丹沢・中川川系、用木沢・一の沢、モロクボ沢・雷木沢


4月29日(月)快晴。遡行図
こんな大滝があるなんて、びっくり、あぜんとした、雷木沢。 今日は三連休の最後、「みどりの日」。
明日に持ちこまない程度の心地よい疲れをもとめ、地図を眺め、どこにいこうかな、と行き先を探す。 前に犬越路からの帰りに見た沢に、水があったなあと思いだし、西丹沢に出かける。
ダム手前のオートキャンプ場は連休とあって、かなりの車で埋まっていて、 こいのぼりが、新緑と朝の光を浴びて、気持ちよさそうにたくさん泳いでいる。 早いキャンパーは、もう朝食の支度をしているようだ。
西丹沢の駐車場も、泊まりがけの車で一杯、上のコテージのあるキャンプ場にも、かなりの車が止まっていた。 用木沢出会いも、車でかなり埋まっており、やっと一台のスペースを確保した。
支度をして、用木沢沿いの登山道を歩きはじめる。 新緑と沢の流れがあいまって、とても清清しい気持ちがする。 15分ほど歩くと、一の沢出会いに着いた。
しばらくは、幅のあるゴーロの沢、水の流れは、まあまあある。 やがて沢が右に曲がる頃、見えないが、水音が高くなった。
右にまがり、また左に曲がるところに、F1・5Mのニ条の滝が落ちていた。 スラブ風の岩を滑るように落ちている、感じのいい滝である。
ここの巻き道はどちらかな、と左右見まわすと、右壁の下を高巻き出来そうな感じだったので、 ざれを登り、トラバースぎみに行こうとしたが、1ヶ所岩壁の土が落ちていて、渡れそうもない。 滑って、落ちれば、滝下までまっさかさま、無理だ、戻ろう。 左は急な尾根、立ち木を利用し、なるべく小さく巻く。 5Mの滝でも巻き道は、ちょっといやらしい。
上はまた開け、ゴーロになる。少し行くと右に曲がる。 曲がったところの正面を見ると、雰囲気がいいところに滝がある。 F2・8Mの滝、手前にも小滝があり、庭園風で美しいところ。 左右にはもみじがあり、秋の紅葉時期なんかもいいだろう。
ここは左から巻いて上に出る。 ここから先は、陽光さす広いゴーロで、水は伏流になって行き、やがて消える。 滝をみるならば、F2まで、比較的短時間でいけて、楽しい。
水が完全に無くなったところで、Uターン、出会いに戻る。 沢沿いの登山道を下って行くと、多くの登山者や、沢で遊ぶグループに出会った。 さすが三連休の快晴の日、陽気と新緑に誘われ、散歩気分で入ってきて、ぶらぶらするも、丁度いい気候だ。
まだ大分時間があるので、近いところでもう一沢よって行こうと考え、 たしか、モロクボ沢に入ってすぐのところに沢があったなあ、と思いだし、林道を歩きはじめる。 旧白石キャンプ場に入る鉄橋の脇から、左岸に入ってみる。 あまり水量のない沢が、右側からながれてきている。 最初の堰堤に、雷木沢と書いてあった。 水も少ないし、緩い流れだし、少し先まで、ちっと見て、早めに帰ろう、 と思いながら沢に入ると、滑が出てきた。
100Mほど滑を登って行くと、大きな滝が突然目の前に現れた。 うん、いい滝だ、願わくば、もう少し水量があればなあ。
写真を撮ろうとしたが、太陽が燦燦と輝き、一向に雲が出る気配がない。 どうしようか、ここで少し日が傾くまで待とうか、 それとも、上の様子だけでも見ておこうか、と思案、 下から見ると、まだ、滝のような流れも見えるし、行ってみようかなあ、と思ってみても、 両サイドの巻きはかなりきつそう。
滝の右すぐ横の、傾斜のあるテラス状のところが、登れそうなのでトライしたが、 思ったより傾斜がきつく、滑って登れない。 もう一度下から少し右側を、篠や立ち木をたよりに、小さく巻きながら、落ち口に立つ。
すると、上はさらに10Mくらいの滝、その上にも滝が見える。 これは、すごい、さらに上はどうなっているんだ、きりがつくところまで行ってみよう。
F2・10Mの滑滝の巻きもきつい、 左側ぎりぎり、へつるように、小さく巻き、F2の上にたつ。
この上も滝、2段・20Mくらいの斜瀑。 ここの巻きも、右側をへつるように、篠をつかみながら登る。
沢は右に曲がっているが、さらにらくだの背中ように滑滝があって、先は見えない。 3Mの滝2本、水流沿いに越えると、沢は左に曲がり、大滝をかけていた。
すごい、すごい、この沢はどうなってるんだ、 F1からF4大滝まで、まるで一つの岩で繋がっているような感じの連瀑帯だ。
大滝は30Mくらいあり、なめるように筋を引いて落ちていた。 滝の前は少し開け、明るい。 雲が出るまでしばらく待とうと、じっくり構え、カメラの準備をする。
滝の前に、椅子のような石があったので、砂を払ってきれいにすると、まさに、自然が作った 観瀑用の石椅子に変身。 座りごこちも良く、正面に滝を見ることができる、実にいい気持ちだ。 しばし、座って、日光浴と滝観賞を楽しむ。
下りは、もとのルートを慎重に選びながら、F1の下まで戻る。
F1は、日がかげり、写真を撮るのに丁度良くなっていた。 太陽様様だ、もし曇っていたら、ここで引き返していたろう。
おおいに満足しながら、林道に出る、白石峠からの帰りであろうグループが2組、早足で降りて行く。 私は昂奮の余韻をひきずりながら、ゆっくり歩き、車を止めた用木沢出会いまで戻った。

車――一ノ沢出会――F2――Uターン地点――ノ沢出会――用木沢出会――雷木沢出会――F4大滝――雷木沢出会――車

7:05  7:20   7:40  9:15     10:15   10:30    10:45    12:00   13:15  13:30

 

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