二兎を追って(ダイヤ槍、パール槍)


平成28年10月15日(土)〜16日(日)、快晴。
今年はあまりにもチャンスが少ない。
パール槍ヶ岳は、車で行けるいい場所がなく、天候も恵まれない。
ダイヤモンド槍ヶ岳は、晴れる日を追えばなんとかなるだろう。
9月は失敗に終わったが、10月はダブルを狙う絶好の天気がやってきた。
9月はくもりでうまくいかなかったが、槍ヶ岳が、かなり平地で広範囲に見られることがわかった。
10月15日(土)〜16日(日)、高気圧が帯のように連なり、絶対の晴れが約束出来る日にちがやってきた。
週末というのがちょっと気になるが、高速も割引になり、早くでれば問題はなさそう。
16日早朝がパール槍ヶ岳になるため、その前に15日夕方のダイヤモンド槍ヶ岳もなんとかものにしたい。
カシミールで見えそうな場所を探してみるが、なかなかいい場所がヒットしない。
唯一見えそうな場所が林道上に見つかり、行けるかどうか判らないが、とりあえず予定する。

さぁー早朝出発、15日は朝から快晴、今日1日、天候の心配はいらないだろう。
佐久インターまで高速を使い、まずは、パール槍ヶ岳が見られる場所まで行ってみる。
佐久平からは、北アルプスが良く見えており、槍ヶ岳や穂高がはっきり見えている。
パール槍ヶ岳が見られる場所は、小諸市山浦、田園地帯だ。
農道に入り、予定地点近くを歩いて見る。
この辺はどこからでも北アルプスが見えている。
ため池近くを撮影予定場所と決め、今日のダイヤモンド槍ヶ岳が見える予定の場所に移動。
ダイヤモンド槍ヶ岳が見える予定の場所は上田市、ここから25KMくらい先だ。
林道は行けるかどうかわからない、ゲートなどなければいいが。

狭いダートの林道を行ける所まで登ってみる。
ゆっくり走ればなんとか行けそうだったが、道路真ん中の草が底を擦り、なんとなく恐い。
両サイドの草や小枝も車に当たり、気持ちが良くない。
それでも、なんとか予定地点近くまで走れる事が出来、Uターン出来る場所に車を止める。
さぁー、あとは北アルプスが見通し出来る場所があるかどうかだ。
林道を歩きながら見られそうな場所を探す。
ススキや木々が茂り、なかなか遠くが見える場所がない。
それでも、なんとか見られそうな場所が1箇所見つかり、ここを撮影場所と決める。
止めた車から400Mくらいの場所だ。予定地点から50M以内だろう
少し撮影場所の整理、枯れ枝をどかし、小枝を整理して、撮影空間を確保した。
槍や穂高が良く見え、鹿島槍や五竜岳まで見えている。
ちょっと来る時間が早すぎた、まだ昼前だ。

せっかくここまで来たんだから、降りるわけにもいかず、パンをかじって夕方まで待つことにした。
車の中でFMを聞きながら昼寝したり、花や鳥が撮影出来ないかと、林道上を少し歩いたりして時間をつぶす。
やっと予定時間が近づいてきた。
相変わらずの快晴、太陽も北アルプスも良く見えているが、気になるのは山の上にある低空の雲の帯。
日没10分前、低空の薄い雲の中に太陽が入って行く。
幸、槍ヶ岳の上には、太陽2個分くらいの晴れ空間がある。
太陽が雲から出てきた、槍ヶ岳の穂先にどんどん近づく。
まずは、マルミのND100000フィルターを入れ、小さな黒点がある太陽像とシルエットになった槍ヶ岳を写して行く。
みるみる間に太陽は落ちて行く。
途中でフィルターを取り、感度、シャッタースピードを変え、撮影したが、あっという間に太陽は沈んでしまった。
太陽光は強い、設定変更はあわてていて、あまりうまくいかなかったが、なんとか、ダイヤモンド槍ヶ岳を見ることが出来た。
しばらく夕暮れの北アルプスを撮り、ゆっくりと林道を下って行った。

今日の宿泊場所は前回泊まった道の駅”雷電くるみの里”、今日は土曜日のため、宿泊しそうな車がかなり多く止まっている。
もう、外は真っ暗、月が煌々と輝いている、快晴の星空。
寝場所をセット、まずはビールでダイヤモンド槍ヶ岳撮影の成功を祝し、喉を潤す。
明日の朝までこのまま晴れが続いていてくれればいいな、と願いつつ眠りについた。
車の中の目覚めは早い、1時すぎには目が覚めた。
月は相変わらず煌々と輝いている。
FMをつけ、ラジオ深夜便を聞きながら横になり、うつらうつらしている。
ラジオは1時間すると自動的に切れる、3時からはタイガースとテンプターズの特集、懐かしいなあ。
4時、トイレを澄ましてさぁー出発。昨日下見した場所まで20分ほどで到着。
空にはかなり薄雲が広がり、日の出まで持つか心配だ。

今日の日の出は5時50分、パール槍ヶ岳になる時間は、5時20分くらいから。
日の出30分前なので、かなり暗い時間帯になる。
月がうす雲の中に入っている、暗いので槍ヶ岳は見えない。
良く見ると、山の上あたりに月3個分くらいの晴れスペースがありそうだ。
予定時間5分前、薄い雲から月が出てきた、カメラで露出を確かめるため、何枚か撮ってみる。
槍の穂先が月明かりで見えてきた、まもなくパール槍ヶ岳だ。
月の中にシルエットで槍ヶ岳が浮かんで見えて来た。
あとは、露出を変えながら、どんどんシャッターを切って行く。
月が沈んでも、月明かりで山の稜線は、日の出の時のように赤く光っている。
ここも、あっという間に終わってしまった。
日の出まで待ち、明るくなった槍ヶ岳を撮影、無事パール槍ヶ岳も見られ、バンバンザイだ、うまく撮れたかは別問題。
なんとか天気が持ち、予定通りミッションは完了。
火口から煙を出す雄大な浅間山を眺めつつ、帰途につく。
碓氷峠越えのみ高速を利用し、のんびり、一般道を走り、満足感にひたりながら帰宅した。
後日写真を見比べてみると、上田あたりからは小槍が見えているが、小諸からだと見えなくなる。
ちょっとした方向違いで、姿は結構変わるものだ。
撮影はニコンD7100、300mmF4×1.4で約600mm相当。

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