山梨・中ノ川、北精進、神蛇滝


11月18、19日(金、土)快晴。
毎年恒例の同期会を、今年は石和温泉でやることになった。 丁度いい、行くついでに、有名どころの滝を幾つか見に行くことにしようと計画する。
まずは、釜無川上流、中ノ川にある大滝を見ようと出かける。
この滝は、2年前に行こうと密かに思っていたのだが、国土交通省管理の林道が、台風による大規模な土砂崩壊で通行不能になり、あきらめていたものだ。
もう一つ問題がある。 かなり手前にゲートがあるらしく、ガードマンがいてうるさいらしい。
ネットで鋸岳登山を探って見ていたら、どうやら二つの問題はクリヤ出来そうだ。 林道は迂回道路が出来たらしいし、ガードマンは、登山の目的で交渉すれば、大丈夫らしい。
山梨の滝の本に紹介されている大滝と、その下にある連瀑を見てみたい。

前日、早めに寝て、早朝出発。 国道20号線をひたすら走り、山梨県に向かう。
空は快晴、最接近を過ぎたばかりの火星が、西の空に赤く不気味に輝いている。
セブンに車を止め、外に出ると、かなり寒い、国道途中の表示温度は0度を示していた。
国界橋を過ぎ、林道分岐を見逃さないように注意しながら走る。
左の山並みを見ると、そろそろ分岐がありそうだなあ、と思いながら少し走ると、信号のない交差点に、小さく武智温泉入り口と書いてある看板が目に入った。 ここだ、ここだと確認しながら、左折する。

まだ、外は薄暗く、走る林道の周囲の様子は良く分からない。 しばらく舗装された林道を奥へと走っていく。
少しずつ明るくなり、夜明けも近くなったころ、ゲート前に到着。 ゲート前には、駐車禁止の看板があり、車を止めにくい。
少し戻りながら駐車場所を探したが、あまりいい所がなく、誰もいないし、やや広いので大丈夫だろうと、結局ゲート前の駐車禁止の看板の前に堂々と止めた。
夜明けを待ちながら、パンをかじっていると、早くも一番手の作業員の車が来て、ゲートを開け、中に入っていく。
何か言われるかなあと、思っていたが、作業員は鍵を開け、サッサと行ってしまった。

こういう所の現場は早い、ガードマンも早く来そうだ、早々と仕度をし、日の出近くで明るくなった、林道に入って行く。
紅葉は、もう盛りを過ぎ、木々の葉っぱも落ちかけてきている。 枝沢の様子などを見ながら歩いていると、地響きを上げた音が後ろからし、大型ミキサー車のお出ましだ。
それからは、10分おきくらいに、監督の車、作業員の車、ミキサー車と交互に現れ、かなりの車が奥に向かって、走り去っていく。
おとがめは無しで、端に避けていると、砂煙を上げながら、走りさっていく。 気温が低く、陽もまだ当たらないので、かなり寒い、ポケットに手を突っ込みながら歩く。
右岸に、不気味な感じの高い堰堤が聳え立つ黒川が見える。この川も遡行対象として、面白いらしい。
道路の端には、おそらく今年の初雪だろうと思われる、かすかな雪が残っている。

崩壊個所に着いた。迂回道路が河原の方に下っている。 丁度このあたりから、朝日に輝く鋸岳の一部がかいま見えた。
しばらく歩くと橋が見えてきた、林道は本流沿いと、大平へ登る道とに分かれる。 工事車両は、大平方面へ向かい、どんどん登っていく。
橋を渡った所が、ゲートから6KMの地点。 川は、橋の先で二股となり、本流と、直角に交わる中ノ川に分かれる。
橋の先からは、正面の尾根に付けられた、かすかな踏み跡を拾い、登っていく。
尾根が少し平らになったところで、沢沿いを覗いて見たら、何かロープのようなものが、下に見えた。 ひょっとして、あれが滝へ行くトラバース道かもしれない。
少し沢方向に下り、確かめて見ると、踏み跡もあり、ロープはさらに下に向かって続いていた。 間違いないと思い、ザレ斜面を下る。

下に6Mくらいの滝がある、あれが前衛の滝だろうか。 さらに、やや怪しいトラバースしながら降りて行くと、大きな直瀑が見えてきた。
もう間違いない大滝だ、滝前の沢には、簡単に降りられた。 落差は本にあった50Mない、甘く見て40Mくらいか。
水量はそれほど多くなく、一条の直瀑が、V字状の岸壁を割って、音を立て落ち込んでいた。
滝壷は深そうだが、手前に小滝があり、ベルグラ状に凍っているので、直接覗き見ることができない。 凍ってさえいなければ、簡単にみられそうだが。
両岸絶壁のため、あまりアングルを選ぶことができない。 おそらく、この滝に日が差す時間帯は、午後の遅い時間しかないだろう。
割合簡単に見られ、あまり疑問もなく写真を取り捲り、満足したところで、滝前から戻る。
途中に見えた、6M滝の前に降り、ここも写真を撮ってから、ロープを補助にして登り返す。
なんとなく、滝の姿に若干の違和感があったにはあったが、滝が二つあったので、あまり気にすることなく、林道に戻った。
まだ時間が早く、ホテルへ行ってもしょうがないので、北精進ヶ滝に見てから、石和に戻ることに決めた。
林道にも日が差してきたので、かなり暖かい、目的の滝が簡単に見られたので、るんるん気分でゲートまで歩く。 あい変わらず、ミキサー車は定期的に登って来る。

