大矢沢


10月13日(土)、大滝秘めた・大矢沢。
玄倉川と較べ、ゆったりと流れる世附川、今日も沢山の釣り人が入っている。 今まで、世附川沿いに大きな滝があるのは、源五郎沢程度で、他にはあまり見たことも無い。
しかし、先週の雷沢以来、見方を替えなければならなくなった。
世附川右岸の小さな沢に、これほどまでに多くの滝があるとは。
今日は三匹目のどじょうを狙い、大矢沢に向かう。
いつものように、水量目安の水無川堰堤を見ると、かなりの水量、先日の大雨が 効いている。 これは今日も忙しくなるぞ、急がなくちゃ。
浅瀬のトイレのある駐車場に車を止め、歩きはじめる。 黄色く色づいた柿の木(これは渋柿)の横から世附川に降りる。 先週一つかじったが渋かった。
水量の多い世附川を渡渉する。 大矢沢の出会いは、堰堤がいくつか見えるだけ。 さて、堰堤はどこまで続くかな、と気にしながら最初は左、右といくつか越していく。
そのうち、沢床に降りても堰堤が巻けなくなったので、右に上がり、尾根の裾をトラバース するように、12、3個の堰堤を越し、やっと最後の堰堤らしき上にでた。 水量はやはりかなり多い。
少しゴーロを歩くと、沢は二股になっている。 水量はほぼ同じか、左が少し多いくらいか。 水量の多そうな左の沢に入ってみる。
沢は少し狭くなり、ややゴルジュ状になってきた。 こりゃこの先期待できるぞ、と思いながら登ると、正面に滝が見えてきた。 F1(6M)の直瀑だ。 ここはすぐ右をあがる。
この後は沢幅が広がり、またゴーロに戻る。 しばらく登って行くと、左に小沢を分け、沢は右に曲がっている。 両岸が立ち、ゴルジュ入り口が見えてきた。
はて、この先はどうなっているのか、はやる心を押さえて右に入ると、すばらしい 滝が階段状に続いているのが見えた。 最初の滝は、幅広4Mの滝、続いて二段5Mの滝、ここは左にも滝がかかっている。 さらに続いて二段5Mの滝。 この連続する滝は、水流沿いに登らないと上に行けない。 半分水をかぶりながら横を登る。 ホールドはいっぱいあり、比較的登るのは簡単だ。 ただ、この辺の岩の特徴で、小さい手がかりはぼろぼろ剥がれる。
連瀑を登ると、正面に大滝が現れた、思わず息を呑む、すばらしい!!。 二段らしいが、上部は大き過ぎてよくわからない。 周りを見ると切り立った崖だ、振り返ると浅瀬の上のガレた堰堤が見え、かなり 上にきたなあと実感した。
この上はどうなっているのか確かめたいが、登れるようなルートがない。 さて、戻るにも戻れないので、どこかに行けるルートはないものかと探すと、左のやせ尾根がなんとか 登れそうだ。
急な尾根を立ち木をたよりに、あえぎながら登りつめると、大滝の上部が見えてきた。 沢へは切り立っていて降りられそうもない。 大滝の上部はさらに30Mくらい滝が続いており、50Mくらいの一つの滝だというのがわかってきた。 残念ながらもう正面から写真は撮れないので、ただただ眺めるだけだった。 ここを最後に下る。
右岸の小沢を渡り、右の尾根沿いに慎重に降りる。 降りたところは先ほどのゴルジュの入り口、ここまでくれば怖いところはない、もう安心だ。 F1を下り、二俣まで戻る。
今度は右に入る。すぐに右F1(5M)の滝に出会う。 ここも左F1と同様直瀑。
左から越して上に出ると、明るく広いゴーロの沢になる。 沢相から見るとこちらが本流らしい。 ゴーロは真直ぐつづいており、単調にもくもくと歩く。
途中、足元の一歩の音に驚いたヤマカガシが、沢に落ちて流れて行った。 あまり沢でへびには会わないのだが、今日の暖かい気温に誘われて出てきたのだろう。 しかし、蛇は好きではないのでびっくりした。
沢はゴ−ロが続き、なにも出てきそうもない。 ビニールやタイヤがでてきて、だんだんとごみが目立つようになってきた。 そうか思い出した、この上には林道があるのだ。 よし、ここまできたら林道まで登ろう。
4Mの滝を二つ越し、しばらくゴーロを登っていくと、林道のガードレールが見えてきた。 水は林道下、100Mくらいのところで無くなった。
林道に出て一休み、周りの風景を見ると、かなり上まで上がってきたのが実感できる。 朝方、富士山がよく見えていたが、もう大分霞がかかっている。 少し休んでから、林道上を歩き、上から見た左俣はどうかなと少し歩いてみたが、少し沢音 がするくらいで、下はどうなっているのか全然わからない。
ススキが周りに生えた林道を、ゆっくりと世附峠方面へ鼻歌まじりで下った。 峠のベンチの上で昼食、下に霞のかかった小山の町が見える。 富士山は、少し明神峠方向へ行かないと見えないが、今日の天気ではだめだろうし、雪もなかった ので、見に行く気がしなかった。 おにぎりを食べながら、熊鷹の看板や、さんしょうばらの看板を見て、ゆっくりとすごした。
帰りは浅瀬へ降りる登山道を下る。 途中、夕滝のある沢を渡る。
沢音を聞くと、むずむずしてきて、なにかないかと探すが、見たところなにもないようだ。 次にまた右下から沢音がしだし、少し何かありそうな音がする。 少し藪をこいて沢に出てみると、すぐ下が切り立っていて、下が見えない。滝がありそうだ。
少し戻り、杉林の中を下り滝下に出ると、夫婦滝のように左右に二条の10Mくらいの滝が落ちていた。 丹沢は本当にいたるところ滝だらけだなあと改めて実感した。 しかもさらにこの下も落ちている。
また杉林に戻り、下に降りる。 さらに大きな滝が空中を飛んでいる、綺麗な簾状の滝だ、15Mくらいあるだろう。 下を見ると世附川が見える。 もうかなり下まで降りてきたのだ。 少しゴーロを下ると、吊橋の少し下流に出た。
出会いを見ると、貧弱なゴーロの沢でなにも無いように見える。世附川を渡り林道に出る。 浅瀬を過ぎ、道路から登った大矢沢を眺め、あそこまでが堰堤その先が二俣だなと、地形を眺めながら確かめる。 はるか上には林道らしきガレも見える。 ああ、あそこまで登ったんだなあとチェックをしながら車に戻った。 続きの勧淵沢はこの後に書こう。

 車――――――大滝―――――二俣――――林道――――――車

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