形図に落とし込むことができた。
今回もう一つ目的があったが、二日間連日8時間の歩きで疲れはて、帰宅することにした。
帰路も中井パーキングで時間調整、厚木インターを0時すぎに抜け、自宅に戻った。

車――――山道分岐――滝壺――落ち口

13:30  13:10   12:40  12:20

 

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