紅葉の地獄棚・雨棚


11月21日(日)快晴。
谷の紅葉は遅い。麓に紅葉が降りてきた日曜日、とある風景が撮りたくて、西丹沢にある、大滝沢へ出かけた。
土曜日は所用で飲んだくれていたので、短時間の散歩が楽しめるこの沢はうってつけだ。
あまり、紅葉の時期を選んで滝見をしてこなかったので、一枚の写真にこだわりながら、撮影ポイントを探した。
鈴木澄雄さんの地獄棚を入れたV字谷に見せられ、そのポイント探しだ。
今年の紅葉は例年より、綺麗なように感じる。
丹沢湖周辺の紅葉も盛りになって来ている。


早朝見えていた富士山は雲に隠れ、玄倉から見ることは出来なかった。
大滝沢林道に入ると、焚き火の煙が上がる。
ゲート付近には、すでに数台の車が止まり、普段人気のないこの付近のコースにも、ハイカーが入っているようだ。
ゲートは開いていたが、この前の大雨で、林道先は、かなり荒れている。
ゲート付近に車を止めておいた方がいいだろう。
登山道に入り、荒れ具合を確かめながら、マスキ嵐沢出会いまで歩く。
本流の堰堤上から、沢沿いを歩いていく。
あのすさまじい大雨は、おそらく川幅一杯に流れ、倒木を流し、踏み跡は消し去ったのかもしれない。
多少、崩落があったりして、歩きにくい所があるが、足は濡らさずに登って行ける。
地獄棚までは、さしての問題もなく到着した。
この付近の紅葉も、今が、丁度盛りのようだ。
今年の紅葉は遅く、丹沢の紅葉は当初、あまり綺麗じゃない、と言われていたが、実際に眺めると、色着きはいいようだ。


地獄棚をいろんな角度で撮ってみる。
さて、問題の景色はどの場所からだろうか。
まずは、前衛である5M弱の滝を登らなくてはならない。
以前は登ったこともあるが、ちょっと挑戦してみてから、やばいと思いやめた。
一旦地獄棚下に戻り、尾根に上がる。
尾根上の踏み跡を登り、100Mくらいある涸棚(水は少し落ちている)の正面に出る。
そこから、ロープを使い、雨棚に近づくようにして降りて行く。
最後の3Mくらいは、立ち木が細く、傾斜もきついので、慎重に降りた。


水量はさほど多くないが、さすがに雨棚は立派だ。
水量が多いと扇形に広がり、すばらしい姿になる。
青空と紅葉がマッチし、清清しい空間だ。
滝への日差しは、昼過ぎのわずかな時間しか届くことがない。
しばらくは、滝と下流のV字谷の風景を撮影する。
ここからは、地獄棚は見えない。
あの風景を追うには、前衛滝の上まで行かなければ見えないだろう。
ほんの50Mだが、その間には深い淵がある。
うまくかわせば、胸まで浸かることもないが、滑って落ちそうだ。
何度も考えて見たが、結局トライすることはやめて、あきらめた。
V字谷と紅葉の地獄棚、絶好の条件だったが、カメラの水没も考え、撮影することが出来なかった。
残置したロープを頼りに、尾根まで登る。
紅葉した木々を愛でながら、登山道分岐まで、のんびり歩く。
登山道では、三組のパーティと会い、紅葉狩り等で、出かけてきた人も多かったようでした。

車―――地獄棚――雨棚――車

8:15  9:10  10:50  14:10

 

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