ゲートが見えてきた、ガードマンの姿が見える。 一言あやまり、挨拶でもすれば大丈夫だろうと思いながら近づくと、ゲートを開けて、通してくれた。
一言「ここは一般の方は、進入禁止なんですよね、これからは気をつけて下さい」 とやんわり言われた。。
「すいません、そこに止めてある車も私の車で」と頭を下げる。 「なんだ、車もそうか、こまるなー、注意して下さいよ」。 「すいませんねー」と頭を下げながら、すぐに車を発車した。
もう、二度とここに来る機会はないしなー、なんて思いながら、林道を下っていったのだが・・・?。
さて、国道に戻り、旧武川村牧原の信号を右折し、案内看板を見ながら、北精進ヶ滝向かって走る。
下の方はまだ紅葉が残っている、明るい日差しを浴びながら、12時前には、吊橋前の駐車場に着いた。 平日ながら、数台の車が止まっている。
靴は沢足袋に履き替え、遊歩道を歩いていく。 途中の滝は見るだけで、たんたんと滝見展望台がある終点まで辿りついた。
途中、帰りの二人に会っただけで、展望台には人影はなし。 ここには、日差しがあるが、もう北精進ヶ滝は影になり、日が差すことはなさそうだ。

おにぎりを一つ食べ、小休憩をしてから沢に降りる。 この前は、九段の滝途中から登ったが、今日は安全を考えて、対岸の昔道を行く予定だ。
対岸に取り付くと、前にはあまりなかったテープが目立つ。 あれから結構人が入っているようだ。
注意しながら、登って行けば間違えることはなさそうだ。
急な尾根を乗っ越し、トラバース的に道を拾って行くと、あっさり前衛滝の前にでる。 ここで少し写真を撮り、対岸に渡る。
この辺から、沢沿いの濡れているところは凍っているので要注意だ。 以前、左岸の小沢にあったロープは見当たらなかった。
、 しかし、手がかりがかなりあるので、それほど問題なく登れる。 大石を掻き分け、やっと北精進ヶ滝の真下に出た。
かなり凍っているので、ゆっくり一歩一歩注意しながら歩く。 前回は、下りで落ちたため、帰りも慎重に下る。
さあ、今日の目的は達した、ゆっくりと展望台まで戻った。
最早、人影なし、駐車場にも他の車の姿はなかった。
着替えをし、一路石和温泉に向け、国道を走る。 途中、甲府バイパスが事故で渋滞し、ホテルに着いた時は5時を回っていた。
今日の参加者の中では、どんじりだった。 とりあえず、ビールを2,3杯飲み込み、温泉に浸かる。 ああー、極楽極楽、気軽に話せる同期会の酒も格別おいしかった。
翌19日、車2台・4人で尾白川渓谷へ行くことに、これで今回の目的の滝はすべてクリア。
簡単な歩きで片道30分、往復1時間だと、ちょいとだまし、神蛇滝まで連れていくことにした。
駐車場には、マイクロバスが1台、普通車が15台くらい止まっている、天気がいいので、紅葉が終わった今ごろでもまあまあか。
あまり人が多いと、通行禁止の沢沿いの道に入りにくいのだが。 吊橋を渡り、人がいないのでこれ幸、通行禁止の道に入る。
以前、崩れた最初の鉄階段の場所は修復してあり問題ない。 いったん登り、沢沿いに降りたところの鉄橋の前が一部崩れ、ちょっと危険だ。
滑落しないよう、注意して通過、あとはそれほど気にするところもなく、沢沿いの道は通ることができた。
さすがに、この道に入ると、ほとんど人に会うことがない、二パーティーに会ったのみ。 幾つかの滝を鑑賞し、無事神蛇滝に到着。
時間のせいか、ここにも1パーティーのみ。 仲間には、ちょっと待っていてもらい、沢に降りる。
もう紅葉も終わり、日も陰り、撮影条件はあまりよろしくない。 メディアがすぐにフルメモリーになったところで、撮影はおしまい。
登り返し、仲間と尾根道を駐車場目指し下る。 沢沿いは1時間かかったが、何も見るものがない尾根道は、30分で着いてしまった。
ここで別ルートで帰る仲間の車と分かれ、丁度お腹が空いたところで、小作のほうとうを食べて帰路についた。
帰って本を読み再確認すると、時間も合わないし、どう見ても写真が合わない。 どうやら、今回見た滝の上に、本物の中ノ川大滝がありそうだ、また何時かリベンジしなければならないなあ。

車――中ノ川の滝――車   車――北精進ヶ滝―――車  車――神蛇滝―――車

6:30  8:30  11:00  11:50  13:20   15:40  10:40 11:50   12:30

 
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