大室沢


8月19日(金)、裏丹沢のマイナーな沢、大室沢。
大室沢にある滝を尋ねて、道志川系大室沢を訪れる。
大きな沢らしいが、不思議と山梨県側の沢には滝の記録が少なく、今までほとんど 行かなかった。
神奈川の滝というテーマもあり、道志側は積極的には探さない、という勝手な解釈もあったが。 ただ、地形的にもあまり滝はないらしい。 左岸には観光的な滝がいくつかある(七滝、雄滝、雌滝)。
地図上で見ると、道志村大渡地区から、大室山登山道沿いに大室沢が流れている。 国道を山梨県に入り、入り口を探すと、大渡キャンプ場の看板が目に入った。 車を止めて入り口の案内を見ると「ここから大室山へ登れます」とあるので、 ここだなと思い、国道脇の路肩に車を止め、支度する。
周りに民家はなく、道志川の大渡キャンプ場へ降りる急な林道があるだけ。 道志川がはるか下に見え、正面に大室山がどんとそびえ、くびれた間にはおそらく 大室沢があるだろうと想像させる。
道志川に降りると、夏休み期間中のため、何台かの車が止まっており、川遊びを楽しんでいる。
キャンプ場の中を勝手に通るのは気が引けたので、受け付けの人に「この近くに滝があると聞いたんですが」 と聞くと、「そこの木の橋を渡り、渡ると滝まで行く道があり、すぐですよ」との答え、 その会話のニュアンスから、『どうぞキャンプに関係ない滝を見る人や、大室山に登る人は、 勝手に行ってください』、 という感じだったので、軽く頭をさげ、キャンプ場の中の橋を渡らせてもらう。
キャンプ場の中を通過する、というのはあまり気分のいいものではないが、ここは感じが良かった。 先生らしき人が話しており、小学生が来ているらしい。
橋の下が丁度大室沢の出会い。 案内はないが、滝まで沢沿いに遊歩道があり、5分ほどで滝に到着。
滝の前には、ボーイスカウトが立てた杭があり、それには「大渡三段の滝」と書いてある。 手前の岩を滑状に落ち、その上に釜を持って二段、垂直に落ちている。 一見、堰堤のような滝だ。
本流にかかっている滝のため、かなり水量が多い。 この滝を見るだけの目的だったが、あまりにあっけなかったので、少しこの上を探索したくなった。 道はここまでで、この先左は崖、右潅木が茂っていて、踏み後はあまりない。 右側の泥がついているところを這って登り、立ち木を利用し慎重に落ち口へ降りる。
上から見ると、上段の滝は幅広く、3Mくらいの高さから落ちていて、見ごたえがある。 下から見ると平べったく見えたいしたことはないのだが。 滝の高さを計るというのは、ほんとうに難しいと思う。
この先は以外と薄暗いゴルジュが続き、釜を持った2、3Mの小滝の連続だ。 なかなか見ごたえ、歩きごたえがある。
滝を数個過ぎ、ゴルジュが終わると沢は明るく開け、広いゴーロ状の渓流に変わる。 沢床はどんどん浅くなり、植林の杉や広葉樹が目の高さになってきた。 先ほどのゴルジュのようなところがまだあるのかと期待したが、反対に沢はどんどん明るくなり、 その雰囲気はない。
しばらくして、人口物が見えてきた。 水の取水口のようだ
脇にかわのりの案内板があった。(写真) この先も少し歩いてみたが、変化があまりなく、水も少なくなってきたので、途中であきらめて下る。 さきほどの取水口のところまで戻ると、林道があったのでそこを下る。
途中、分岐があり、大室山へ登る古い標識があった。 さらに下っていくと、林道から右下へ降りる道が赤テープで印してある。 その急な尾根道を降りていくと、最初に渡った橋のすぐ上に出た。
沢の分岐のところには、大室山や滝への案内はないが、この下ってきた道が登山道だということがわかった。 点線の裏登山道のため、ほとんど登る人はいないのだろう。
キャンプ場で遊んでいる人々をゆっくり眺めながら、国道までの道をあがる。
途中先生に会い、「滝まではどうでした」と聞かれたので、「割合簡単に5分ほどで行けましたよ」 というと、「あとで生徒たちを連れていってみよう」と言っていた。 滝を見るのも変化があっていいだろう、と思いながら歩く。
途中で振り返り、登ったルートを目で追ってみた。 滝のあるへんは立っており渓流風なところはなだらかになっているのが良くわかる。 植林の多い大室山の大きくなだらかな山容が翻っていた。

 車――――キャンプ場――大滝――――取水口―――キャンプ場―――車

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